2020年 09月 21日
2020年9月10日(土)(憲法千話) 憲法便り#3625:9月17日午後、月島区民館で開催されたAction東京結成総会に招かれ、記念の憲法講演を行いました。コロナ禍の状況下で初めての講演経験です;通算で、154回目の講演です! 9月17日午後、月島区民館で開催されたAction東京結成総会に招かれ、記念の憲法講演を行いました。論題は『平和憲法の誕生、そして憲法を生かす闘いの展望』。時間は、質疑を含めて60分の予定が70分に。大成功でした。 当日のレジュメは、以下の通り。 ****************************************************** 2020年9月17日(木) Action東京 結成総会記念・憲法講演(月島区民館) 論題『平和憲法の誕生、そして憲法を生かす闘いの展望』 岩田 行雄 《はじめに・・・国民がどれほど歓びを持って、新憲法を迎えたか》 『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』表紙に、当時の全国各地の新聞の一覧 本書第四部 祝賀行事…1946年11月3日の憲法公布の日の全国各地を横断的に描写。 (田中満行氏の要望に沿って四つの課題を設定。報告の中心は、第二、第四の課題) 第一の課題 安倍内閣への評価;安倍首相在任最長記録は、 国民には最長の苦しみ! 第二の課題 JR東日本からの組合員に対する攻撃について 第三の課題 敵基地攻撃能力の保有を巡って&イージス・アショア配備に反対する闘いでの秋田県民の歴史的勝利について 第四の課題 核軍縮・核廃絶について/その①米「憂慮する科学者同盟」グレゴリー・カラーギー氏に聞く;その②米の若者の7割が核兵器必要ない;その③サーロー節子さん 核禁止条約発行を;被爆75年 197国首脳に個人名で手紙を送る! 文字数の制限があるので、第二の課題および第四の課題を中心に紹介する。 2頁↓ 第一の課題 安倍内閣への評価…安倍首相在任最長記録は、 国民には最長の苦しみ! 8月24日は、「安倍首相在任最長」のニュースが、マスメディアで繰り返し流され、何とも気分が悪い一日であった。 8月25日、この件について、記事を準備していたが、2020年8月25日(火)付『しんぶん赤旗』日刊紙第1面が、「安倍首相在任最長 国民には最長の苦しみ;共闘し最悪の暴政止めよう!小池書記局長が会見!」の見出しで、問題点を余すことなく報じていた。わたしとしては、この記者会見の内容に全面的に賛成のなで、文字起こしをして、2020年8月25日(火)付『憲法便り#3577』で紹介した! 日本共産党の小池書記局長は24日、国会内で記者会見し、安倍晋三首相の連続在任日数が歴代最長となったことへの受け止めを問わわれて語ったことは次の通り。 《全体的評価)あらゆる側面で史上最悪の政治が続いた。この7年8カ月は、国民にとってみれば、歴代最長の苦しみをしいられた2799日だ。国民にとっては苦難の連続であり悪いレガシー(遺産)の連続だったが、この7年8カ月の間に、安倍政権の憲法無視の政治に対して『市民と野党の共闘』が生まれ、大きく発展したことは唯一の良いレガシーだったのではないか。一方で「本気の共闘」はまだ途上だとして、「来る総選挙にむけて、市民と野党の共闘をさらに発展させて、なんとしてもこの史上最悪の暴政を止めるために力を尽くしたい」と表明。 《憲法》憲法をないがしろにし、集団的自衛権行使容認の閣議決定や安保法制、秘密保護法、共謀罪などの違憲立法を次々に強行。 《暮らし》暮らしの面では2度にわたる消費税増税で暮らしと日本経済をつぶした。 《外交》外交では米国、中国、ロシアにものがいえない屈辱外交を進めた一方、核兵器禁止条約には背をむけた。 《沖縄》沖縄県では民意をふみにじり、米国いいなりに辺野古の米軍新基地建設を強行してきた 《公文書改ざん》森友・加計学園問題や「桜を見る会」をめぐる公文書の改ざん、虚偽答弁など国政私物化は極限まで達した。 《新型コロナ対応》迷走と行き詰まりに直面している。 小池晃書記局長は、菅内閣を「安倍首相がいない、安倍内閣」と、ズバリ指摘。 2020年9月17日(木)付『しんぶん赤旗』を引用。(憲法便り#3623) 3頁↓ 《第二の課題・・・JR東日本当局からの攻撃について…ふたつのメッセージ》 《メッセージ・その1》:「利他的」な思考の重要性(ふたつとも全文を読み上げる) 「日本運輸サービス労働組合連合会」第二回定期大会へのメッセージ 第二回定期大会にご出席の皆さん、大会おめでとうございます。 