2016年3月20日(日)(憲法千話)
憲法便り#1603:来る4月22日に高田馬場で行う『憲法講演会』の詳細をお知らせします
主催:新宿のくらしと文化を考える会
論題:『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
講師:岩田行雄(いわた・ゆきお)(通算で142回目の講演です)
日時:4月22日(金)18:30~20:30
会場:新宿区戸塚地域センター7階 多目的ホール(高田馬場駅から徒歩1分)
電話03-3209-8001
資料代:500円
連絡先:三雲崇正法律事務所 電話03-6380ー3185
憲法講演には、情勢論、運動論、体験論、条文解釈などいろいろありますが、
この講演は、あくまでも史料に基づく、実証的な内容です。
【 講演の主な内容 】
1.昭和20年末までに、「憲法改正」、「憲法民主化」の世論は形成されていた。
2.従来、日本政府とGHQとの関係が強調されてきたが、実際の対立軸は「国民への明治憲法押し付けに固執する松本国務相」対「憲法の民主的改革を望む幅広い国民」。
3.昭和21年3月7日までに作成された憲法改正草案等より、五つの具体例を紹介。
4.「GHQ草案」は、民間研究団体「憲法研究会」の草案要綱を基礎に作成された。
5.「GHQ草案」作成は、素人集団ではなく、「軍服を着た法律家集団」が主導した。
6.GHQ民政局の草案作業は、「やっつけ仕事」ではなく、周到な準備に基づいている。
7.日本国憲法は、GHQ草案の単なる翻訳ではなく、国会での3段階(本会議、改正案委員会、改正案委員小委員会)の詳細かつ徹底した論議に基づいている。
8.婦人参政権は、昭和20年12月17日に衆議院議員選挙法改正公布により確立した。
【 レジュメの資料12件、その他に新聞等のコピーあり 】
〔資料1〕戦争放棄の原点は「戦争放棄に関する条約(パリ不戦条約)」(1928年)に!
〔資料2〕平和と憲法の民主化を求める世論(1945年9月~12月の全国各紙より)
〔資料3〕日本全国に吹く民主化の風!『朝日新聞』『讀賣報知』(共に東京版)より
〔資料4〕1945年9月―1946年3月に作成された主な憲法改正草案・提言の一覧表
〔資料5〕法制局内部で敗戦直後から密かに、自発的に検討された憲法改正文書3点
〔資料6〕外務省内の憲法改正問題に関する検討文書1点(外務省の極秘文書!)
〔資料7〕22紙が報じた、憲法研究会『憲法草案要綱』(1945年12月26日)の抜粋
〔資料8〕●松本烝治国務相の私案、及び憲法問題調査委員会・宮澤(俊義)甲案
〔資料9〕 GHQ民政局の「憲法草案作成委員会」の具体的な構成とメンバーの原簿
〔資料10〕日本政府とGHQの動き=明治憲法押し付けと平和憲法制定の攻めぎ合い
〔資料11〕1945-1946年の、四つの 世論調査に見る憲法改正に関する国民の意識
〔資料12〕 衆議院での実質審議(1946年6月25日~8月24日)と主な資料
【行動する研究者&マジシャン 岩田行雄のプロフィール】
○1942年9月、東京・葛飾に生まれる。葛飾区立渋江小学校、同中川中学校、東京都立桜町高校を卒業。早稲田大学第二文学部露文専修で学ぶ。ナウカで30年間勤務。
○2002年4月から2004年3月まで早稲田大学現代政治経済研究所特別研究員。
○2004年6月に『検証・憲法第九条の誕生』(B5判,171頁)を自費出版。初版5,000冊は3ヶ月余で完売し、増補・改定第五版1,200冊(191頁)まで24,200冊を刊行。
○同書刊行直後からの講演は140回に及ぶ。開催地は北海道から沖縄、韓国5都市。
○2008-2011年に、専修大学法学部二部特殊講義「平和と法」で年1回の講義。
○2008年4月 『平和憲法誕生の真実』3,000冊を自費出版。(完売)
○2009年9月 『外務省と憲法第九条』1,700冊を自費出版。(完売)
○2013年3月『心踊る平和憲法誕生の時代』 2,000冊を自費出版(完売)/2014年5月 改題・補訂第二版『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』1,000冊出版。
○2014年6月、ひとり芝居『ヒットラー来り、ヒットラー去る』(二時間)を初演。
○2015年12月、国立国会図書館に、昭和20年~23年の憲法書約190点を寄贈
明日の『憲法便り#1604(こちらへ)』では、講演の参考文献と資料を紹介する予定です。お楽しみに!