2018年4月19日(木)(憲法千話)
憲法便り#2569:【名著紹介】前田朗著『旅する平和学ー世界の戦地を歩き 傷跡から考える』(彩流社、2017年4月刊)を紹介します!
出版社のご了解を得て、表紙、目次、そして地図の部分をスキャンして紹介します。
『旅する平和学』という表題は、「旅をしながら平和を考える」というような感じです。
なにか、紀行文を集めたものかなという第一印象です。
ところが、この本の中味は、調査・研究、そして国際会議への参加のため、旅をしたこと、調査内容、会議の中味が、びっしりと書かれています。
抽象的、一般的な平和論ではなく、実証的、法論理的、行動的な平和論に基づく活動の記録です。
面白いので、4月13日(金)の夜から読み始め、4月14日(土)の国会前大行動をはさんで、4月15日の午前中に、205頁を一気に読み終えました。
そのおかげで、いままで、単語としては知っていても、実際の内容が知識として伴っていなかったことが、ほとんどつながって、理解できるようになりました。
著者の前田朗さんは、東京造形大学教授で、専攻は、刑事人権論、戦争犯罪論。
あとがきによると、普通の観光旅行はしたことがないそうです。
初めて訪問した外国は、朝鮮民主主義人民共和国、35歳の時。
それから27年を経て、訪問した国は50カ国を超えている。
1994年からは、ジュネーブの国連欧州本部で開催される国連人権委員会(現在の国連人権理事会)に通い続け、当地への旅も50回に達しています。
著者は、その旅の中で、さまざまな人権問題、平和問題に真正面から取り組んできています。
本書の目次は、つぎの通り。
第1章 21世紀の戦争と抵抗
第2章 植民地主義、差別、ジェノサイド
第3章 アイヌ先住民族の権利
第4章 植民地主義と戦争の傷跡
第5章 平和の島オーランド
第6章 ピース・ゾーンの作り方
第7章 軍隊のない国家を訪ねて
第8章 平和への権利を求めて
あとがき
地図 この本で旅する地域
とにかく、幅広いです。皆さんに、是非とも、お勧めします。
定価2,000円+税です。