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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2020年 01月 07日

憲法便り#2960:在日米軍は、日本を守らない!

2020年1月7日(火)(憲法千話)

憲法便り#2960:在日米軍は、日本を守らない!

『憲法便り』では、新聞に関しては、『しんぶん赤旗』の紙面のコピーのみを使用しています。出典を明記すれば、使用することの了解を得ているからです。その他の新聞は、著作権や使用料の問題が発生しますので、残念ながら、使用出来ません。他の新聞を利用する場合は、見出しのみの紹介にとどまります。

昨日、『憲法便り#2959』で、2020年1月6日(月)付『しんぶん赤旗』日刊紙一面および六面に、全米で繰り広げられている「イランとせんそうするな!」の記事が掲載されていたことを紹介しました。

今日は、同じ2020年1月6日(月)付『しんぶん赤旗』日刊紙一面および三面で報じられていた、在沖海兵隊「日本防衛」から除外のニュースを紹介します。

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このニュースに関して、拙著検証・マッカーサー書簡の所在と憲法第九条「幣原首相提案説」』〔135頁~136頁)で指摘した、マッカーサーのアジア戦略を紹介します。

【太平洋での勝利により太平洋は米国の広大な堀となった】〔下線は、岩田による〕

「戦前の彼らの生活水準の哀れむべき低さは、戦争のあとに続く荒廃の中で、現在は底知れぬ深さにある。世界〔岩田注:主に欧米〕の思想は、アジア人の思考の中では、ほんの僅かな役割しか果たしておらず、また、僅かしか知られていない。民衆が必死になっていることは、彼らの胃袋のために少しでも多くの食べ物を得ること、彼らの体に少しでも良質な衣類をまとうこと、彼らの頭上に少しでもしっかりとした屋根を得る機会を見つけること、そして、代表的な国家主義者(nationalist)が主張する、政治的自由の実現のためであった。このような政治的・社会的条件は、我が軍の国家防衛上、直接的な関係ではなく、我々が、陥りやすい過ちを避ける目的で、新たな計画を作成するために、熟考しなければならないと言うことでもない。そして、思考そのものが、直接的かつ速効性を求めなければならないと言うことではない。

我が軍の国家防衛上、より直接的かつ速効性のある関係は、今次の戦争の経過で太平洋の戦略的な可能性における変化を作り出した。より重要なことは、アメリカ合衆国の西側の戦略的国境はAmericas〔米州:North America,South America, Central America〕の沿岸地方にあり、ハワイ、ミッドウエー、グアムからフィリピン諸島を通って拡張された海岸線に至る、危険にさらされている、ある突出した島に据えられている。この突出部は、軍事力の前哨地点ではなく、敵が攻撃可能で、これに沿って攻撃をしてきた、弱点の大通りであった。太平洋は、この国境地帯の島を攻撃し、略奪しようとする、いかなる軍事力にとっても、可能性を包蔵する地域であった。

これらのすべては、我々の太平洋戦争の勝利によって変えられた。我々の戦略的国境は、その時から西に移った。これは、太平洋全体をそっくり包含する。太平洋は、我々がそれを維持する限り、我々を護る広大な堀となった。我々の国境地帯は、その時点で、西に移った。勿論、これはAmericas(米州)全体、及び太平洋地域のすべての自由主義国家のための防御壁としての役割を果たす。我々は、アジアの海岸地域を、我々によって維持されるアリューシャン列島からマリアナ諸島まで弓なりに連なる島々の鎖、及び我々の自由主義同盟国によって、これを支配する。

この島の鎖により、我々は、海軍力及び空軍力を伴い、ウラジオストックからシンガポールに至る、アジアのすべての港で優位に立つことが出来、そして太平洋へのいかなる敵の動きも妨げることが出来る。アジアからの、略奪を目的とする攻撃は、陸・海・空軍共同の作戦行動に拠らなければならない。前進に至る常用航路、及びこの上の空路を統制する、陸・海・空軍の共同のない作戦は、成功しない。海軍そして空軍の制海権及び制空権と、基地を護るための小規模な地上部隊がある。それは、アジア大陸からの、太平洋地域の我々あるいは、我々の友人達への如何なる大規模な攻撃も、失敗に帰する運命である。このような条件下では、太平洋は、もはや、予期された侵略者が差し迫っている、接近の大通りではなく、打って変わって平和な湖の友好的な様相を呈している。

我々の防衛線は、自然条件のものであり、それは、最小限の軍事力と軍事費で維持できる。それは、如何なる者に対しても攻撃を目論まず、如何なる要塞に対しても、本質的に、攻撃的な軍事行動を準備していない。だが、当然、侵略に対して、無敵の防衛は維持される。西太平洋沿海地域におけるこの防衛線の保持は、この地域の弓型全体の保持に、完全に依存する。この防衛線への、敵意を持った強国による、如何なる大規模な侵略も、その他の攻撃を受けやすいすべての要塞から、仕返しを受ける運命となる。これは、軍事上の判断である。私は、この判断に異議を申し立てる軍事的指揮官に、いまだ出会ったことはない。(拍手喝采)

この理由から、私が過去に、軍事上の非常事態として強く勧告してきたのは、状況を放置すれば、台湾が共産主義の支配下に、必ず落下するということだ。(拍手喝采)かつて、フィリピンの自由を脅かし、日本の喪失を齎すであろう不慮の事態があった。そして、この事態は、我が軍の西側の国境地帯を、カリフォルニア、オレゴン、ワシントン州の海岸線にまで押し返す恐れがあった。」(以下、省略)




by kenpou-dayori | 2020-01-07 06:57 | 米のアジア・中東戦略、軍事最優先政策批判


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