2018年10月8日(月)(憲法千話)
憲法便り#2773:【必読の書紹介】秋山 久著『君は玉音放送を聞いたか ー ラジオと戦争』(旬報社、2018年8月)!
最近、「読書の秋」という言葉を聞かなくなったような気がする。
だが、出版界を応援するため、今回も、本の話題を提供したい。
近所の図書館の「新着コーナー」で、この本の出合った。
ざっと目を通したが、なかなかの力作である!
じっくりと読むために、三日前に、拙著の販売でいつも大変お世話になっている「美和書店」に取り寄せをお願いした。
私は、『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』を執筆するために、国立国会図書館に所蔵のない地方紙を調べるため、北は仙台から、南は鳥取、広島、高松、徳島まで全国各地に足を運んだ。
だが、その時から、ラジオはどのような報道をしていたのか、気になりながら、詳しく調べることまで手がけることが出来ないでいた。
勿論、新聞報道された吉田茂首相や、芦田均のラジオ放送の原稿などは、拙著のなかで紹介してきているが必要最小限に止まっている。
ここに紹介する『君は玉音放送を聞いたか』は、以下の構成である。
はじめに
第1章「終戦詔書」が放送されるまで
第2章 戦争の犠牲者310万人
第3章 政府の監視下で始まった放送
第4章 国策放送からGHQラジオコードへ
あとがき
番外
コラム
内容が密な272頁なので、かなり読み応えがある。
私は、1942年9月2日に、3歳になる直前、玉音放送が流れる場面にいた。
しかし、私は何も憶えていない。
四つ年上の姉は、その時のことをよく憶えている。
母が、子供たちをラジオの前に整列させて、自らも立ったまま、怒ったような顔をして聞いていたという。
私たちは、母方の親戚を頼って、最初は小高、その後、小名浜に引越し、農家である親戚の離れに住まわせてもらっていた。
その小名浜で、8月9日に、米軍機に爆撃され、焼夷弾の直撃を受けた、親戚の離れは全焼、さらに母屋も全焼した。
近々、伊東達也さんの『いわきの戦災』という文章を、このブログで紹介する予定である。
最後にひとこと。
このブログを読んで下さる方には、「玉音放送」を「たまおと放送」と読む方がいないことを願う。