2016年5月13日(金)(憲法千話)
憲法便り#1723:【実話】イタリアが成し遂げた警察の改革:警察官は労働者の仲間
私は、1978年に発足し、1982年まで続いた「イタリア労働運動セミナー」(1980年から「国際労働運動セミナー」)を主宰していましたので、今でもイタリアには関心を持っています。。
先日、社民党について調べる必要があり、昨年末から今年5月までの『社会新報』を調べていたところ、2016年2月24日付『社会新報』6面と7面に、大変興味深い記事が掲載されていました。
「イタリアが成し遂げた警察の改革」と題する特集記事です。筆者は、ローマ通信員の西ヶ久保津徹郎さん。
警察幹部も含む、「警察官組合」は、組織率ほぼ100%を誇ります。
警察官の女性の比率も高く、上層部の幹部では、かなり比率が高まります。
それは、試験で優秀な成績を収めるのは、女性が多いから。
国会前、沖縄をはじめ、各地のデモや集会で、公務と称する警察官の暴力的行為を受けた方も多いと思います。
「警察官は労働者の仲間」、「国の軍隊」から「市民の警察へ」の見出しの隣に、日本では考えられないような感動的な実話が語られています。
以下に、紙面をそのまま借用して、紹介します。
「イタリアのジェノバでは(2016年)1月27日、製鉄会社イルバの閉鎖に対して抗議運動が展開されていた。
3日間にわたって道路封鎖を行っていた労働者のうち500人が無許可で県庁に向かい、阻止する警察の機動隊と対峙(たいじ)した。
両者が衝突する直前、先頭で指揮をしていた戦闘服姿の警察官がヘルメットと手袋を脱いで労働者に手を差し出し、握手をしたことから、雰囲気が和らぎ、衝突には至らなかった。
ヘルメットを脱いだ指揮官は金髪の女性だった。
」