2018年1月30日(火)(憲法千話)
憲法便り#2407:【外務大臣チェック)1月28日(日)に、北京で行われた、河野外務大臣の記者会見記録(1月30日付)!
危うい外交を続けている河野外務大臣の記者会見記録。
以下、外務省のホームページより引用。
2018/1/30 河野外務⼤⾂臨時会⾒記録 |(平成30年1⽉28⽇(⽇曜⽇)18時20分 於:中国・北京)
冒頭発⾔質疑応答
【河野外務⼤⾂】今回,⽇中平和友好条約締結40周年の年頭となりますこのタイミングで中国に来ることが出来ました。今⽇,王毅外交部⻑,楊潔チ国務委員,そして李克強総理と会談を⾏いました。それぞれの会談で中国の「改⾰・開放」40周年でもある今年,これまでの⽇中の平和・友好・協⼒関係の原点を振り返り,安定的なこれからの関係構築を進めていくことの重要性をお互いに確認し合いました。いずれの会談でも,⽇中関係の改善を進めていこうという中国側の強い意志を感じることが出来ました。⾮常に全体的に充実した,前向きな明るい雰囲気の中での訪問となったというふうに思います。 王毅外交部⻑とは3時間半,4時間弱ですかね,かなり⻑時間会談,ワーキングランチを含め意⾒交換をいたしました。全⾯的に関係改善を進めていくということに向けて,胸襟を開いて,かなり率直に⾊々なことをお互い,意⾒交換が出来たのではないかというふうに思っております。その中で⽇中韓サミットの際の,李克強総理の訪⽇について,王毅さんからも早期実現を⽬指したいという発⾔がございましたので,今年の⾸脳往来を着実に実現していく,その第⼀歩として⽇中韓サミットの調整を,これ三カ国で⽇程調整をやらなければいけないものですから,引き続きしっかり調整をしていきたいという⾵に思います。 また,⽇中両国におけるビジネス環境の整備や⽇中協⼒して,第三国におけるビジネスの展開などについての議論も⾏いました。特に⽇中の社会保障協定が実質合意に⾄ったということを共に歓迎し,早期の署名に向けて,お互いに努⼒していこうということで⼀致をいたしました。 また今年,⽇中40周年ということで様々な事業が予定,計画されておりますが,⽇中両国政府としても,後押しをしっかりやっていこうということでございます。 それから例えば東シナ海を「平和・協⼒・友好の海」とすべきであるという観点から,11⽇でしたか,潜⽔艦,⽔上艦艇が尖閣諸島の接続⽔域に⼊ってきた事案について,改めて再発防⽌を求めるといった懸案事項についても様々,やりとりをさせていただきました。 喫緊の課題であります北朝鮮については,⽇中両国で朝鮮半島の⾮核化という原則をお互い確認できたということは良かったのではないか,また累次の安保理決議に基づく制裁を完全に履⾏していくということについても,お互いに連携していくことを確認いたしました。私からは,北朝鮮を対話の場に引っ張り出すためにも圧⼒をしっかりとかけていくということが⼤切だということを申し上げました。 楊潔チ国務委員とは,初めての会談でございましたが今回の訪中を弾みとして,今後の⾸脳の往来に弾みをつけていきたい,早期に様々な往来を実現すべく双⽅で努⼒していくという必要性を提起いたしました。先⽅からも前向きなご発⾔がございました。 李克強総理との会談は,李克強総理が河南省の書記だった2004年に,私が議員団の団⻑として仲間と⼀緒に河南省の鄭州にお邪魔をして,その時に昼⾷会をやっていただいた,それ以来でございますが,⽇本政府として⽇中韓サミットの機会に,李克強総理の訪⽇をしていただく,早期に実現をしたいということを申し上げ,ご本⼈からも極めて前向きなご発⾔をいただきました。また,⽇中両国が経済⾯での相互の補完関係を更に強化していく重要性についても意⾒交換をし,企業間の交流・協⼒を両国政府でしっかり後押ししていく重要性についても⼀致をいたしました。私からは以上でございます。
【記者】⽇中韓サミットの早期開催や⽇中⾸脳の相互の往来についてですけれども,先ほど楊潔チさんからも前向きな発⾔があったということですけれども,時期的な⾯での進展というか,ある程度詰められたものはあったのでしょうか。また,李克強⾸相については⽇中韓サミットの当事者でもあられると思いますけれども,具体的に⾃分としては,いつ頃という,そういった⽬処についてのお話というのはあったのでしょうか。
【河野外務⼤⾂】早期にしっかり実現しようというところで,これはもう三つの会談の中で,それぞれ確認をいたしました。これは三か国のサミットですから,⽇中韓で⽇程の調整を様々,やっていかなければなりませんので,そこは⾊々なオリンピックがあったり,パラリンピックがあったり,全⼈代があったり,⾊々なことがありますので,うまく三か国で調整をして,早期に実現をしていきたいと思います。また,先⽅から早期に訪⽇ということに前向きなご発⾔もいただきましたので,そこはしっかり調整をして参りたいと思います。
【記者】懸案の⼀つとしてあります,中国軍の潜⽔艦による尖閣接続⽔域への航⾏の問題ですけれども,再発防⽌について,どのように具体的な表現として求められたのでしょうか。また,中国側からのこうした⾏為についての説明について,お聞きになられて納得された⾯はあったのでしょうか。また,「海空連絡メカニズム」の運⽤開始時期について,早期の運⽤について努⼒していくというお話でしたけれども,これの具体的な今後のスケジュール感,進展等についてはいかがでしょうか。