今回のメッセージは、あえて、日常的な話題を中心として述べさせていただきます。 私は今年の9月2日で、78歳を迎えます。 ですから、私から見れば、ご出席の皆さんは、次の世代ということになります。 ただし、皆さんは、ただ単に次の世代ということに留まりません。 歴史上、誰も経験したことのない、新型コロナウイルス感染という困難と闘いながら、新しい時代を切りひらき、そして、さらに次の世代を育てるという、歴史的使命を担うNext Generation(次世代)です。 ここで、ひとつのエピソードを紹介させていただきます。 「ワハハ本舗」という劇団の女優である柴田理恵さんが、6月5日に、「伊集院光とらじおと」という番組で、リスナーから投稿があった「自由律」(不定形)の川柳をひとつ選び、選んだ理由を次のように話していました。 選んだ作品は、「嫌いだったひとの 涙をみた」。 この川柳は、読んだ人、あるいは聴いた人が、「ざまーみろ!」と思うか、「この人も泣くことがあるんだ」と思うか、二つの解釈があるだろう。 これに続けて柴田さんは、「ざまーみろ!」と思う自分はいやだな、考えたくない。 「この人も泣くことがあるんだ」と思う自分でいたい、と発言していました。 私は、柴田さんには「ガサツな話ばかりしている」という印象があって、好きではありませんでしたが、この発言を聴いて、目頭が熱くなりました。人は見かけだけで判断してはいけないと思いました。そして、直接的な利害関係がないところで、他人を思いやる感性、その心意気に感動しました。寛容の精神です。 ここには、「利己的」ではなく、「利他的」な思考の原点があります。 私が皆さんと出会ったきっかけは、都労委への提訴をめぐり、皆さんが真剣に闘っている事でした。 関昭生委員長のインタビュー記事、彼との手紙や電話でのやり取りで私が感じる事は、「人本主義」をはじめとする、この「利他的」な思考が根底にあることです。 「困っている人を見捨てない」という、理想的な思考です。 したがって、皆さんの単産は支持を広げつつありますし、これからも支持を広げる事と思います。 理想を貫く闘いには、「苦悩」や、「不安」や、「困難」も伴います。 そして、発想の転換も必要です。 しかし、「日本運輸サービス労働組合連合会」に結集する皆さんは、必ずや、新しい時代の、この理想を実現して下さることと確信しております。 以上をもちまして、歴史的な第二回大会へのメッセージと致します。 2020年6 月20日 憲法研究者 岩田行雄 4頁↓ 《メッセージ・その2》:日、米の経営者団体が「人本主義」を重視し始めた変化 日本運輸サービス労働組合連合会『第2回定期大会』を祝って! 2020年4月吉日の日付で、「日本運輸サービス労働組合連合会『第2回定期大会』ご案内」をいただいた。日時は次の通り。 日時:2020年6月20日(土) 大会:13:00~16:30(開場12時30分) 新しい産別組織の第2回定期大会を祝うために、「産別」と「数字の3」をかけて、記念すべき「憲法便り#3333」を充てることにした。 関委員長には電話で、新型コロナウイルス感染の状況に不安があることを伝えた。 長考しており、まだ出欠の返事は出していない。 ところで、関委員長は、5月18日付の手紙と共に、2019年10月22日付朝日新聞第4面の「視点」「日々論々」に掲載された文章のコピーを送って下さった。 こういうところが、かれの丁寧なところであり、人々の信頼を得る所以(ゆえん)であろう。産別の委員長だからと言って、決して偉ぶらない。 感想文を書いたことはすでに、2020年5月8日(金)付の『憲法便り#3300:「産別『JTSU』関委員長に聞く」というインタビュー記事を読んで!』で紹介した。(本文の後に【再録】した) したがって、今回は、そのお礼の手紙と共にいただいた資料について述べる。 本論に入ろう。 筆者は、朝日新聞編集委員の久原穏(くはら・やすし)氏。 論題は、「『人本』主義経営 優先すべきは人の幸せ」。 内容は、この論題そのものに尽されている。だが、彼の論点をより明確に伝える必要があると思う。 要点だけを挙げるのでは、真意が伝わらないと思うので、要点と思うところを引用する形で紹介したい。 久原(くはら)氏は、書き始めのところで、次のように述べている。 