2016年2月6日(土)(憲法千話)
憲法便り#1579:娘の高木敏子さんとの偶然の出会いをきっかけに、『ガラスのうさぎ』を読みました! 昨日、娘が東京駅で、名著『ガラスのうさぎ』の著者・高木敏子さんと偶然の出会いをした。
出会った場所は、東京駅構内。
品の良い感じの年配の女性が、どちらに行ったら良いのか、迷っているご様子。
それに気がついた娘は、すぐに声をかけた。
『どちらにいらっしゃるのですか?』
『丸の内北口』に行きたいんですけれども』
最近の東京駅は、行く度に様子が変わっているので、
生まれた時から、東京にずっと暮らしている私でも、迷うことがある。
その女性も、東京生まれで、東京育ち、そして今も東京で暮らしているという。
とにかく、情報が多すぎるのだ!
娘は、その女性が分かるところまで、案内することにした。
その女性は、今日、読書感想文コンクールの表彰式があって、その会場に向かうところだとのこと。
「入賞なさったのですか?」と尋ねると、
「私は、著者なんです」との答え。
そこで、初めて、彼女が『ガラスのうさぎ』の著者、高木敏子さんであることを、娘は知った。
歩きながら、高木さんは次の話をなさった。
高齢なので、最初は、出席しないつもりでいた。
しかし、『ガラスのうさぎ』の感想文で入賞した小学生が、両親と共に、栃木県から上京することを聞いた。
「その子にとっては、一生に一度あるか、ないかの、晴れの舞台ですから、
それを考えて、出席することを決めました」との話。
一緒に歩いたのはほんの少しだが、高木さんが、「ここまで来れば、後は判ります」とおっしゃったので、
彼女を見送り、娘は、すぐに「丸善」に向かった。
そして、高木さんに敬意を表して、新版『ガラスのうさぎ』を買い求めた。
この話を聞いて、さすが、私の娘だと思った。
12時前に、娘と会った時、
彼女は開口一番、言った。
「お父さん、高木敏子さんのこの本は、すごいよ。
憲法第九条、戦争放棄で結んでいるんだよ。」
私は、娘が買いたての本を借りた。
そして、昨日のうちに、一気に読み終えた。
母親と二人の妹が東京大空襲で亡くなり、
父親は、米軍機の機銃掃射で、自分の目の前で犠牲になった、想像を絶する、悲惨な戦争体験。
所要で、銀座に向かう地下鉄の中で、読み始めると、
1943年、17歳で特攻隊に志願した兄のことが書かれていた。
兄の名前は、私と同じ「行雄」。
何という奇遇。
「行雄」という名前を見たとたん、どっと涙が溢れた。
そして、涙を流しながら、読み続けた。
心臓が悪い母親の姿、5歳年下の妹(敏子さん)との会話。
似ていることが多い。
私が、1943年に17歳だったら、
特攻隊に志願していたかもしれない。
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安倍晋三首相が、戦争法を強行裁決し、
さらに、「憲法改正」、九条改悪を、連日声高に叫んでいる。
戦争の愚を、二度と繰り返させないため、
私は、知恵と力の限りを尽くしたい。