2020年8月24日(月)(憲法千話)
憲法便り#3575:戦没者追悼式での平和を祈念する天皇陛下のお言葉(全文)
2020年8月15日(土)付『東京新聞』夕刊1面を引用しました。
【見出し】
天皇陛下「深い反省」「コロナ乗り越えて」 不戦の誓い 不変の思い
安倍首相式辞「歴史と向き合う」消える
【記事冒頭部分】
終戦から七十五年を迎えた十五日、政府主催の全国戦没者追悼式が行われた。新型コロナウィルス感染症の影響で規模が大幅に縮小され、二十府県の遺族が欠席となったが、参列者は戦没者を悼み、不戦の誓いを新たにした。天皇陛下は昨年に続き、お言葉に「深い反省」との文言を盛り込まれた。
《戦没者追悼式での天皇陛下のお言葉(全文)》
本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たに致します。
終戦以来七十五年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。
私たちは今、新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、新たなる苦難に直面していますが、私たち皆が手を共に携えて、この困難な状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います。
ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を鑑み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から哀悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。