「『会社は誰のためにあるのか』-。この問いに、即座に『株主のため』と答えるのが、米国流の企業経営だ。それが今、転期を迎えている。」 彼はこれに続けて、次のように述べている。 「ゼネラル・モータース(GM)、アマゾンといった全米主要企業が名を連ねる『ビジネス・ラウンドテーブル』という経営者団体がある。日本の経団連のような強力な財界ロビーだ。八月中旬に、この『株主第一』の方針を見直して従業員や取引先、地域社会など企業に関わるすべての人の利益を尊重する経営に取り組む、と宣言した。株主第一主義は1997年に宣言して以来の大原則だから、歴史的な転機と言える。」 この続きは、要点のみとするが、上記のニュースと期を一にするように、日本でも「中小企業人本経営プログラム」という講座が開講された。人本経営とは、資本(カネ)を最重視する(従来の)米国流の経営と対極をなす。 久原(くはら)氏は、終りの部分で、次のように述べている。 「低賃金労働があふれ、格差固定化、経済の長期低迷をみれば、日本の経営者も本気で考えを改める時にきている。」 5頁↓ 優しい考え方であり、理想に近づく考え方である。 いま、世界も、日本も、富の一極集中が猛烈な勢いで進んでいる。その一方で、失業者が急激に増大し、社会構造の崩壊が指摘されている。 こうした状況下で、新しい産別組織「日本運輸サービス労働組合連合会」が、真正面から「人本主義」に基づく、長期的な労働政策に取り組んでいることは、必ずや、苦しい立場にある人々の希望となるものと確信し、第2回定期大会へのメッセージとしたい。 *********************************** 2020年5月8日(金)(憲法千話);憲法便り#3300:「産別『JTSU』関委員長に聞く」というインタビュー記事を読んで!【再録】(紹介のみ、読み上げは省略) 「このたび、交通経済社発行の《ACCESSNo.601》の(2020年4月上卷)を読む機会を得た。同誌の18頁から20頁にわたって、「産別『JTSU』関委員長に聞く」というインタビュー記事が掲載されていた。正式なタイトルは「JR東日本・バス関東に2600人の新組織 都労委への申立てを巡り制裁対象にされ他に道はなし、『逃亡者』と言われる前に 関委員長に聞く」である。いささか、ものものしい感じもするが、インタビュー記事の内容に関して言えば、今まで私が見聞きしてきたものと相違ないものと思う。私が思うところは、すでに、私のブログ『憲法便り』に即興詩を含めて、何回も書いてきたので、繰り返すことは必要ないものと考える。 こうした前提のもとに若干の感想を述べておきたい。 第一に、インタビューの内容は、関委員長の主張を正確に伝えている。 第二に、質問の設定は、幅広い読者を対象として丁寧に準備されており、私にも参考になる。その例として、次の5項目を紹介しておく。 【新産別結成の経緯やトップとしての抱負などからお尋ねします】 【組織人員と内訳を教えて下さい】 【「労組脱退パワハラ」に抗するために、なぜJR東労組を脱退して新単組・新産別を結成しなければならなかったのですか】 【組合名に「JR」「鉄道」といった文言を入れず「輸送サービス労働組合」とした理由を伺います】 【JR以外の産業で働く方達との連帯について考えていることはありますか】 第三に、記事を読んで新たに学んだことがある。 ○国連で提唱された国際共通目標である「SDGs」(持続可能な開発目標) ○政策実現集団 ○人本主義経営 ○総合労働政策集「輸送サービスビジョン『スタート2024』 これらについては、今後勉強していきたいと思っている。私なりに見解をまとめることが出来たことは、引き続き文章化し、『憲法便り』に書く予定である。 ところで、この原稿を書いている間に、ラジオから、外房線で脱線事故があったことが報じられた。公共交通の安全を担う「輸送サービス労働組合」の果たすべき役割は大きい。いずれにしても、「輸送サービス労働組合」がマスコミの取材を受け、紹介されることは、同労組がいわゆる「身内」だけの組織ではなく、社会的な存在として、緊張感を持って、努力を続けることへの励ましになることと考える。 2020年5月8日記 6頁↓ 第三の課題 敵基地攻撃能力の保有を巡って&イージス・アショア配備に反対する闘いでの秋田県民の歴史的勝利について(要点を紹介) その①《敵基地攻撃能力の保有を巡って》 2020年8月3日(月)付『憲法便り#3514:自民「敵基地攻撃能力」狙う;「イージス」破綻逆手に軍拡加速!』