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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2020年 03月 23日

憲法便り#3173:リバイバル・シリーズ;第二次世界大戦中の『朝日新聞』の記事2件(『憲法便り#812』及び『憲法便り#813』)にアクセスがありましたので再録します!

2020年3月23日(月)(憲法千話)
憲法便り#3173:リバイバル・シリーズ;第二次世界大戦中の『朝日新聞』の記事2件(『憲法便り#812』及び『憲法便り#813』)にアクセスがありましたので再録します!
昨日、第二次世界大戦中の『朝日新聞』の記事2件(『憲法便り#812』及び『憲法便り#813』)にアクセスがありましたので、リバイバル・シリーズとして再録します。
なお、『憲法便り#814』も併せて再録する。

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2015年5月29日(金)(憲法千話)

憲法便り#812: 「欧州戦 遂に終了」の主見出しでドイツ軍降伏を報じた昭和20年5月9日付『朝日新聞』
戦争は、サッカーや、野球の試合ではない。、

新聞報道は、まず、主要な見出しで、読者に記事の内容を伝える。

「欧州戦 遂に終了」
これでは、まるで、サッカーのワールド・カップ報道だ。
下は、昭和20年5月9日『朝日新聞』一面
憲法便り#3173:リバイバル・シリーズ;第二次世界大戦中の『朝日新聞』の記事2件(『憲法便り#812』及び『憲法便り#813』)にアクセスがありましたので再録します!_c0295254_18572626.jpg




翌日、昭和20年5月10日付『朝日新聞』は、「鴎洲急變に帝國不動」と題して政府声明を報道する。

『憲法便り#813』で、紙面の画像と共に、冒頭の説明文、「帝國政府聲明」を掲載する。

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2015年5月29日(金)(憲法千話)

憲法便り#813: 独軍降伏後、「欧州急変に帝国不動」「米英の非望を破砕」との報道

この記事を読んでいると、安倍首相は、70年前の帝國政府の亡霊の姿に見えてくる。
70年前の亡霊と違うところは、かつて「鬼畜米英」と呼んだ、そのアメリカの手先となって戦争を始めようとしていることである。

下は、昭和20年5月10日付『朝日新聞』一面
憲法便り#3173:リバイバル・シリーズ;第二次世界大戦中の『朝日新聞』の記事2件(『憲法便り#812』及び『憲法便り#813』)にアクセスがありましたので再録します!_c0295254_18242396.jpg



【見出し】
「歐洲急變に帝國不動 政府声明」「米英の非望を破砕」「東亞の安定確保を期す」
【 記事 】
ドイツの無条件降伏による歐洲戰の集結に當り、政府は新事態に卽應する帝國政府の態度を決定するため、九日午後四時首相官邸に臨時閣議を開き、左のごとき帝國政府聲明を決定、鈴木首相は同日午後七時宮中に参内、内奏の後、午後七時半情報局より発表し、帝國政府の態度を闡明した、すなはち右聲明においてはドイツの今回の態度に対してあくまで遺憾の意を表するとともに、帝國としては自尊自衛のために最後まで大東亞戰爭を戰ひ抜き米英の非望を破砕して、大東亞の安定確保に向つて一路邁進する帝國不動の信念を明らかにした

帝国政府声明(昭和二十年五月九日午後七時三十分)(旧漢字を改めた)
「帝国と盟を一にせる独逸の降伏は帝国の衷心より遺憾とする処なり。
帝国の戦争目的は固より其の自存と自衛とに存す
是れ帝国不動の信念にして、欧州戦局の急變は帝国の戦争目的に寸毫(すんごう)の変化を与うるものにあらず、帝国は東亜の盟邦と共に東亜を自己の恣意と暴力との下に蹂躙せんとする米英の非望に対し、飽く迄も之を破砕し以て東亜の安定を確保せんことを期す」

この紙面に書かれていることは、帝国政府の愚痴である。
ドイツの対ソ戦勝利を当てにして太平洋戦争に踏み切ったおのれの愚かさを隠すために、強がりを言っているに過ぎない。
見出しや声明文にある「非望(ひぼう)」とは、身分不相応の望み、身分以上の無理な望みを意味する。
この言葉は、国内向けには、勇ましいところを見せたつもりだろうが、米英は、何の痛痒も感じなかったであろう。

なお、対米英開戦後に、ドイツ駐在大島大使がヒットラーと面会した際の会談内容を、
『憲法便り#814』に再録する。

       
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2015年5月29日(金)(憲法千話)

憲法便り#814: 戦争の真相「真珠湾攻撃の5日後、ヒットラーが大島大使に語った内話」

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以下は、すでに5月13日に掲載下記事の再録である。

2015年5月13日(水)
憲法便り#781:真珠湾攻撃の5日後、ヒットラーが大島大使に語った内話の暗号電文

以下に紹介する秘密文書を読んでいると、オバマ・安倍「怪談」を見ているようだ。
相互依存の両者が、自分に都合の良いことのみを話している。
近未来を見ているようでもある。
いま、国会を無視して強引に進めようとしている「戰爭法」、
これは、際限のない戦争の泥沼にはまり込む、悪夢の序章である。
だから、「亜米政権」の暴走、やりたい放題で「戦争法」を通してしまうことを、絶対に許してはならない。

