2016年5月2日(月)(憲法千話)
憲法便り#1710:安倍内閣は、「熊本地震」について、閣議で実質的な論議はまったくしていない!
安倍内閣は、以下に示した通り、閣議において、「熊本地震」に関する実質的論議をまったく行っていない。
4月14日 震度7の熊本大地震(前震)発生
4月15日 定例閣議案件:
「熊本地震」関連案件なし!
4月16日 震度7の本震発生
4月17日 持ち回り閣議案件:
「熊本地震」関連案件なし!
4月19日 定例閣議案件:
ようやく「熊本地震」関連案件が扱われる。ただし、この日の閣議の案件は、下記の通り、多岐にわたっており、実質的な論議は行われていない。
4月19日の「首相の一日」のはじめの部分は次の通り。閣議の時間は、最大で15分間。
【午前】7時52分、公邸から官邸。8時2分、閣議。16分、総合科学技術・イノベーション会議。
【平成28年4月19日(火)定例閣議案件】
①一般案件(4件)
パリ協定の署名について(決定)
(外務省)
平成28年度一般会計予備費使用について(決定)
(財務省)
モザンビーク国特命全権大使ジョゼ・マリア・ダ・シルヴァ・ヴィエイラ・デ・モライス外1名の接受について(決定)
(外務省)
スイス国駐箚特命全権大使本田悦朗外1名に交付すべき信任状及び前任特命全権大使前田りゅう平外1名の解任状につき認証を仰ぐことについて(決定)
(同上)
②国会提出案件(5件)
平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震非常災害現地対策本部の設置を国会に報告することについて(決定)
(内閣府本府)
衆議院議員奥野総一郎(民進)提出国際金融経済分析会合の議事内容に関する質問に対する答弁書について(決定)
(同上)
衆議院議員初鹿明博(民進)提出無戸籍者支援のための専用カードに関する質問に対する答弁書について(決定)
(法務省)
参議院議員有田芳生(民進)提出日朝ストックホルム合意と菅内閣官房長官記者会見に関する第3回質問に対する答弁書について(決定)
(外務省)
衆議院議員赤嶺政賢(共)提出米軍嘉手納基地周辺で高濃度の有機フッ素化合物(PFOS)が検出された問題に関する質問に対する答弁書について(決定)
(防衛省)
③公布(法律)(1件)
サイバーセキュリティ基本法及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律(決定)
④政 令(1件)
通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律施行令の一部を改正する政令(決定)
(財務省)
⑤人 事(3件)
吉田耕三を人事官に, 亀田和明外1名を特命全権大使に任命することについて(決定)
判事小久保孝雄を高等裁判所長官に任命することについて(決定)
元厚生技官藤原正弘外175名の叙位又は叙勲等について(決定)
4月20日
持ち回り閣議案件(会議も論議も、行っていない!) 予備費3,000億円から、わずか23億4000万円の支出を決定。
「平成28年4月20日(水)持ち回り閣議案件」は、以下の1件のみ
一般案件
平成28年度一般会計予備費使用について(決定)
(財務省)」
4月22日 定例閣議案件
:「熊本地震」関連案件なし!
4月25日
持ち回り閣議案件(会議も論議も、行っていない!)
「平成28年4月25日(月)持ち回り閣議案件」は、「熊本地震」関連の下記の2件
①一般案件
平成28年熊本地震により被害を受けた中小企業者等に対する災害融資に関する特別措置について(決定)
(財務・厚生労働・農林水産・経済産業省)
②政 令
平成28年熊本地震による災害についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令(決定)
(内閣府本府・総務・財務・文部科学・厚生労働・農林水産・経済産業・国土交通省)
4月26日 定例閣議案件:
「熊本地震」関連案件なし!