で紹介済み。 2020年8月1日(土)付『しんぶん赤旗』日刊紙第2面を引用。 【記事本文】 自民党は31日、国防部会と安全保障調査会で、同党の「ミサイル防衛検討チーム」が策定した提言案を了承しました。週明けにも安倍晋三首相に提出します。違憲の「敵基地攻撃能力」保有や、米国と一体になった軍拡を推進するもので、政府が9月みの決定する新たな「ミサイル防衛」戦略に反映させる狙いです。 「ミサイル防衛」(中見出し) 陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」(陸上イージス)の配備断念により、「ミサイル防衛」網の破綻ぶりが顕著になりました。それにもかかわらず、提言案は弾道ミサイルに加え、巡航ミサイルや航空機攻撃なども一体的に対応する「ミサイル防空」(IMAD)能力の確保を強調。さらなる軍拡を図る狙いです。 また、陸上イージスの「代替機能の確保」を強調。陸上イージスで使用する予定だったSPY7レーダーや、迎撃ミサイルなどの米国からの購入を中止し、“有効活用”するため、①イージス艦の増勢②レーダーの地上設置―などを検討します。だた、イージス艦の増勢は、費用や人員確保の面で非現実的です。レーダーの地上設置も、再び周辺住民の反発を招くことは目に見えています。弾道ミサイルなどの探知・追尾のため、「低軌道コンステレーション」(小型人工衛星網)の活用も盛り込みました。政府が6月30日に閣議決定した新たな宇宙基本計画では、コンステレーションについて、「米国との連携を踏まえながら検討」するとしており、宇宙軍拡を加速する狙いです。 表現変えて提言(中見出し) 提言案の最大の焦点は、歴代政権が違憲としてきた「敵基地攻撃能力」の検討です。自民党は2017年に提出した提言で、「敵基地攻撃能力」の保有を求めました。結果としての文言は採用されませんでしたが、2018年12月に決定された防衛大綱・中期防衛力整備計画では、長距離巡航ミサイル(スタンドオフ・ミサイル)の導入など、実質的な敵基地攻撃能力の保有に踏み出しました。 今回も憲法の“ハードル”は高く、文言として「敵基地攻撃能力」を明記することは断念。「相手領域内でも弾道ミサイル等を阻止する能力の保有」という表現になりました。 ただ、これに該当する能力を持とうと思えば、偵察衛星や無人機、電子戦機に加え、長距離巡航ミサイルや爆撃機など、国際法違反の先制攻撃につながる兵器体系を備える必要があります。表現をどう変えようと、違憲の敵基地攻撃能力そのものであり、従来の「専守防衛」の考え方を大きく踏み越えることに変わりません。(竹下岳) 7頁↓ その②《歴代法制局長官4氏が「違憲」の回答、2015年6月20日付『東京新聞』一面トップ記事(要点を紹介) 2015年6月20日(土)付『憲法便り#878』で紹介した、「歴代法制局長官4氏が「違憲」の回答、2015年6月20日付『東京新聞』一面トップ記事」 以下は、『東京新聞』の記事とは無関係な、わたしの見解である。「現在の内閣法制局長官は、安倍首相の言いなりの人物で、とても「法の番人」とは言い難い。はっきり言えば、「安倍首相の番犬」である。「安倍首相の番犬」に比して、今回『東京新聞』からの取材に回答した歴代法制局長官4氏は、見識そして良識の人たちである。」 以下に、2015年6月20日付『東京新聞』一面トップ記事を紹介する。 **************************************以下は、2015年6月20日付『東京新聞』一面トップ記事を引用。歴代法制局長官4氏「違憲」安保法案 正当性さらに揺らぐ 他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案について、内閣法制局の歴代長官で故人を除く十氏のうち五人が本紙の取材にコメントし、四氏が「違憲」もしくは「運用上は違憲」との考えを示した。合憲はいなかった。安倍政権は安保法案について「従来の憲法解釈の基本的論理は全く変わっていない」として、合憲と主張している。しかし、歴代内閣で憲法解釈の中心的役割を担った元長官が合憲性を否定したことで、法案の合法性はさらに揺らいだ。(金杉貴雄) 本紙は個別に10氏を取材し、58~62代(現在の横畠裕介長官は66代)の6氏から回答を得た。 