紹介する文書は、暗号電文を、カタカナ、旧仮名遣い、旧字体で書き起こしたものだが、
まず、旧仮名遣い、旧漢字を直し、ふりがな、句読点を補い、(注)を付した文章を、
次に、原文を掲載した。

外務省編纂『日本外交文書 太平洋戦争 第一冊』(平成二十二年一月十五日発行)

13 昭和16年12月13日(13は、この文書集の中で、外務省がつけた整理番号)
在独国大島大使より
東郷外務大臣宛(電報)

【対米英戦緒戦の評価及び今後の協力方針に関するヒトラーの内話について】
ベルリン 12月13日後発
本  省 12月14日夜着

第一七四一号(館長符号扱)(岩田注:大使館の長、すなわち大島大使だけが判読できる暗号)
十三日「ヒ」総統の求めに依り往訪一時間に亘り会談せり
「リ」(リッペントロップ)外相同席す
要旨左の如し(岩田注:資料原文は、縦書き)

一、「ヒ」は帝國政府の決意及び皇軍の勇敢なる戦果に対し、心からの嘆賞と感激を述べ、更に今回日本が謙譲を以て平和的の解決を図り(注1)一度剣を抜くや敢然猛烈なる攻撃に出でたる開戦前後の遣口(やりくち)は自分が対波蘭(ポーランド)戦諾意作戦に於いてとりたる措置と全く同一(注2)にして深く喜ぶ所なる旨並に独もはっきり対米宣戦を為し得るに至りたるは自分の最も欣快とする旨を語りたる後、御承知の通り自分(「ヒ」)は「一旦事を始めたる以上、中途にして止むることは出来ざる人間にして勿論今回の戦争は日伊と共に最後の目的貫徹迄徹底的に戦い抜く決心なるを確信せられたし」と述べたり。

二、次で「ヒ」は「自分は日米開戦の報を聞くや、直ちに出先潜水艦等に対し、爾今米国戦艦に対し当方より積極的に攻撃すべきことを命じた」る旨語り、「今日迄は各潜水艦長は先ず英国船なるや中立国船なるやを見分けたる後にあらざれば、攻撃を開始し得ざるの苦哀ありたるが、今や何らの顧慮なく思い切ったる攻撃を為し得ることとなり、大いに能率を上げ得べし」と述べたり。

三、対蘇(ソ連)戦に関しては、最近急激に寒気至り、中北部戦線(注3)の温度は零下三十八度(注4)に上り、事実上戦闘不可能なるに依り、此の機会に戦線を整理短縮(注5)し、「レニングラード」「タガンログ」に至る略一直線の線に於いて冬営し、弗々最前線にありたる装甲兵団、機械化部隊を後方に下げ、機材の修理整備を行うと共に鉄道建設其の他後方補給の整備(注6)を行う積りなり、其の一部に於いては二、三十粁(キロメートル)後退することあるやも知れざるが、斯かる地域の喪失は勿論問題とならず、来春天候恢復(かいふく)し再び戦闘可能の状況ともなれば、更めて大攻撃を行う予定なり、尤も(もっとも)「コーカサス」に対しては、凡(あら)ゆる方面より(黒海、土耳古(トルコ)方面よりの意なるべし)攻撃を続行すべく、「レニングラード」「セバストポール(セバストーポリ)」は引続き攻撃する予定なり」と述べたり。

四、北阿戦線(北アフリカ戦線)に関し、「既に「ケッスルリング」麾下の大空軍地中海方面に派遣せられ、潜水艦の活動と相俟ち(あいまち)、地中海に於ける独伊の地位は決して御心配の要なし」と述べたり。

五、尚本使(大島大使)よりは日米交渉が飽迄(あくまで)三国条約(日独伊三国軍事同盟)の範囲に於いて行われたる次第を述べたるに、「ヒ」は、「開戦前平和的態度に出ずるは当然なり」と述べ、また対蘇(ソ連)政策に関し、貴電第九八五号(原注:見当たらず)の趣旨を説明せるに、「ヒ」は、直ちに「当然のことなり」と語り、更に本使より現在迄の戦果を説明せるに、「ヒ」は興味深く之を聴取し、本使より「我軍が海峡植民地より緬甸(ビルマ)方面に進駐する際には独軍も近東に進出し、相呼応して英国打倒に協力したき旨のべたる処、「ヒ」は、「独としても勿論出来得る限り協力を為すべき」旨を述べたり。

【岩田注】
(注1)平和的の解決を図り:形式的に日米交渉を行ったことを指す。
(注2)開戦前後の遣口(やりくち)は自分が対波蘭(ポーランド)戦諾意作戦に於てとりたる措置と全く同一:第一次大戦での敗北により失った旧占領地を、ドイツに返すようポーランドに対して要求し、これが拒否されると、宣戦布告なしに、ポーランドに侵攻したこと。
(注3)中北部戦線:ここでは、「スターリングラード」の戦いを指している。
(注4)零下三十八度:かつて、ナポレオンがモスクワまで攻め込みながら、冬将軍の到来により惨敗したことは、衆知の事実である。奇襲攻撃をかけ、短期間に
(注5)戦線を整理短縮:退却と言わず、「戦線の短縮」と言った誤魔化しの誤報。かつて、大日本帝国の大本営は、退却と言わず、「転進」と発表し、国民に敗北の事実を隠し続けた。
(注6)鉄道建設其の他後方補給の整備:後方の補給の原則は、他国の支援をあてにせず、自前でやるもの。

