2018年3月9日(金)(憲法千話)
憲法便り#2475:「ニュース女子」の人権侵害を認定!3月8日に公表された、放送倫理・番組向上委員会(BPO)の放送人権委員会決定を歓迎する!
放送倫理・番組向上委員会(BPO)の放送人権委員会(以下、放送人権委員会と略)は、3月8日午後に記者発表を行い、東京MXテレビのバラエティ番組「ニュース女子」について、人権侵害があったことを認め、東京MXに対し再発防止に努めるよう勧告した。
勧告は、放送人権委員会の三段階5種類の判断のうち、最も重い。
以下は、放送人権委員会のホームページにある説明です。
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「勧告」 人権侵害(名誉棄損、プライバシー侵害、肖像権侵害等)
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放送倫理上問題あり
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「見解」 放送倫理上問題あり
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「見解」 要望(放送表現、放送後の対応等について局に要望)
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問題なし
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※「勧告」及び「見解」(放送倫理上問題あり)のケースでは、放送局に改善策等を盛り込んだ対応報告を求めます。(ここまでホームページより)
今回、勧告の対象となったのは、昨年1月2日と9日に放送された、沖縄県の米軍基地反対闘争を取り上げた番組。
この番組は、人権団体「のりこえネット」共同代表の辛淑玉(シン・スゴ)さんに対して、「過激で犯罪行為を繰り返す基地反対運動の『黒幕』」、「参加者に五万円の日当を出している」などと報じていたが、これは事実の証明がなく、名誉棄損が成立するとの結論が明らかにされた。
公表された全文を読みたかったが、新聞報道はすべて、要旨または、概略であり、全文を読むには、報道機関と同じ契約をしなければならないので、そこまでは出来ないので、各紙を読み比べ、その他に、放送人権委員会のホームページなどで、関連情報を調べた。
第255回放送人権委員会議事概要によって、決定から公表に至る経過が判った。
「第255回ー2018年2月」の議事概要は次の通り。(以下は、コピーの貼り付けではなく、私が入力したもの)
沖縄基地反対運動特集事案の審理、審理養成案件・・・など
沖縄基地反対運動特集事案の「委員会決定」案を検討し、了承した。命のビザ出走地特集事案を審理要請案件として検討し、審理入りを決定した。
議事の詳細
日時 2018年2月20日(火)午後4時~10時55分
場所 「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第一会議室(千代田放送会館7階)
議題 1.沖縄の基地反対運動特集事案の審理
2.審理要請案件:命のビザ出生地特集に対する申立て
3.その他
出席者 坂井委員長、奥委員長代行、市川委員長代行、紙谷委員、城戸委員、
白波瀬委員、曽我部委員、中島委員、二関委員、水野委員
1. 「沖縄の基地反対運動特集に対する申立て」事案の審理対象となった番組は、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が2017年1月2日と9日に放送した情報バラエティ番組『ニュース女子』。2日の番組では、沖縄県東村高江地区の米軍ヘリパッド建設反対運動を特集し、軍事ジャーナリストが現地で取材したVTRを放送するとともに、スタジオで出演者によるトークを展開、翌週9日の同番組の冒頭、この特集に対するネット上の反響等について出演者が議論した。この放送に対し、番組内で取り上げられた人権団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉氏が申立書を委員会に提出、「本番組はヘリパッド建設に反対する人たちを誹謗中傷するものであり、その前提となる事実が、虚偽のものであることが明らか」としたうえで、申立人についてあたかも「テロリストの黒幕」等として基地反対運動に資金を供与しているかのような情報を摘示し、また、申立人が、外国人であることがことさらに強調されるなど人種差別を扇動するものであり、申立人の名誉を毀損する内容であると訴えた。
これに対しTOKYO MXは、「申立人の主張は本番組の内容を独自に解釈し、自己の名誉を毀損するものであると主張するものであり、理由がないことは明らか」との立場を示し、また、虚偽・不公正であるとの申立人の主張については、「制作会社において必要な取材を尽くしたうえでの事実ないし合理的な根拠に基づく放送であって、何ら偽造ではない。申立人が主張するその他の事項についても同様であり、本番組の放送は虚偽ではなく不公正な報道にも該当しない」と述べている。
今月の委員会では、2月に入って2回開かれた起草委員会を経て修正された「委員会決定」案を審理、読み合わせをしながら表現、字句等を修正したうえで大筋で了承され、委員長一任となった。その結果、3月上旬に通知・公表を行うことになった。
(2.および3.については省略)