4月28日 繰上げ閣議案件:「熊本地震」関連案件は、2件。
4月28日の「首相の一日」の最初の部分は、次の通りなので、閣議の時間は最大で16分。
したがって、この日も、「熊本地震」関連案件の実質的論議は行っていない。
【午前】8時12分、公邸から官邸。23分、閣議。39分、西村泰彦内閣危機管理監、河野克俊防衛省統合幕僚長。
「平成28年4月28日(木)繰上げ閣議案件」は、下記の通り。
①一般案件(1件)
経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定の効力発生のための外交上の公文の交換について(決定)
(外務省)
②国会提出案件(7件)
衆議院議員仲里利信(無)提出鉄軌道計画の本格スタートに向けた政府の支援や取り組みに関する再質問に対する答弁書について(決定)
(内閣府本府)
衆議院議員阿部知子(民進)提出大学等における英語授業の外部化に関する再質問に対する答弁書について(決定)
(文部科学省)
衆議院議員長妻昭(民進)提出シベリア等強制抑留者の実態調査及び遺骨収集に関する質問に対する答弁書について(決定)
(厚生労働省)
参議院議員薬師寺みちよ(無ク)提出看護師が行う業務の範囲に関する質問に対する答弁書について(決定)
(同上)
参議院議員川田龍平(民進)提出福島原発事故後の除染に伴う汚染土等の処理問題に関する質問に対する答弁書について(決定)
(環境省)
衆議院議員おお坂誠二(民進)提出大型航空機の衝突を想定した原子力発電所のテロ対策に関する質問に対する答弁書について(決定)
(原子力規制委員会)
衆議院議員照屋寛徳(社民)提出熊本地震支援にともなう米海兵隊MV22オスプレイ投入に関する質問に対する答弁書について(決定)
(防衛省)
③公布(条約)(1件)
経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定(決定)
(外務省)
④政 令(5件)
成年後見制度の利用の促進に関する法律の施行期日を定める政令(決定)
(内閣府本府)
成年後見制度利用促進会議令(決定)
(同上)
成年後見制度利用促進委員会令(決定)
(同上)
平成28年熊本地震による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令(決定)
(内閣府本府・総務・法務省)
独立行政法人日本スポーツ振興センター法施行令の一部を改正する政令(決定)
(文部科学省)
⑤人 事(2件)
内閣総理大臣安倍晋三外7名の海外出張について(了解)
元法務事務官柳田 悟外18名の叙位又は叙勲等について(決定)
⑥配 布(3件)
労働力調査報告
(総務省)
消費者物価指数
(同上)
家計調査報告
(同上)
「閣議」についての説明は、『ウィキペディア』が良くまとめているので、その一部分を、以下に引用する。
ただし、読み易くするために、「小見出し」に、若干の補足をした。
【閣議】
閣議(かくぎ)とは、内閣の職権行使の内容に際して、その意思を決定するために開く国務大臣の会議のことである。
目次 [非表示]
1 日本国憲法下
1.1概要
1.2閣議の意思決定
1.3その他の事項
2大日本帝国憲法下
3脚注
4関連項目
5外部リンク
日本国憲法下[編集]
歴代内閣総理大臣の花押(初代から44代まで)。閣議で作成される文書には、署名の代わりに花押が用いられる。(岩田注:花押の写真が掲載されているが、残念ながら、私の技術的限界で、ここには再現出来ない)。
概要[編集]
閣議は内閣法で規定されている[1]が、会議の手続きについては明文で規定されておらず、慣行によっている。内閣総理大臣が主宰し(議長となり)、内閣官房長官が進行係を務める。内閣官房副長官(政務担当2人、事務担当1人。ちなみに副長官はこの3人以外いない)と内閣法制局長官が陪席する(この4人は意思決定には参加できない)。
【定例閣議と臨時閣議】
閣議には毎週2回、火曜日と金曜日の午前中に開かれる定例閣議と、
必要に応じて開く臨時閣議があり、原則として全閣僚が総理大臣官邸閣議室(通常国会会期中は国会議事堂内の院内閣議室)に集まって行われる。
【持ち回り閣議】・・・会議は行わず、回議により決定する。
しかし早急な処理を要する案件の場合には、内閣総務官が閣議書(閣議内容の書かれている文書)を持ち回りそれぞれの閣僚の署名を集めるという回議によって意思決定する場合がある。これを持ち回り閣議という。
閣議決定は閣議書に花押をもって署名することで行われる。閣議書は午後には皇居・御座所に送られて天皇に提出され決裁を受ける。定例閣議で意思決定された案件を決裁するために、天皇は閣議がある日の午後は皇居に滞在しているが、静養や行幸のさいに臨時閣議が行われた場合は、クーリエの宮内庁職員が閣議書を滞在先まで運び決裁を仰ぐ。閣議は非公開が原則である[2]。
なお、全閣僚による閣議(決定)書への署名は原則であり、法律や条約の公布、特命全権大使等に交付する信任状や全権委任状などの案件については、内閣総理大臣のみが署名する[3]。
閣議案件には次のような区分がある。
一般案件(国政に関する基本的事項で、内閣としての意思決定が必要であるもの)。高級官僚や陸海空自衛隊将官の人事を含む。
国会提出案件(法律案および予算案、条約など、承認を求めて国会に発議すべきもの)。質問主意書に対する答弁書なども含む。
法律・条約の公布
政令の決定
報告(国政に関する調査、審議会答申などを閣議に報告するもの)
配布(閣議の席上に資料を配付する)