2017年9月3日(日)(憲法千話)
(一覧リストに戻る)憲法便り#2154:シリーズ『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では、No.44: 福岡篇』
(まずは、再録です)
*いま、加筆作業を準備中です。12月23日には、増補・改訂版を一気に掲載します。
昭和21年11月3日付『西日本新聞』一面上
絵は、藤田嗣治画『 黎 明 』。
昭和21年11月3日付『西日本新聞』一面下
最下段に、出版社合同の祝賀広告。
以下の記事は、大まかすぎるので、『心踊る平和憲法誕生の時代』、および同書の改題・補訂第二版『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』の第四部には含めませんでしたが、ここで、各都市の中で、該当する部分を紹介しておきます。【西日本新聞】公布記念(十一月三日付三面より)「花電車や仮装行列 絢爛 西日本に展く慶祝プロ」「歓喜沸く新しき出発」 「平和日本のかどで、民主憲法公布のきょう三日ー西日本各地はいま新しき”くにのあゆみ”に寄する慶祝と歓喜にはち切れそうだ。この日各県各地とも奉祝式典のあとをうけ、それぞれ秘策の慶祝プロにうつり、忍従と屈辱の歴史をかなぐりすてる。
花電車や花トラックが飛び出し、仮装行列が歓喜の街々(まちまち)をねり歩き、きょう西日本の秋空はうちあげられる慶祝の花火にこだまし続けて、久方振りにみる灯の波、旗の波の復活だ。いま各地から洩れきこえる興奮の慶祝プロを綴っておくる。
(以下、[福岡] [佐賀] [大分] [熊本] [長崎] [鹿児島]と各県の行事予定が簡単に紹介されていますが、ここでは、「福岡」の部分を掲載します。)
[福岡県] まず、西鉄北九州線を走る一台二萬円の豪華花電車、
小倉市の花火大会、
八幡の帆柱山県立公園山開き、引き続く工場復興祭、
福岡市では市内五ヶ所で奉祝生菓子の自由販売、
久留米では各官公署合同の運動会を医(?)大グランドで催すなど、
祖国のあたらしき出発を記念する。(福岡)
昭和21年11月3日付『西日本新聞』三面上
以下、
岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部より
【西日本新聞】公布記念(十一月四日付二面より)「菊日和、慶びの人波 おおらかに謳う歴史の日」平和日本の門出を祝う新憲法公布記念日の諸行事は、さんさんとふる秋陽を浴びて明るく賑わしく各地でくり展げられた。桎梏の世界から解放された歓喜に酔う人々の群は一斉に行われた新憲法祝賀式典についで思い思いの姿で催された仮装行列や運動会、展覧会、音楽会、あるいは芸能競演大会のなかになだれ込んでゆき、花電車、花トラックに見とれる人も仮装行列に眼をみはる人も、慶びの歌に聞き入る人も、すべて菊の香り豊かな秋風の中に今日の佳き日をことほぎ、さらに『新しき憲法』をわれわれの手で育ててゆく決意にもえていた。
[県庁]県の憲法公布記念式典は、三日午前十一時から県庁で開き、西岡知事の挨拶、来賓の祝辞などあり、最後に添田県会議長の発声で万歳三唱、新憲法の門出を祝った。
[福岡市]三好福岡市長は午前十時から市庁で全吏員に新憲法公布の意義と特色について訓示、新生の在り方として文化国家建設を力説、つづいて祝賀宴に移った。一方、市内の国民学校では式を挙げ、あるいは運動会を催すなど、この日を祝ったが、戦災の御供所校では、新校舎三教室の落成式を挙げた。なおこの日、福岡税務署でも記念式終了後演芸会を催し、署員の素人演芸会で賑わったが、巡業中の二村定一劇団の飛び入りもあって盛況であった。
[憲法公布記念講演会]新憲法公布を記念する本社主催の記念講演会は、民間における憲法研究の権威鈴木安蔵氏を迎えて、三日午後二時から本社大講堂で開催。松井本社講演部長の開会の挨拶についで、鈴木氏は『新憲法と日本』と題して約二時間にわたり民主日本の確たる新憲法に平易な説明を加え、聴衆に多大な感銘を与えた。
[久留米市]この日各戸に国旗を掲げ、各官公署では午前十時からそれぞれ厳粛な記念式並びに祝賀会を挙行、午後一時からは中学明美校で官民合同の記念運動会を開催、またデパートでは記念大売出しを行うなど、意義ある日を祝った。
[大牟田市]記念式典を午前十一時から市役所で挙行、引きつづき祝賀宴を張った。一方、市内では色とりどりの記念行事を行い、祝賀一色に埋めた。」
昭和21年11月4日付『西日本新聞』二面上
(画像の典拠は、4点とも、国立国会図書館所蔵マイクロ資料:請求記号Z81-68)
*次回は、佐賀篇。
※平和憲法を守る闘いに寄与するため、2014年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
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