2017年8月31日(木)(憲法千話)
憲法便り#2109:8月15日、海の特攻隊「人間魚雷回天」をテーマにした芝居を観ました!
8月15日、朝から、近くの大通りを、右翼の街宣車が、大音響で軍歌を流しながら、何回も通り過ぎる。
極右の安倍政権が出現して以来、出番のなくなってしまった右翼団体が、この日ばかりは、張り切っている。
彼らには、戦争への反省はない。
一方、毎年8月になると、新聞でも、テレビでも、太平洋戦争に関する企画が組まれる。
そして、新たな資料発掘により、戦争への反省が語られる。優れた報道もある。
だが、悲惨な戦争の体験者が高齢化し、後の世代に、語り継ぐことが、年々難しくなって来ている。
したがって、幼少時のことではあっても、戦争、具体的には米軍による爆撃、そして敗戦後の生活を体験している私も、戦争を二度と繰り返してはならないという視点から、出来限り語り続けなければならないと思っている。
8月15日から8月20日まで、新宿の紀伊国屋ホールで上演された、東京芸術座による『父を騙す』も、そうした努力のひとつである。
認知症になった父の介護をめぐる夫婦の苦悩、その父が、孫に託した戦争の記憶の日記。
日記に記された、生き残ってしまった「人間魚雷回天」の元兵士の人知れぬ苦悩。
死ぬことが美化され、生き残った者は、罪悪感にさいなまれ続ける、戦争の不条理。
国家は、国民を「殺人者」に変える。
戦争は、被災ばかりではなく、加害の歴史でもある。
だから、戦争は、どんな理由があっても、繰り返してはならない。
下は、昭和20年10月25日付『朝日新聞』二面より引用