2020年6月26日(金)(憲法千話)
憲法便り#3405:落合百景:むかし、妙正寺川沿いの上落合の地に、本物の牧場があった!
2003年に自費出版した、岩田行雄編著『牛肉偽装事件の真相とその後ー雪印の社会的責任を問う』の222頁に、近所の阿部豆腐店の店主阿部雄次さんから聞いた話として、次の記述がある。
「昔は、『おからや』さんがトラックで取りに来たので、1ヵ月に1万円ほどの収入になった。また、30年くらい前まではすぐ近くの、上落合の妙正寺川沿いの地に犬井(いぬい)さんという人が経営する牧場があり、牛を飼っていたので、その餌として売れたという。これは大阪万博(1970年)が開催された年だから驚きである。だが、牧場の周辺に次々と住宅が建ち、周辺住民から「臭い」という苦情が相次いだため、都心の牧場は姿を消した。
現在はおからを薄いビニール袋に入れて、ひと袋50円(2020年6月現在は、100で売っている)で店先に置いておく以外は、「産業廃棄物」としてお金を払って捨てている。(中略)
人口の集中が進んだ結果、安全な餌となるおからの有効利用の循環が断ち切られ、捨てられてしまっていることは、日本の各地で起こっている同様のことの一例に過ぎないだろう。これは、単にもったいないということを通り越して、考えさせられる問題である。狂牛病問題が動物性の餌を与えたことにより生じていることを考えれば、なおさらのことである。
ところで、肝心の牧場の正確な位置と情景を、文献で調べてみたいと思っているが、新宿区立中央図書館の全面的な再開を待たなければならない。取りあえずは、現在の状況を調査する予定である。
なお、この話を聞かせて下さった阿部豆腐店の現在の様子を、デジカメの写真で紹介します。
二階建ての店構え。
「看板娘」のさやかさん。人気の手造り「おからドーナツ」を前にして。 右は、たまたまガラスに映った通行人。
いつもマスクをしていますが、せっかくなので、マスクを外してもらってパチリ。
************************************************************
【再録】
2018年5月6日(日)(憲法千話)
憲法便り#2588:岩田行雄編著『牛肉偽装事件の真相とその後ー雪印の社会的責任を問う』(2003年刊)紹介(第一回 表紙、資料、序文)
2018年5月2日(水)に、『憲法便り#2581』で、「驚きのニュース! 雪印種苗が、牧草の種子の品種を偽装して、長期に亘って販売!(訂正版)」を掲載した。
この事件の報に接し、拙著『牛肉偽装事件の真相とその後ー雪印の社会的責任を問う』(2003年刊)の紹介を、どのようにするかを、本書を読み直しながら考えてきた。全体は、三十万字を超える大作である。
その結論として、本書の、序文、目次、あとがき、おの時点での「著者略歴」を、そのまま紹介することにした。
理由は、当時指摘した問題が、今でも生きているからである。
当初は、データを探し出して、多少編集をして掲載することを考えた。
しかしながら、パソコンを3回変え、その際に移したはずのデータが残っていないことに気がついた。
したがって、保存している現物をスキャンして、画像での紹介となった。
長い文章なので、次の3回に分けての紹介とする。
第一回 表紙、資料、序文
第二回 目次
第三回 あとがき、著者略歴