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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2017年 09月 01日

憲法便り#2127: シリーズ『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では、No.17: 新潟篇』

2017年9月1日(金)(憲法千話)
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憲法便り#2127:シリーズ 『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では、No.17: 新潟篇』

(まずは、再録です)

*いま、加筆作業を準備中です。12月23日には、増補・改訂版を一気に掲載します。

岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部より

【新潟日報】公布記念(十一月三日付二面より)

「繰展げる記念行事」一年有余にわたって進められた日本民主化の諸施策はここに凝集、新憲法はいよいよ今三日公布される。菊花薫るこの日こそ新生日本国民が新建設へ再発足する契機の日である。豊かな稔りも収穫され、二百万県民はあげて心から祝福する。

[新潟]
県都新潟市における県市共催の記念式と祝賀会を始め、町に村に記念の行事が繰り展げられる。即ち官公署、学校、会社、工場、町内会、部落会、各種団体は記念式典のほか各種表彰式、記念の講演会、体育大会、音楽会などを開催。また、久しぶりに軒毎に国旗も掲揚されようし、花火の打ち上げや旗行列など、敗戦以来初めての絢爛たる祝賀行事が行われる。
△なお本社では、「文化祭新潟美術展」を始め、「音楽と舞踊の会」、「新潟市内選抜野球大会」、「国際事情講演会」、「県相撲大会」、「県職域対抗陸上競技大会」、公会堂記念式典終了後の東大教授横田喜三郎氏記念講演など盛り沢山の記念行事を行って民主日本の新発足を慶祝する。
△「本社主催美術展 踡欄文化の華開く けふから大和百貨店に開催」本社主催第二回文化祭美術展は、いよいよ今日から十日まで新潟市大和百貨店四階及び六階の二会場で幕を開ける。あたかも新憲法公布の歴史的記念日を初日として美術の秋におくられるこの豪華な催しは、各方面の関心を集めている。審査評にも見られたように、入選作品はいわゆる地方美術展の水準を遥かに抜き、中央に出しても引けを取らない佳作揃いとは審査員の一致した意見で、前日の昨二日も審査員総出で作品の配列の手伝いをするなど熱の入れ方は大変なもの。中央からの賛助出品作品も二日初めて包装を解いたが、地方美術展には出品した事のない山口蓬莱春画伯の作品をはじめ、約三十点という豪華な賛助出品を誇っている。
[柏崎]
柏崎市の憲法公布記念式は午前十時から柏崎女子商業講堂で挙行、永年勤続者の表彰式等も行う。なお各学校、諸団体は記念音楽会や運動会を行い、柏崎市連合女子青年団の結成式も柏崎国民学校西運動場で行う。

(十一月四日付三面より)
「新潟の賑わい」
▲新憲法公布の三日、県都新潟市では朝から祝賀花火が打揚げられ、全市は久し振りに戸毎に日の丸の旗が微風にはためいた。喜びに溢れた街にはモーニング、紋付姿も見られ、人々の歩みも軽く午後からの細雨もものかは、夥しい人出。商店街はウインドウに奉祝衣裳や小旗が飾られ、さながら歓喜一色である。
▲民主日本の門出ともいうべきこの日、次代を背負って立つ可愛い幼児の記念式を西大畑二葉幼稚園でみると、紅白のお菓子を貰って嬉しい園児たちは「オメデトウゴザイマス」と口々に可愛い挨拶をするなど、童心の世界には又違った佳き日の喜びが溢れ、微笑ましい情景を見せていた。
▲公会堂、市立高女講堂、白山、医大グランド等、市の主なる集会場では音楽舞踊の会、運動会など多彩な行事が繰りひろげられ、何処もかしこも慶祝一色。ジープで通る進駐軍の兵隊さんも、物珍しそうに振り袖姿の少女たちの集いを見て車を止め、新生日本少国民の幸を祝ってくれた。また夜は、絢爛たる花火が打揚げられるなど、新日本成長第一歩の佳き日はこうして多彩な行事と雑踏で暮れた。」

昭和21年11月4日付『新潟日報』一面
社説は、『新憲法と国民の自覚』。
下段に、出版社合同での『祝 民主憲法発布』の祝賀広告。
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(画像の典拠は、国立国会図書館所蔵マイクロ資料:請求記号YB-28)

*次回は、富山篇。

※平和憲法を守る闘いに寄与するため、2014年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―

(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
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闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
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by kenpou-dayori | 2017-09-01 20:23 | 日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では


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