人気ブログランキング | 話題のタグを見る

岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

kenpouq.exblog.jp
ブログトップ
2020年 10月 02日

憲法便り#3643:アイヌ民族の権利保障へ;大地奪われ生存脅かされた歴史;日本共産党の前衆院議員・畠山和也氏が研究者を訪ね懇談!

2020年10月2日(金)(憲法千話)

憲法便り#3643:アイヌ民族の権利保障へ;大地奪われ生存脅かされた歴史;日本共産党の前衆院議員・畠山和也氏が研究者を訪ね懇談!

2020年9月3日(木)付『しんぶん赤旗』日刊紙第13頁を引用しました。


憲法便り#3643:アイヌ民族の権利保障へ;大地奪われ生存脅かされた歴史;日本共産党の前衆院議員・畠山和也氏が研究者を訪ね懇談!_c0295254_13281930.jpg









丸木舟を見る畠山氏=1日、

北海道博物館










【見出し】

「クローズアップ」

「アイヌ民族の権利保障へ」

「大地奪われ生存脅かされた歴史」

「畠山氏が研究者を訪ね懇談」

【記事】

 北海道白老(しらおい)町に「民族共生象徴空間(ウポポイ)が7月に開業、8月にはアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」(長根弘喜会長、旧浦幌アイヌ協会)がサケ保獲の権利を主張する札幌地裁に提訴し注目を集める一方、「(日本は)一つの民族」(麻生太郎副総理)と政府の暴言が続きました。日本共産党の畠山和也前衆院議員はこの間、アイヌ民族をめぐる歴史や先住民の権利について、研究者を訪ね、懇談を重ねました。

 《北海道》(中見出し)

 畠山氏は8月27日に北海道史研究協議会の滝沢正氏、1日に道博物館の山田信一学芸員の話を聞きました。

 アイヌ民族が主に、「明治期」に漁業で得たり、政府からの生活支援の名目での交付金や債権として保有したりしていた「アイヌ民族共有財産」に係る裁判(2006年結審)に事務局として滝沢氏。明治政府が北海道の「開拓」の名で和人入植者に土地を与える政策を推進したことで、「アイヌ民族は河川や森林、土地を含む大地全体に対する民族固有の権利を奪われ、生存を脅かされた」と指摘しました。

 東京大学、北海道大学など道内外の大学が研究目的として盗掘したアイヌの遺骨が、浦幌町や平取(びらとり)町などの当事者団体に返還されたことは各地のアイヌの集団的権利を前提としたもので、粘り強い運動の到達だと述べました。

 昨年4月に成立したアイヌ施策振興法(アイヌ新法)について、「初めて『先住民族』と明記したものの、集団的権利を認めていない。矛盾の解決が課題として残っている」と強調しました。

 山田氏は、自身が研究対象としてきた千歳川を例に引き、「河川でのサケの補獲の解決には地域ごとのバリエーションがあるのではないか」と指摘。明治期以降のアイヌ民族の歴史を学ぶのは「北海道で暮らす者が基本的に知っておくべきことです。すぐ“何かをする”とならなくても、“考える”ことにつながります」と言います。

    ■

 畠山氏は、2007年の国連「先住民の権利宣言」を実現する立場で世界の先進事例に学ぶとともに、「アイヌ民族や支援者と運動をすすめる立場で頑張ります」と表明しました。これまでもアイヌの人たちから現状や要望を聞いてきました。

 アイヌ新法の法案審議を控えた昨年3月、宮本岳志衆院議員=当時=と千歳、苫小牧両市、白老町のアイヌ協会や少数民族懇談会など当事者団体と懇談しました。

 「平取『アイヌ遺骨』を考える会」の木村二三夫共同代表は、強制移住の歴史にふれ、「政府はアイヌの歴史に対する国民の理解を得ることをしていない」と痛烈に批判しました。冒頭の麻生副総理の暴言にとどまらず、ウポポイ開業直前の7月10日、荻生田光一文科相が「原住民と開拓する人の間で価値観の違いはあった」と発言。木村氏の指摘は、こうした発言のもとにある安倍政権の本質を突いたものでした。

 苫小牧アイヌ協会の澤田一憲会長は「貧困の連鎖を断ち切るための乳幼児期から学齢期の経済的支援と、無年金・低年金のアイヌ高齢者のための年金支給の二つは欠かせない」と要望しました。

     ■

 今年6月、道内自治体でもアイヌの人口比が一番高い平取町を訪ねた畠山氏。アイヌ民族初の国会議員、萱野茂氏の地元二風谷(にぶたに)で平取アイヌ協会の人たちと懇談しました。

木村英彦会長は「和人のなかにアイヌのことには“さわらない”という雰囲気がある」と言って、町が進めるアイヌ語教室やアイヌ文化の講師を小中高校に派遣する事業で「理解が広がればうれしい」と話しました。

「アイヌの若い人たちがSNSで発信しているのは積極的で、すばらしい」と畠山氏。「古老の生活補償や次世代の雇用創出に生かせるよう力を尽します」と応じました。

(小田一郎国会議員団北海道事務所事務局長)



by kenpou-dayori | 2020-10-02 13:31 | アイヌ民族、先住民の権利


<< 憲法便り#3644:「学問の自...      憲法便り#3642:菅首相学術... >>