第一次安倍内閣(2006~07年)などで長官だった宮崎礼壹(みやざき・れいいち)氏は、集団的自衛権の行使について「憲法をどう読んでも許されないのは、論理的な帰結。最小限なら当てはまると言うが、従来の見解と断絶した考えだ」として、違憲と断じた。 日本周辺で有事が起きた際、米軍支援を可能にした周辺事態法の制定当時(1999年)に長官だった大森政輔(おおもり・まさすけ)氏も「政府がどんな理屈でも武力行使できる法案。九条に違反している」と述べた。 小泉政権で長官だった阪田雅裕(はんだ・まさひろ)氏は、憲法解釈の変更は全く認 8頁↓ められないわけではないとしながら、集団的自衛権行使は「戦争がわが国に及ぶ状況でなければ従来の論理と合わない」と指摘。「(中東の)ホルムズ海峡で(行使が)あり得るとする説明は憲法論理を超え、その説明では法案は違憲だ」と語った。 イラク戦争(2013年)に長官として直面した秋山収(あきやま・おさむ)氏は、新たな憲法解釈は違憲とまで断じるべきではないとしつつも「具体的運用の説明には違憲のものが含まれ、違憲の運用の恐れがある」と指摘した。 2001年の米中枢同時テロ当時長官だった津野修(つの・おさむ)氏は「法案の内容が抽象的すぎて具体的な条文が違憲かは分からない」と述べた。 取材に応じた5氏のほか、第二次安倍政権で長官を辞め、最高裁判事(現職)になった山本庸幸(やまもと・つねゆき)氏は就任会見で「(集団的自衛権の行使容認は)解釈変更で対応するのは非常に難しい」と明言。本紙の取材には「現在は立場上差し控える」とした。安保法案の違憲訴訟が起こされた場合、合憲か違憲かを判断する立場になるが「白紙の状態で判断したい」と述べた。 梶田信一郎(かじた・しんいちろう)、工藤敦夫(くどう・あつお)、茂串俊(もぐし・たかし)、角田礼次郎(つのだ・れいじろう)の四氏は、体調や高齢、立場上などを理由にコメントしなかった。(東京新聞) 9頁↓ その③《イージス・アショア配備に反対する闘い;秋田県民の歴史的勝利!》 2020年7月28日(火)付『憲法便り#3500:『3500号記念』;地上型イージス・アショア配備を撤回させた、秋田県民の歴史的勝利について、そして秋田県平和委員会元理事長風間幸蔵さんのこと!(その①:風間さんとの出会い)』で紹介済み。 《地上型イージス・アショア配備を撤回させた秋田県民の歴史的勝利について》 (要点を紹介) 国に対する住民の闘いが、これほど見事な勝利を収めたことに、心からお祝いを申し上げます。 わたしは『憲法便り』の中で「秋田の闘い」の項目を設定し、平和新聞を中心に紹介をしてきました。 今回の完全勝利のニュースを期に、勝利を生みだした秋田の闘いの強さの源について、わたしなりの感想をまとめ、新たなエピソードや写真を加え、紹介することにしました。 量が多いので、何回か連載する形をとることにします。 昨年までに全国各地で行った153回の憲法講演のうち、秋田県内で行った憲法講演は11回に及びます。そして、講演活動の中で、様々な人々との新たな出会い、唯一無二の資料をはじめ、いくつかの貴重な資料の発掘ができました。 東北6県での憲法講演の回数は、青森県2回、山形県1回、岩手県1回、宮城県3回、福島県6回。 ちなみに、北海道は9回(札幌1、函館2、旭川3、厚岸1、釧路1)。 この数字が、秋田との関わりの深さを表わしています。 このような深いつながりのきっかけを作って下さったのは、風間幸蔵さんです。したがいまして、3500回記念号の表題を「地上型イージス・アショア配備を撤回させた、秋田県民の歴史的勝利について、そして秋田県平和委員会元理事長風間幸蔵さんのこと!」としました。 風間幸蔵さんとの、一番最近のやりとりから話を始めます。 まず、風間幸蔵さんから、妻・登美子宛に届いた2020年5月6日付のハガキの全文を、ご了承を得ましたので紹介します。 「前略。おたよりをいただきながら返事が遅れて申訳けありません。あなた様のおからだの方はもう大丈夫なのでしょうか。岩田行雄さんのブログは、今は毎日目を通しており”よくがんばるな――”と感服しています。平和新聞の紹介もしていただきほんとうにありがとうございます。預かった書籍もほぼ完売でき、代金は4月14日に振り込んでありますのでおたしかめ下さい。当方は、コロナ禍で中断していたスタンディングも昨夜から再開。弘子(夫人)と二人で参加(全体で20名)しました。