2019年12月9日(月)(憲法千話)
憲法便り#2906:中村哲医師の参考人発言のみを、横書きの拡大版で掲載します!
官報に掲載された議事録の文字が小さいため、読みずらいと思いましたので、横書きの資料を国立国会図書館の検索システムで複写してきました。
議事録全体を通して24頁あるものを、
中村哲医師が参考人として出席した、平成13年(2001年)10月13日の「第百五十三回国会衆議院 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会儀録第五号」平成十三年十月三日(全24頁)を、下記の通り3回に分けて紹介しています。
委員会の正式名称は、「国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会」と長いものですので、国立国会図書館の検索システムを利用なさる場合には、ご注意下さい。
憲法便り#2900:追悼中村哲医師;第百五十三回国会衆議院「国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会儀録第五号」平成十三年十月三日(全24頁)を3回に分けて紹介します。その①(1~8頁)!
憲法便り#2901:追悼中村哲医師;第百五十三回国会衆議院「国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会儀録第五号」平成十三年十月三日(全24頁)を3回に分けて紹介します。その②(9~16頁)!
憲法便り#2902:追悼中村哲医師;第百五十三回国会衆議院「国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会儀録第五号」平成十三年十月三日(全24頁)を3回に分けて紹介します。その③(17~24頁)!
スキャンをして掲載しましたので、やはり、原寸よりは文字が小さくなっています。
倍率300%まで拡大すれば、かなり読みやすくなると思います。
中村哲医師の発言は6回ありますので、順番に紹介します。
2回目以降は、質問に対する答弁です。
実践に裏打ちされた発言は、確信に満ちています。
無駄な言葉は、一言もありません。
しかしながら、新聞、テレビ、ラジオなどで報道されているのは、部分的引用で、中村哲医師の発言の全体像が判りません。
そこで、中村哲医師に敬意を表するため。今回の企画を考えました。
彼を銃撃して死に至らしめたのは現地の武装勢力と伝えられていますが、トランプ政権および米軍の軍事行動に協力してきた日本政府、とくに安倍政権に大きな責任があると思います。
それでは、以下に中村哲医師の発言を紹介します。
最初の発言(2頁にわたる)。
加藤委員長の指名により発言。
『憲法便り#2900』の5頁の一番上の段の中頃から始まり、6頁の3段目の10行目まで続いています。
2回目の発言。
加藤善之委員(理事)の質問に対しての発言。
『憲法便り#2901』の10頁の2段目の16行目から始まり、10頁の4段目の6行目まで続いています。
そして、加藤委員長の注意により、発言が中断します。
2回目の発言から、後半にある、自衛隊に対する現地での受けとめに言及した部分を紹介します。
「憲法の枠内と申しますが、実際に自衛隊が、日本では自衛隊と申しますが、英語で言いますと、これはジャパニーズアーミーというのですね、ディフェンスアーミー。必ず、日本軍とした訳しようがないですね。日本軍が難民キャンプに来るのかということで、憲法枠内でどうのこうのということは、これは日本側の内輪の論議でありまして、現地ではそうは見られない。ジャパニーズアーミーがアメリカンアーミーに協力しておる、こうしか見られないわけですね、どう見ても」(以下、略)
3回目の発言。
加藤委員長の注意のあと、発言が続きます。
しかし、委員長が注意すべきだったのは、野次をとばした議員の方であって、中村哲医師ではない。中村哲医師は、野次をとばした議員をたしなめただけのことである。
(手違いで、プリントアウトしていなかったので、とりあえず手作業で入力しておきます)
○中村参考人 例えば、武器を持った日本の兵隊さんが、兵隊と言えば、日本では兵隊じゃありませんと言うかもしれませんが、これは外から見ると兵隊なんです。ジャパニーズアーミーと書いてある以上は。兵隊さんが難民キャンプを現地で設立したということは、非常に大きなミリタリープレゼンスととられる。これは疑いないんですね。
こういうことは現地ではあり得ないことでして、私がいろいろ言うよりも、パキスタンの、これは名前は匿名でしてくれということでしたが、おっしゃったのは、それは冗談であろうと。今までそんな形で軍隊が来たことはなかった、パキスタンは警察組織もある、軍隊組織もあるれっきとした一独立国家である、これを守るのはパキスタンの警察の仕事であろう、これは日本の評判を落とす悪い冗談であろうということをおっしゃったんですね。
恐らくこれが、みんな言いにくいけれども、日本と言うのはパキスタンにとってパキスタンにとって一番のODA供与国なんですね、だから悪口はなかなか言いにくい……
○亀井(善)委員 結構です。
4回目の発言。
渡辺周委員(民主党)の質問に対しての発言。
『憲法便り#2901』の11頁の3段目の1行目から始まり、11頁の4段目の11行目まで続いています。
4回目の発言は、前半で親日感情、後半で治安について述べています。
ここでは、治安についての8行を取り上げておきます。
「治安は、ペシャワール市内は非常に良好でございます。これもまた言いにくいことではございますけれども、日本の警察や自衛隊も含めまして、はるかに現地は治安部隊の実戦を積んでおります。これは、パキスタンの治安部隊の仕事でありまして、外国軍隊が、言葉もわからないという中で、とてもあのまねはできるものではない、もし悪くなったにしても。しかし、そういう事態は現在考えられておりません。
新聞で報道されておるのはごく一部の動きでありまして、大半の住民は、これはアフガン人、パキスタン人を含めまして、もっと我々よりも常識をある意味で持っておりまして、バランス感覚で動いておるというのが現実でございます。急いでどかどかと行って守らなきゃという状態は現在ないということでございます。とりあえず。」
5回目の発言。
渡辺(周)委員(民主党)の再質問に対しての発言。
『憲法便り#2901』の12頁の1段目の8行目から始まり、12頁の2段目の1行目まで続いています。
5回目の発言は、医師としての立場から、パキスタンでの医療活動の本質をずばりと述べています。
「私、医師としての立場から申し上げますと、言葉がわからない、何が危険かわからない、それから、どういうことでこの人たちが起るのかわからない、どういうことが悲しいのかわからない、どういうことがうれしいのかわからないという中で、臨床医学といいますか医療行為というのは成り立ちません。そういう情報の中で、手術場で外科の先生がわっと機械的な仕事をする仕事は別として、恐らくできないのではないか。」(以下、略)
6回目の発言。
渡辺(周)委員(民主党)の3回目の質問に対しての発言。
『憲法便り#2901』の12頁の3段目の5行目から始まり、12頁の4段目の8行目まで続いています。
6回目の発言は、最初の発言の本質を手短にまとめて答えたもの。
7行目から8行目にかけて、端的に述べています。
「とりあえずはどうするかということですが、こればかりは、国もできずに国連もできぬこと、これをやるのがNGOの本領でありますから、(以下、略)