2018年4月22日(日)(憲法千話)
憲法便り#2572:日米首脳会談 安倍首相のフロリダの休日の検証!
私は、今回の日米首脳会談が行われる前から、報道を聞きながら、日本政府に都合のよい解釈、願望が報じられていると思っていた。
そして、終わってからも、日本政府に都合のよい解釈が報道が行われていると感じている。
そこで、日米首脳会談には、果たして、どれほどの時間がさかれたのかを、検証して見ることにした。
日本国内で報じられている「首相の一日」は、通常、4月16日(月)の記録に見るように、分刻みで記されている。
以下は、TOKYOWeb を参考にして作成したものであるが、4月17日からは、詳細が判らない。
首相官邸のホームページを見ても、詳細が判らない。
詳細を明らかにすると、実務以外の、遊びの部分がほとんどだから、都合が悪いので、明らかにしていないのだと思う。
そこで、何のために、外務省のホームページを見たところ、外務省がまとめた文章に、ある程度詳細が述べられていたので、それを紹介しておきたい。
4月16日(月)
【午前】9時22分、官邸。23分、谷内正太郎国家安全保障局長、秋葉剛男外務事務次官。10時9分、石川正一郎拉致問題対策本部事務局長。33分、規制改革推進会議。50分、梅本和義環太平洋連携協定(TPP)等政府対策本部首席交渉官、外務省の森健良、山崎和之両外務審議官、山野内勘二経済局長、浅川雅嗣財務官、松島浩道農林水産審議官、柳瀬唯夫経済産業審議官、田端浩国土交通審議官。
【午後】1時9分、富田和弘岐阜県揖斐川町長らによる「さざれ石」の贈呈。棚橋泰文自民党衆院議員同席。51分、大阪府の「高槻ジャズストリート」実行委員会の蓑輪裕之代表らによる表敬。大隈和英自民党衆院議員同席。2時4分、外務省の秋葉事務次官、森外務審議官、金杉憲治アジア大洋州局長、鈴木量博北米局長。54分、北村滋内閣情報官、鈴木哲外務省総合外交政策局長、防衛省の岡真臣防衛政策局次長、本松敬史統合幕僚副長。3時36分、中国の王毅国務委員兼外相の表敬。河野太郎外相同席。4時17分、外務省の山崎外務審議官、鈴木北米局長、山野内経済局長、松島農水審議官、柳瀬経産審議官、田端国交審議官、真部朗防衛審議官、武内良樹財務省国際局長。58分、国会。5時、自民党役員会。30分、官邸。41分、月例経済報告関係閣僚会議。6時34分、東京・西麻布の焼き肉店「叙々苑游玄亭西麻布本館」。岸田文雄自民党政調会長と会食。8時48分、東京・富ケ谷の私邸。
<メモ> 首相は、十七日からの訪米に備え、各省幹部と勉強会を行いました。加計学園問題を巡り国会で証人喚問を求められている柳瀬唯夫経済産業審議官も出席。訪米にも同行する予定になっています。
4月17日(火)
【午前】8時25分、官邸。35分、閣議。9時10分、北村滋内閣情報官。48分、秋葉剛男外務事務次官。11時54分、報道各社のインタビュー。
【午後】0時15分、羽田空港。45分、トランプ米大統領との首脳会談のため、昭恵夫人と共に政府専用機で米フロリダ州に向け出発。
4月18日(水)
【午後】政府専用機で米フロリダ州のパームビーチ国際空港。パームビーチのトランプ米大統領の別荘「マールアラーゴ」で日米首脳会談。昭恵夫人と共にトランプ氏夫妻と夕食会。同別荘泊。
【午前】フロリダ州ウェストパームビーチのゴルフ場「トランプ・インターナショナル・ゴルフ・クラブ」でトランプ氏とゴルフ。
4月19日(木)
【午後】米フロリダ州パームビーチのトランプ米大統領の別荘「マールアラーゴ」で日米首脳会談。トランプ氏と共同記者会見。昭恵夫人と共にトランプ氏夫妻らと夕食会。同別荘泊。
【午前】政府専用機でパームビーチ国際空港を出発。
4月20日(金)
【午前】米ワシントン州シアトル・タコマ空港で給油。
【午後】4時13分、トランプ米大統領との首脳会談を終え、昭恵夫人と共に政府専用機で羽田空港。48分、東京・芝公園のホテル「ザ・プリンスパークタワー東京」。宴会場「ボールルーム」で、自民党の都道府県議会議員研修会に出席し、講演。6時1分、同宴会場で懇親会に出席し、あいさつ。7時、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。宴会場「鳳凰の間」で昭恵夫人と共に「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席。8時45分、東京・虎ノ門のホテル「アンダーズ東京」。「ルーフトップバー」で北村経夫自民党参院議員、柳居俊学山口県議会議長らと懇談。9時17分、東京・富ケ谷の私邸。