私はやはり外を飛び回っている方が性にあっているようで、楽しかったです。では又。お元気で! 10頁↓ 手紙の中で「書籍の代金」とあるのは、ご注文をいただいた『検証・マッカーサー書簡の所在と憲法第九条「幣原首相提案説」』50冊分の代金のことです。」 この手紙をいただいてから、秋田の闘いを激励するために、記事の連載を検討し始めた。そして、連載を開始しようとしたところ、6月25日(木)に、河野太郎防衛大臣が地上型「イージス・システム」配備撤回を表明したことが報じられた。 わたしは風間さんに直接お祝いを伝えたいと思い、翌日は遠慮して、6月27日電話か掛けたがお留守だったので、1週間電話を掛け続けた。だが、連絡が取れないので諦めかけた時、ようやく連絡が取れた。かれは、新しい要請書を持って、7つの自治体を回っていたのだという。 今までは、「イージス・アショア」配備に反対するよう要請しても受け取ってくれなかった各自治体が、お祝いの言葉を述べ、新しい要請書も受け取ってくれたとのこと。 これを踏まえて、わたしは今回の「3500号記念」の連載を開始することにした。 この勝利をかちとるまでの秋田の皆さんの著名活動や宣伝行動は、降りしきる雪の中でも、粘り強く続けられていた。 11頁↓ 《第四の課題: 核軍縮・核廃絶について》 その①《米「憂慮する科学者同盟」グレゴリー・カラーギー氏に聞く》 2020年8月14日(金)付『しんぶん赤旗』第2面を引用。 2020年8月14日(金)付『憲法便り#3547:米「憂慮する科学者同盟」グレゴリー・カラーギー氏に聞く;アジアへ核配備狙う米戦略!』として、紹介済み。 【見出し】 米「憂慮する科学者同盟」グレゴリー・カラーギー氏に聞く アジアへ核配備狙う米戦略 日本が「核の傘」抜け出せば 核廃絶へ世界は一つになる 【記事】 広島・長崎の原爆投下から75年。核兵器禁止条約は発効目前となり、核廃絶への動きが加速しています。一方、米国などは核兵器の更新を続け、米国の核の傘に依存する日本政府も、各軍縮の妨害者となっています。アジアでの核軍拡に詳しい米国の科学者団体「憂慮する科学者同盟」のグレゴリー・カラーギー氏に聞きました。(聞き手・石原みずほ) トランプ政権は、2018年2月に公表した「核態勢の見直し」(NPR)で、実際に核兵器を使用するために「小型化」を推進し、日本を含むアジア地域に新たな核兵器の配備を狙っています。F35Aステルス戦闘機に搭載するB61-12や巡航ミサイル・トマホークの後継である、新たな海洋発射型巡航ミサイル(SLCM)などです。 トランプ政権は、「小型」核は「大型」核より危険性が少ないでの、使用が可能であると考えていますが、「小型」と言われるものでさえ、その爆発力は広島に投下された原爆と同程度だとみられます。 米国防総省は今年2月、「低出力」のW76-2を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を配備し、すでに任務についていると明らかにしました。 SLBMを搭載したオハイオ級原潜のうち6隻は太平洋に配備されており、ミサイル24基が搭載可能です。ただ、そのうち、W76-2(5~7キロトン)はごく一部であり、大半は100キロトンを超えるW76-1であると考えられています。第1撃で「小型」核を使い、第2撃で「大型」核が使用されるでしょう。それは広島・長崎に投下された原爆をはるかに上回る爆発力です。 同盟国である日本は、トランプ政権のNPRに「歓迎」を表明し、アジア地域への核配備を支持する立場を明確にしました。それは、唯一の戦争被爆国である日本の政府が、広島・長崎のような惨禍を他国で繰り返すことを容認する立場であることを意味します。 《軍拡を促す(中見出し)》 日本政府は、核兵器を日米同盟の軸として位置づけ、さらなる軍拡を促してきました。 かつて、オバマ政権は「核兵器のない世界」をめざし、核兵器の役割縮小を目的とした新たなNPRの策定に着手します。米議会もその指針となる報告書を作成するため、ウィリアム・ペリー元国防長官を議長とした諮問委員会を設立。同委員会が同盟国である日本からの要望を聴取したところ、日本政府は「日本をとりまく安全保障環境は核抑止を含む米国の拡大抑止を必要としている」として、米国の核戦力強化核兵器の役割の 12頁↓ 増強を求めたのです。 また、ボルトン前米大統領補佐官の回顧録をみると、日本に言及している箇所が約120あります。