【文書の原文】
13 昭和16年12月13日
在独国大島大使より
東郷外務大臣宛(電報)

【対米英戦緒戦の評価及び今後の協力方針に関するヒトラーの内話について】
ベルリン 12月13日後発
本  省 12月14日夜着

第一七四一號(館長符號扱)(岩田注:大使館の長、すなわち大島大使だけが判読できる暗号)
十三日「ヒ」総統ノ求ニ依リ往訪一時間ニ亘リ會談セリ
「リ」外相同席ス要旨左ノ如シ

一、「ヒ」ハ帝國政府ノ決意及皇軍ノ勇敢ナル戰果ニ對シ心カラノ嘆賞ト感激ヲ述ヘ更ニ今囘日本カ謙讓ヲ以テ平和的ノ解決ヲ圖リ一度劍ヲ拔クヤ敢然猛烈ナル攻撃ニ出テタル開戰前後ノ遣口ハ自分カ對波蘭戰諾意作戰ニ於テ執リタル措置ト全ク同一ニシテ深ク喜フ所ナル旨竝ニ獨モハッキリ對米宣戰ヲ為シ得ルニ至リタルハ自分ノ最モ欣快トスル旨ヲ語リタル後御承知ノ通リ自分(「ヒ」)ハ一旦事ヲ始メタル以上中途ニシテ止ムルコトハ出來サル人間ニシテ勿論今囘の戰爭ハ日伊ト共ニ最後ノ目的貫徹迄徹底的ニ戰ヒ拔ク決心ナルヲ確信セラレタシト述ヘタリ

二、次テ「ヒ」ハ自分ハ日米開戰ノ報ヲ聞クヤ直ニ出先潜水艦等ニ對シ爾今米國戰艦ニ對シ當方ヨリ積極的ニ攻撃スヘキコトヲ命シタル旨語リ今日迄は各潜水艦長ハ先ス英國船ナルヤ中立國船ナルヤヲ見分ケタル後ニアラサレハ攻撃ヲ開始シ得サルノ苦哀アリタルカ今ヤ何ラノ顧慮ナク思ヒ切ツタル攻撃ヲ爲シ得ルコトトナリ大イニ能率ヲ上ケ得ヘシト述ヘタリ

三、對蘇戰ニ關シテハ最近急激ニ寒氣至リ中北部戰線ノ溫度ハ零下三十八度ニ上リ事實上戰闘不可能ナルニ依リ此ノ機會ニ戰線ヲ整理短縮シ「レニングラード」「タガンログ」ニ至ル略一直線ノ線ニ於テ冬營シ弗々最前線ニアリタル裝甲兵團、機械化部隊ヲ後方ニ下ケ機材ノ修理整備ヲ行フト共ニ鉄道建設其ノ他後方補給ノ整備(注5)ヲ行フ積リナリ其ノ一部ニ於テハ二、三十粁後退スルコトアルヤモ知レサルカ斯ル地域ノ喪失ハ勿論問題トナラス來春天候恢復シ再ヒ戰戦闘可能ノ狀況トモナレハ更メテ大攻撃ヲ行フ予定ナリ尤モ「コーカサス」ニ對シテハ凡ユル方面ヨリ(黒海、土耳古方面ヨリノ意ナルヘシ)攻撃ヲ續行スヘク「レニングラード」「セバストポール」ハ引続キ攻撃スル豫定ナリト述ヘタリ

四、北阿戰線ニ關シ既ニ「ケッスルリング」麾下ノ大空軍地中海方面ニ派遣セラレ潜水艦ノ活動ト相俟チ地中海ニ於ケル獨伊ノ地位ハ決シテ御心配ノ要ナシト述ヘタリ

五、尚本使ヨリハ日米交渉カ飽迄三國條約ノ範圍ニ於テ行ハレタル次第ヲ述ヘタル「ヒ」ハ開戰前平和的態度ニ出スルハ當然ナリト述へ又對蘇政策に關シ貴電第九八五號(見当ラズ)ノ趣旨ヲ説明セルニ「ヒ」ハ直ニ當然ノコトナリト語リ更ニ本使ヨリ現在迄ノ戰果ヲ説明セルニ「ヒ」ハ興味深ク之ヲ聽取シ本使ヨリ我軍カ海峡植民地ヨリ緬甸方面ニ進駐スル際ニハ獨軍モ近東ニ進出シ相呼應シテ英國打倒ニ協力シタキ旨述ヘタル處「ヒ」ハ獨トシテモ勿論出氣得ル限リ協力ヲ爲スへキ旨ヲ述ヘタリ


by kenpou-dayori | 2020-03-23 13:28 | リバイバル・シリーズ


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