2020年6月24日(水)(憲法千話)
憲法便り#3400:「日本運輸サービス労働組合連合会JTSU」第二回定期大会へのメッセージ!
「日本運輸サービス労働組合連合会」第二回定期大会へのメッセージ
第二回定期大会にご出席の皆さん、大会おめでとうございます。
今回のメッセージは、あえて、日常的な話題を中心として述べさせていただきます。
私は今年の9月2日で、78歳を迎えます。
ですから、私から見れば、ご出席の皆さんは、次の世代ということになります。
ただし、皆さんは、ただ単に次の世代ということに留まりません。
歴史上、誰も経験したことのない、新型コロナウイルス感染という困難と闘いながら、新しい時代を切りひらき、そして、さらに次の世代を育てるという、歴史的使命を担うNext Generation(次世代)です。
ここで、ひとつのエピソードを紹介させていただきます。
「ワハハ本舗」という劇団の女優である柴田理恵さんが、6月5日に、「伊集院光とらじおと」という番組で、リスナーから投稿があった「不定形」の川柳をひとつ選び、選んだ理由を次のように話していました。
選んだ作品は、「嫌いだったひとの 涙をみた」。
この川柳は、読んだ人、あるいは聴いた人が、「ざまーみろ!」と思うか、「この人も泣くことがあるんだ」と思うか、二つの解釈があるだろう。
これに続けて柴田さんは、「ざまーみろ!」と思う自分はいやだな、考えたくない。
「この人も泣くことがあるんだ」と思う自分でいたい、と発言していました。
私は、柴田さんには「ガサツな話ばかりしている」という印象があって、好きではありませんでしたが、この発言を聴いて、目頭が熱くなりました。人は見かけだけで判断してはいけないと思いました。そして、直接的な利害関係がないところで、他人を思いやる感性、その心意気に感動しました。寛容の精神です。
ここには、「利己的」ではなく、「利他的」な思考の原点があります。
私が皆さんと出会ったきっかけは、都労委への提訴をめぐり、皆さんが真剣に闘っている事でした。
関昭生委員長のインタビュー記事、彼との手紙や電話でのやり取りで私が感じる事は、「人本主義」をはじめとする、この「利他的」な思考が根底にあることです。
「困っている人を見捨てない」という、理想的な思考です。
したがって、皆さんの単産は支持を広げつつありますし、これからも支持を広げる事と思います。
理想を貫く闘いには、「苦悩」や、「不安」や、「困難」も伴います。
そして、発想の転換も必要です。
しかし、「日本運輸サービス労働組合連合会」に結集する皆さんは、必ずや、新しい時代の、この理想を実現して下さることと確信しております。
以上をもちまして、歴史的な第二回大会へのメッセージと致します。
2020年6月20日
憲法研究者 岩田行雄