しかし、ロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄に対する懸念や、新戦略兵器削減条約(新START)の期限延長にむけた交渉の促進などについて、安倍晋三首相を含め日本政府の誰一人言及していません。 INFの破棄はロシアのミサイル配備につながり、日本はその射程圏内です。それなのに、安倍首相が全く関心を示していないことは大問題です。 《条約批准を(中見出し)》 核廃絶を実現するには、核戦争が始まる危険性は大いにあり、一人ひとりが真剣に向き合わなければならない問題だと訴え続けなければなりません。ペリー氏も、現在の核の脅威は冷戦の最悪期に匹敵すると主張しましたが、その通りです。 日本政府が、核廃絶運動の先頭に立たず、むしろ妨害者となっていることは恥ずべきことです。日本が核兵器禁止条約に署名・批准すれば、世界に素晴らしい変化をもたらします。核の傘にいる他の国々も日本の後に続くことになれば、米国をはじめとする核保有国にとって大きな圧力となり、核兵器廃絶に向けて、全世界が一つになって取り組むことができるようになるでしょう。 その②《米の若者の7割が核兵器必要ない;NHK広島が調査!》 2020年8月6日(木)付『憲法便り#3524:米の若者の7割が核兵器必要ない;NHK広島が調査!』で、紹介済み。 2020年8月6日(木)付『しんぶん赤旗』日刊紙第2面を引用。 【見出し】米の若者‘割「核兵器必要ない」 NHK広島が調査 【記事】NHK広島放送局が被爆から75年にあたって行ったアンケート調査で、アメリカの若者の約7割が「核兵器は必要ない」と回答していたことがわかりました。3日の「NHKテレビ」「ニュースウオッチ9」で紹介しました。「平和に関する意識調査」として、広島県、広島県以外の全国、アメリカの18歳から34歳を対象にインターネットで調査、それぞれ約1000人から回答を得ました。 これによると、「核兵器」の必要性について、広島県と広島県以外の全国とも約85パーセントが「必要ない」と回答。核兵器を所有するアメリカでも70・3%が「必要ない」と答えました。 75年前にアメリカが原爆を投下したことについてアメリカ人に聞くと、「許されない」と答えた人は41・6%で、「必要な判断だった」31・3%を上回りました。 番組では、5年前のアメリカの世論調査機関の調査で、広島と長崎への原爆投下について、18歳から29歳のアメリカの若者の47%が「正当だった)と回答していたことを紹介。明治学院大学の高原孝生教授は「教育の効果などによって、この10年ほどで若い世代を中心に認識が大きく変わってきている」と指摘しました。 カナダ在住で広島の被爆者、サーロー節子さん(88)も登場。アンケート結果について、「国際政治はますます厳しい状態になり、目の前には暗闇があるが絶望はしていない。若い人たちを見て、希望が持てる時代がやってきたと感じている」と若い世代への期待を語りました。 13頁↓ その③《サーロー節子さん 核禁止条約発効を;被爆75年 197国首脳に手紙!》 2020年8月9日(日)付『憲法便り#3533:サーロー節子さん 核禁止条約発効を;被爆75年 197国首脳に手紙!』で、紹介済み。 2020年8月9日・8月16日付『しんぶん赤旗』日曜版合併号第1頁及び第6面を引用しました。 (以下、全文を読み上げる) 【見出し】サーロー節子さん核禁止条約発効を 被爆75年 197国首脳に手紙 【記事】 2017年のノーベル平和賞授賞式で演説した広島出身の被爆者、サーロー節子(88)=カナダ・トロント在住=。被爆75年の今年、世界197カ国の首脳に核兵器禁止条約の批准、核兵器廃絶を求める書簡を送りました。そこに込めた思いを電話インタビューで聞きました。 坂口明記者 今回の手紙は、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の被爆75年の取り組みとして私個人の名前で送りました。核・保有国、核・依存国、非・核兵器国宛ての3種類です。英国の核基地があるスコットランドのスタージョン自治政府首脳からは「イギリスに核兵器禁止条約批准を求めている」との返事が届きました。 核兵器禁止条約が国連で採択され、ICANはノーベル平和賞を受賞しましたが、核保有国は逆コースを歩んでいます。非常に怖いです。