2016年3月29日(火)(憲法千話)
憲法便り#1631:フランスから一気に広がる、イスラム教徒への「不自由 不平等 迫害」
フランスというと、私は、すぐに「自由、平等、博愛」という言葉を思い出す。
だが、そのフランスで、パリの同時多発テロ以来、イスラム教徒への「不自由、不平等、迫害」が広まっている。
ヒゲを生やして、礼拝のためモスクに通っているというだけで、危険人物とみなされ、テロリストの疑いをかけられ、ひどい目にあっているということが、伝えられている。
飲食店を営むある男性の場合はこうだ。
一日五回、警察に出頭しなければならない。
そして、夜間の外出禁止。
武装した治安部隊は、「捜査」のため、大きなはハンマーを振るって、壁を打ち破り、部屋を壊した。
テロリストではない彼の店や、部屋からは、勿論、何も見つからない。
これだけ、さんざんなことをされても、なんの保障もない。
こうした状況の中で、排外主義を掲げる極右政党が急速に勢力をのばし、
ますます、険悪な動きが強まっている。
そして、この動きは、ベルギーでのテロ事件をきっかけに、全ヨーロッパに拡大しつつある。
そもそも、ISを生み出した出発のは、アメリカとイギリス、そして「有志連合」なるものたちによる、
イラクへの侵略戦争にある。
根本的な誤りを覆い隠し、空爆、武力行使を続けたとしても、何ら解決しない。
有志連合に加担した日本政府のみならず、特に、イラク侵攻を容認した政治家たち、ジャーナリスト、コメンテーターなどは、反省を表明しなければならない。
そして、その反省の上に立って、平和回復の努力をすべきである。