2020年3月4日(水)(憲法千話)
憲法便り#3104:日本国憲法制定期の新聞シリーズ①;昭和20年ー22年の山形新聞を見る!
山のようにたまった資料を廃棄処分にしようと思い、一応目を通しながら選別作業を始めた。
日本国憲法制定過程の中央紙、地方紙のコピーである。
国立国会図書館で複写したものが多いのだが、同図書館が所蔵していない地方紙は、
各地の図書館及び公文書館を直接訪ねて、複写したものもある。
3・11の直後で、全国が大きな余震で揺れ続けていた時に、
いわば命がけで集めたものばかりだから、特別な感慨がある。
結局のところ、ほとんど全部を残すことにした。
今回紹介するのは、革新的な紙面に惹かれ、以前から注目していた『山形新聞』。
近所に、山形県出身の知人がいるので、読んでいただこうと思い、
昨日、興味深い部分から入力を開始した。
試作段階だが、公表しておきたい。
前後に、これから入力して、改訂版を考えている。
紙面のコピーも何点か掲載するする予定である。
山形新聞を読み直した、率直な感想は、フィルムを逆まわしして、明治時代にまで遡ったような印象である。
安倍政権下の政治が、強権を発動して、問答無用の政治手法に、危機感を強くしている。
昭和21年1月21日(月)付(一面)
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『山形新聞』
旧漢字を新しい漢字に、旧仮名遣いを新仮名遣いに書き換えた。
日付は、昭和のままとした。
当時は、朝刊のみで、2ページ建てだった。
昭和21年1月12日(土)付(一面)
【見出し】
「幣原内閣居据り 一気に改造断行 きのう定例閣議で決定」
【記事】冒頭部分
「マツクアーサー司令部から発せられた去る4日の政治粛正に関する指令に対する政府の態度は、去る11日午後、再度閣議を開き、同4時、内閣改造に決定した。只、閣僚の銓衡(せんこう)には、尚若干の曲折があろう」
【社説】「新しき吾等の代表者」
「旧き支配者は追放された。すべての古き権力と権威は亡びつつある。真実の意味における日本の無血革命は、今や、その第一歩をふみ出したのである。」(以下、略)
昭和21年1月17日(水)付(一面)
【見出し】
「選挙後も居据る肚 現内閣場合により再解散」
【見出し】
「群少政党が新党連盟」
【記事】
吹き巻くる民主共同戦線の嵐に刺戟され、帝都における群少政党陣営にも、その主義主張を通じて、共同戦線を展開しようとする情勢が窺われる。即ち去る13日までに数次の結成準備を開いたが、来る18日第一回常任幹部会を開き、実践事項を協議決定の上、直ちに共同戦線へのスタートを切ることになった。
同連盟は、
計画経済の民主化
の四大スローガンにより広く現在までに加盟したセ政党団体は、
独立社会党、立憲青年党、日本共和党、社会民主党、日本朝日党、自治皇民党、
青壮新進党、日本明生会、立憲勤労党、日本国民党、日本勤労大衆党、新日本革新党の16小党である。
【見出し】
「急速に人民戦線を 山川均氏 結成を提唱」
【社説】「憂うべき痴呆者の横行」
「何時の代にあっても世代を正しく読みとるということは大切なことである。今次の日本の悲劇は世代を読みとることが出来なかったばかりでなく、世代に対し無謀にも反逆した為、世代から痛烈な制裁を受けたものである。従って今後の日本は世代を正しく読みとり世代と共に生きて行く為に、渾身の努力を払って行かなければならぬのである。
正しい世代とは何か―それこそ全世界が一環となって秩序づけているところ、民主主義でなければならない。」(以下、略)
昭和21年1月21日(月)付(一面)
【見出し】
「民主化は国民の手で 監視せよ・政府は依然怠業状態」
【見出し】
「人民戦線の歴史 ブルームの実験 反動攻勢阻止の可能性を実証」
【見出し】
「婦人参政権に冷淡 総司令部遺憾の意を表明」
【社説】「軍国主義尚お死なず」
昭和21年1月23日(水)付(一面)
【見出し】
「憲法改正 自由党闡明 天皇に法律・政治の責任なし 衆議院に優越権 枢密顧問官は廃止」
【見出し】
「世界政治の展望 整備した国際連合 バルカン諸国民主化」
【見出し】
「強権発動に異論 政府再び声明」
【記事】
「21日の経済閣僚懇談会は、午後一時半より首相官邸にに開催。三土内相、渋澤蔵相、小笠原商相、副島農相、楢橋翰長、石黒法制局長官等出席し、小笠原商相より物価問題、失業問題報告あった後、副島農相より食糧事情にについて説明、新に供米措置に対する政府の強権発動については、兎角の異論もあるので、この点22日の閣議において更に協議の上、政府声明を発表することとして、3時過ぎ散会した。」
【社説】「農村青年に答う」