4月17日及び18日(現地時間),米国フロリダ州出張中の安倍晋三内閣総理大臣は,ドナルド・トランプ米国大統領(The Honorable Donald Trump, President of the United States of America)と3回にわたって日米首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。(第1回:17日15時00分から約55分間,通訳のみが同席するテタテ(1対1)形式,第2回:17日15時55分から約70分間,少人数会合,第3回:18日14時50分頃から約1時間50分間,ワーキングランチ)。
通訳が入るため、実質的な会談時間は、半分以下となる。
また、ワーキングランチは、どれほどの内容だったのか、首脳会談の実時間を計ることは困難である。
したがって、次のようになる。
第1回 約55分=会談の実時間は27分以下
第2回 約70分=実時間は35分以下
第3回 約1時間50分=実時間は、計測不能。
すでに見た、短時間の会談では、すでに、事務方がお膳立てをしていなければ、これだけ多様な話を煮詰めることは、出来ない。
安倍首相の主導で会談が成功したように見せかけるのは、無理がある。
だから、より広く、国民の目にふれる「首相の一日」は、ぼんやりとしたままにしてある。
だが、外務省としては、そうはいかないから、ある程度、詳細を公表している。
以下は、外務省がホームページで公表している、今回の首脳会談の、日本側のまとめ4項目。
1 北朝鮮
- 両首脳は,来る米朝首脳会談を含めた北朝鮮問題への今後の対応に関し,両国の方針を綿密にすり合わせ,北朝鮮との接触(talks)の全ての分野に関して両国が完全に連携し続けるとの意思を表明した。また,引き続き,日米韓三か国が緊密に連携していくことが重要であることを確認した。
- まず,両首脳は,最近,北朝鮮の側から対話を求めてきていることは,日米韓三か国が緊密に協力し,中国など国際社会とも連携して,北朝鮮に最大限の圧力をかけてきた成果であるとの認識を共有した。また,両首脳は,これまでの韓国政府の努力を賞賛した。
- 両首脳は,北朝鮮自身から非核化に向けた具体的な取組が対外的に明らかにされていないことに留意し,引き続き,北朝鮮の意図をしっかりと分析することが必要であるとの認識で一致した。
- その上で,両首脳は,北朝鮮に対して最大限の圧力を維持していくことを確認した。米国が「全ての選択肢がテーブルの上にある」との立場を維持していることを踏まえ,安倍総理は,このトランプ大統領の信念を持った姿勢への支持を改めて表明した。また両首脳は,北朝鮮が対話に応じることのみをもって,見返りを与えるべきではなく,この方針を国際社会として堅持する必要があるとの認識で一致した。
- 両首脳は,北朝鮮の非核化の実現にコミットすることを確認した。両首脳はまた,北朝鮮が完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの計画を放棄する必要があることを確認した。 両首脳は,こうした目的を達成するために北朝鮮が具体的な行動を取る必要があるとの認識を共有した。
- 安倍総理は,トランプ大統領に対し,来る米朝首脳会談において拉致問題を取り上げるよう要請した。トランプ大統領は,昨年11月に訪日した際,拉致被害者の御家族と面会し,強い印象を受けたことに言及しつつ,金正恩国務委員長との会談でこの拉致問題を取り上げ,北朝鮮に対し日本人拉致問題の早期解決を働きかけることを確認した。