【河野外務⼤⾂】東シナ海を「平和・友好・協⼒の海」としようという⾸脳間の合意がありましたが,今度の事案はそれに反するような事案でございますので,私の⽅から再発の防⽌ということについて強く申し⼊れをいたしました。中国側の独⾃の主張がございましたが,独⾃の主張やあるいは,事案をエスカレートするようなことは,⽇本としては受け⼊れられないということを申し上げ,中国からの対応について,しっかりしていただくように申し上げました。海空連絡メカニズムについては,⽇中の防衛当局間が更に案⽂,その他について詰めるということだろうというふうに思いますので,これも早期に運⽤が開始出来るように努⼒をして参りたいという⾵に思っております。
【記者】北朝鮮ですけれど,⽇本の⽴場というのは最⼤限圧⼒をかけていくということが⽅針だと思うんですけれども,それについて中国側と⼀致した⾯はあったのでしょうか。また,⼤⾂もかねて指摘されていた「瀬取り」の問題ですね,これについて監視強化と中国側の対応について,今回の会談を通じてですね,中国側から協⼒は得られるものというふうにお考えでしょうか。
【河野外務⼤⾂】この北朝鮮の問題につきましては,まず朝鮮半島の⾮核化というのが⼤原則だと,北朝鮮の核保有国,北朝鮮を核保有国として認めるということはない,黙認することもない,ということで両国が全く⽴場を⼀緒にしているということも改めて確認をいたしましたし,安保理決議に基づいた制裁を,完全に履⾏していくということで北朝鮮を対話の席に着かせるように努⼒をしていくということでも⼀致をしております。「瀬取り」の問題を含め,この安保理決議に基づいた制裁逃れが巧妙になってきているという問題提起は私の⽅からもさせていただきました。基本的にこの北朝鮮の問題について,⽇本と中国,向いている⽅向は全く同じだということを確認出来たのではないかと思います。⽅向は同じ⽅向を向いていますが,若⼲,様々なことについてのタイミングが,両国想定をしているところが違うのかなということはあるかもしれませんけども,ここはこれから幅広く北朝鮮問題についても,様々な場⾯で意⾒交換をし,連携を強めていきたいというふうに思っておりますし,それが⼗分出来るなというふうに今⽇思いました。
【記者】王毅外相との冒頭で,王毅外相の表情に笑いが,笑顔がなかったように⾒受けられたんですけれども,会談の中ではどのような様⼦だったのでしょうか。
【河野外務⼤⾂】ワーキングランチなどでは爆笑されていました。
【記者】今⽇,今ですね,⽇中が肩を並べて地球規模課題に取り組んでいくということを今⽇も仰られていましたけれども,こういった協⼒を進めることで⽇中関係に及ぼす,与える効果,どういったものを期待していらっしゃいますでしょうか。
【河野外務⼤⾂】今まで,⽇中向き合って⽇中関係をどう深めていこうか,あるいはどう懸案をマネージしていこうかということが多かったかもしれませんけども,やはり世界第⼆,第三の経済⼤国ですから,⽇本と中国がむしろ⽇中関係をどうするかということだけでなく,この地球規模の課題に⽇中が責任を持って,協⼒しながら,地球規模の課題を解決する,それが⼤事なのではないかと思います。むしろ,⽇中関係どうこうというよりは,様々,地球全体の問題になっていることを⽇中でどう責任を分担しながら,あるいは他の国を巻き込みながら,その問題の解決にあたっていくかということをそろそろ⽇中で考えていく時期だと思いますので,これから少し様々,具体的な議論に⼊っていきたいというふうに思っております。【記者】先ほどシャンシャンの名前を出した際に,李克強総理が笑顔になっていましたけれども,王毅さんがワーキングランチの中で爆笑したというのは,どういう⽂脈で爆笑されたのでしょうか。
【河野外務⼤⾂】ジョークの解説をしても⾯⽩くないと思いますから,それはやめておきます。
【記者】潜⽔艦の尖閣周辺の航⾏について,中国側の独⾃の主張があったということですけれども,中国側はどういった意図で潜⽔艦を航⾏させたのか説明はあったのでしょうか。
【河野外務⼤⾂】中国側の発⾔について,私から申し上げるのは適切ではないと思いますので,中国側のことについては,中国側にお聞きいただきたいと思います。
【記者】中国側から⼀帯⼀路に関する発⾔,何かございましたでしょうか。それで⼤⾂としてはどのようにお答えになったのでしょうか。【河野外務⼤⾂】⼀帯⼀路について,中国側の考え⽅の説明というのがございました。私どもとしては,このインフラの開放性,透明性,あるいはそれぞれのインフラの事業としての経済性,あるいは融資の受け⼿の財政の健全性,こういったものが国際的なスタンダードにあっているかどうか,それぞれのプロジェクトを⾒ながら,協⼒出来るところはしっかり協⼒していきたいということを申し上げました。
【記者】王毅さんとの会談で,王毅さんが⽇中関係の改善を阻害する要因があるというような発⾔をされていたんですけれども,それについて具体的にどのようなものだということをお感じになられましたでしょうか。
【河野外務⼤⾂】⾊々な懸案事項というのは隣同⼠の国ですから,それはありますけれども,関係を改善していこうという政治的な意思が両側にありますから,懸案についてはしっかりマネージしていかなければいけないというふうに思っております。⽇中の友好関係を阻害しようという動きにそれらを利⽤されることがないように,そこはしっかりマネージメントしていきたいと思います。