核兵器という大量虐殺の道具が何十万人もの人々を一瞬にして焼き殺してしまう、あのイメージが強烈にあるんです。 安倍(晋三)首相への手紙では、「被爆者の声に耳を傾けよ」と訴えました。日本の市民の過半数が核廃絶を求めていると思いますが、政府は聞く耳を持っていません。国民と語り合い、「世界でこんなことが二度とあってはいけない」と日本が世界に道徳的な指導性を示せば、どんなに素晴らしいことかと思います。(6面につづく) (1面のつづき) トランプさん、交渉のテーブル戻りなさい(6頁の主見出し) トランプ大統領への手紙では、目前の問題をいくつか提起しました。例えばアメリカは最近、核兵器に関する条約を破棄していますでしょ。来年2月には(米・ロ新戦略兵器削減条約=新START)が失効すれば、何もなくなるじゃないですか。「それは危険だから、交渉のテーブルに戻りなさい」と言いました。 彼が核の発射ボタンを押す権限を持っているのは怖いことです。アメリカでも、それを法的に抑えようという運動が起きています。 カナダも関わり(中見出し) カナダのトルドー首相への手紙では、広島と長崎に投下された原爆の開発に、カナダも参加していたことを認めて、「遺憾の意」を示し、核兵器禁止条約批准をするよう求めました。 あの原爆にはカナダ産のウラニウムが使われていたんです。広島に原爆が投下されると、当時のカナダのキング首相は「原爆が欧州人でなく日本人に対して使われたのは幸運だった」と日記に書きました。こういうことが、カナダでは全く知られていません。 わたしが核兵器反対の団体をカナダで始めたのは被爆30年の1975年でした。当時 14頁↓ カナダの人たちは「それは日・米間の問題だ」「カナダには関係ない」と横を向いていました。その静けさを破ろうと動き始め、アメリカでも訴えてきました。 (北米は)こういう孤独な荒野、広大な国土でしょ。夫のジムが背中を押してくれなければ始められませんでした。私の頭の中で考えること、胸の中で感じることを周囲の人と語り合い、だんだん、だんだんと同志が出来てきました。 使命感胸に運動(中見出し) なぜ私が、このようにやっているのか。やはりね、この問題への責任感というか使命感があると思うんです。 広島に原爆が投下され、爆心地から1・8キロの学徒動員先で、私は生き埋めになりました。真っ暗闇の中で、兵隊さんが「光が入ってきてる、あそこに這って逃げろ!」と声をかけてくれ、這い出すことが出来ました。同じ部屋にいた約30人の学友は、ほとんど焼け、殺されてしまいました。 私の姉や、姉の4歳の子どもも、真っ黒になりました。ガソリンをかけて焼くと、いろんな光が出る。それを13歳の私が見守って、涙も出ませんでした。「人でなし!」と自分を責めました。生き残った学友の多くが、同様の体験をしていました。 でも、極限の状態に追い込まれると、感情の動きは停止することを、後に学びました。それを解明した、アメリカの精神科医・リフトンさんにお会いし、お礼を言ったことがあります。 ああいうことを二度と他の人に経験させてはいけない。そのために全力を発揮して働くんだ、と学生の頃、みんなと誓いあったのを覚えています。やっぱり、イメージや記憶が大切ですね。ああ大変だと思った時、かつてのイメージや記憶がよみがえり、また歯をくいしばる。そうやって運動を続けてきました。 サーロー節子さんの歩み 1932年 広島市で生まれる 1945年 学徒動員で暗号翻訳の作業をしていた広島の第二総軍司令部で被爆 1948年 広島流川教会で受洗 1954年 米リンチパーク大学に留学 1955年 カナダ人のジム・サーローと結婚 1975年 ヒロシマ・ナガサキ被爆30年 トロント委員会結成 2017年 核兵器禁止条約第1回交渉会議で発言 同 ICANのノーベル平和賞授賞式で演説 (サーロー節子・金崎由美著『光に向って這っていけ―核なき世界を追い求めて』などに基づく) 《秋田県内での憲法講演》11回のうち主だったもの 2005年12月23日「秋田九条の会」結成一周県記念講演会(秋田市・児童会館) 2006年5月14日 九条の会・ゆざわ結成一周年記念講演会(湯沢市) 2008年3月15日 土崎九条の会一周年記念集会(秋田市・土崎)
by kenpou-dayori
| 2020-09-21 22:09
| JTSUの闘い
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