- 両者は,韓国を含む国際的なパートナーと緊密に連携しながら,北朝鮮による制裁回避の問題に取り組み,国際社会が関連安保理決議を完全に履行することの重要性につき一致した。この文脈で,トランプ大統領は,北朝鮮関連船舶による違法な船舶間の物資の積替え(いわゆる「瀬取り」)に対する日本政府の取組を賞賛するとともに,米国は他の多様なパートナーと共に,日本と連携してこの取組を進めていくことを表明した。
- 両首脳は,米朝首脳会談等を通じて,事態が打開されることへの期待感を共有するとともに,北朝鮮はアジア・太平洋の成長圏に隣接し,立地条件に恵まれている,また勤勉な労働力があって,天然資源もあり,北朝鮮が正しい道を歩めば市民を豊かにすることができる,それらを活用するなら,北朝鮮には経済を飛躍的に伸ばし,民政を改善する途があり得る,そこにこそ北朝鮮の明るい未来はあるとの認識で一致した。
2 経済
18日,日米首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
18日,日米首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
- 両首脳は,インド太平洋地域における自由で公正な交易を守ることが必要であることを確認した。
- 安倍総理から,日本企業による米国への投資と,それを通じた米国の雇用と輸出の拡大への貢献や,日本企業による米国産エネルギー購入額の増大等を説明し,トランプ大統領はこれを歓迎した。
- 両首脳は,双方の利益となるように,日米間の貿易・投資を更に拡大させ,公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域における経済発展を実現するために,茂木大臣とライトハイザー通商代表との間で「自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議」を開始し,これを麻生副総理とペンス副大統領の下で行われている日米経済対話に報告させることで一致した。
3 日米同盟
- 現下の北朝鮮情勢を踏まえ,トランプ大統領は,核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類の米国の軍事力を通じた日本の防衛に対する米国の揺るぎないコミットメントを改めて確認した。
- 両首脳は,平和安全法制及びガイドラインの着実な実施を通じた日米安保協力の一層の推進を再確認した。
- 両首脳は,在日米軍の運用能力及び抑止力を維持しつつ,引き続き沖縄を始めとする地元の負担を最小化するために,共に取り組みたい旨述べた。両首脳は,普天間飛行場の辺野古崎沖への移設が同飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であることを改めて確認するとともに,同盟による地域の平和及び安全を提供する能力を確保するためにも,普天間飛行場代替施設(FRF)の建設計画の着実な実施を求めた。さらに,両首脳は,安全な運用に継続的にコミットしていくことで一致した。
- 両首脳は,東シナ海及び南シナ海における状況について懸念を共有し,引き続き日米で共に連携していくことを再確認した。両首脳は,日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されること,また,現状変更を試みるいかなる一方的行動にも反対することを再確認した。
- 安倍総理から,厳しい安全保障環境に対応するため,今後とも米国装備品を含め,高性能な装備品を導入することが,我が国の防衛力強化のために重要であることを伝え,トランプ大統領はこれを歓迎した。
4 その他
- 両首脳は,自由で開かれたインド太平洋地域の実現に向け,日米の協議が進展していることを歓迎するとともに,国際スタンダードに適合した質の高いインフラ開発を含め具体的な協力を進展させていくとの認識で一致した。
- 両首脳は,中国についても議論を行い,中国が地域及び国際社会の平和,安全及び繁栄のために更なる貢献を行うよう働きかけていくことの重要性を共有した。
さらに検証するために、日米共同記者会見について述べる。
これは、前回と同じで、共同声明の発表ではない。
共同声明とは、本質的に違う。
それぞれが、自分のいいたいことを、自国民向けに述べているの過ぎない。