2019年12月7日(土)(憲法千話)
憲法便り#2895:「桜を見る会」報道についての、「イタチごっこ」論、「どっちもどっち」論を批判する!(加筆版)
(加筆部分は、赤字)
昨日、2019年12月5日付『東京新聞』朝刊の「こちら報道部」(25頁~26頁)の紙面には、
「桜を見る会」報道に関して、まったく相反する記事が並んでいた。
ひとつは、25頁左上の「本音のコラム」。
見出しは、「いたちごっこ」。
筆者は、青山学院大学長・三木義一氏。
文章は、「サクラ問題がいたちごっこ化する中、税制改正のシーズン。(以下、省略)」で始まる。
新村出編『広辞苑』(岩波書店)で、「いたちごっこ」を調べてみた。
【鼬ごっこ】①二人互いの甲をつねって自分の手をその上に載せ、「いたちごっこ、ねずみごっこ」ととなえ、交互にくりかえす子供の遊戯。
②転じて、双方が同じことをくりかえすばかりで無益なこと。
もうひとつは、24頁から25頁にかけての「特集記事」。
両ページにまたがる、左から右への見出しは、二段目の問題指摘と、三段目の疑惑の本質が対応する工夫がある。
幕引きさせない「桜を見る会」違法性を総点検
「前夜祭」、会費5000円補填?、値引き? 私物化、マルチ商法 招待、シュレッダー
政治資金規正法、公職選挙法、贈収賄 横領・背任、 財政法、 公用文書等棄損
疑惑満開
著作権の問題があるので、紙面そのものを紹介出来ないのが残念であるが、見出しから、この特集の本気度がお分かりいただけると思う。
憲法で言論の自由が保障されているのだから、その点から言えば、青山学院大学長・三木義一氏が何を書いても自由である。
だが、三木氏の「いたちごっこ」論は、安倍首相の「逃げ得」を利するものなので、黙って見過ごすわけにはいかない。
したがって、私も言論の自由に基づき、明確に批判を表明しておきたい。
三木氏の「いたちごっこ」論以外にも、「どっちもどっち」論が登場している。
臨時国会が終了し、正月を迎えれば、愚かな民衆は、「桜を見る会」のことなど、忘れてしまい、報道もオリンピック一色になるという考えからだ。
露骨である。
私はこれにも、私は、明確に反対を表明し続けたい。
以下は、加筆部分
今日以降も、「桜を見る会」の問題について、詳細な内容を追及する準備をしている。
そのために、積み上げておいた『しんぶん赤旗』日刊紙及び日曜版の整理をほぼ終えたところである。その理由は、記事が一貫しているからである。
整理をしながら、改めて思ったことは、「桜を見る会」の問題は、日本の民主主義の根幹に関わる問題であり、腐敗しきった権力者たち、とくに安倍政権を追い詰め、日本の社会を立て直すための焦眉の問題である。
それを「いたちごっこ」などという低次元の問題にすり替えるなどは、もってのほかである。
私は、『東京新聞』の紙面の中で、「本音のコラム」及び「こちら特報部」が気に入っている。とくに、「本音のコラム」は、執筆する各氏の権力者に対する批判的「本音」が楽しみである。
だが、今回の三木氏の「本音」は、まったく異質のものである。
批判精神を失った知識人の「本音」は、ただ権力者を増長させるだけである。
もっとはっきり言えば、私たちにとっては、有害無益である。
私はこれから近所のセブンイレブンで、一回30円で、紙面のスキャンを行う予定である。
三木氏が、おそらく東京新聞から原稿料をもらって書いている「本音」への批判を含めての作業である。もしも、原稿料なしのボランティアで執筆なさっていたら、その点だけはお詫びします。