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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2020年 10月 02日

憲法便り#3645: 首相が6人任命拒否!学術会議総会で新旧会長が“大変重大”と表明!!

2020年10月2日(金)(憲法千話)

憲法便り#3645: 首相が6人任命拒否!学術会議総会で新旧会長が“大変重大”と表明!!

2020年10月2日(金)付『しんぶん赤旗』日刊紙第1面及び第3面を引用しました。


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【見出し】

首相が6人任命拒否」

学術会議総会 新旧会長“大変重大”」

【記事】

 日本学術会議は1日、東京都内で総会を開き、山極寿一前会長(京都大学前総長)が、同会議が推薦した新会員のうち6人が菅義緯首相により任命を拒否されたことを明らかにしました。山極氏は退任の挨拶で「日本学術会議法第7条で『推薦に基づき』とあるのは重い規定。任命拒否は日本学術会議の歴史になかったことで重大だ。大変残念だ」と述べ、菅首相に説明を求めていると報告しました。

 6人の名前は公表されませんでしたが、本紙の取材に、小澤隆一東京慈恵会医科大学(憲法学)、岡田正則早稲田大学(行政法学)、松宮孝明立命館大学(刑事法学)、加藤陽子東京大学(歴史学)、芦名貞道京都大学(キリスト教学)、宇野重規東京大学(政治学)の6人の教授が任命を拒否されたことを明らかにしています。多くが安保法制や共謀罪、沖縄の新基地建設に反対を表明しています。


山極氏は任命拒否の理由を示すよう菅首相あてに文書を提出したものの、現時点まで説明はないと報告。「日本学術会議は内閣府と密接な関係を持つが、命令を聞く組織ではない。科学者が業績を精査して推薦したのだから、説明もなく任命しないことは重大な問題だ」と強調し、新しい会長らが、この問題を論議し、今後対応するよう求めました。

 日本学術会議の会員は210人で任期は6年。3年ごとに半数が改選されます。同会議は今回の改選にあたり、105人の推薦者を8月31日に内閣府に提出しましたが、総会直前の9月28日夜に、任命しない理由を言わずに6人を推薦名簿から外してきました。

 総会で新会長に選出されたノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章東京大学教授は、総会後の会見で「重要な問題なので、しっかり対処していきたい。学問の自由、学術会議の中立性にもかかわることだと思っている」と話しました。

 小澤、岡田、松宮の3氏は連名で、任命拒否の撤回に向け総力であたることを求める要請書を日本学術会議会長あてに提出し、出席した会員に配りました。→関連③面

 本紙の取材に総会出席の会員からは、この問題への疑問や批判が出ました。新会員になった吉岡洋京都大学特定教授(美学・芸術学)は、「学問にも口を出すという菅政権による宣言だ」と批判。「こんな介入がまかり通れば、学者が委縮する」(関西の国立大学教授)、「学術会議の目的は政策の提言で議論の場。これは科学者に論議させないということだ」(学術団体役員)などの声も聞かれました。

日本学術会議会員の任命を拒否された小澤隆一、岡田正則、松宮孝明の3氏が1日に発表した同会議会長あての要請書(全文)は以下の通りです。

『日本学術会議会長あての要請書(全文)』

日本学術会議会長殿

要請書 日本学術会議会員への任命拒否の撤回に向け総力であたることを求めます

 私たちは、2020年8月、第25期-26期日本学術会議会員候補者として推薦されました。小澤は2008年10月から12年にわたり、連携会員として日本学術会議の活動に誠心誠意参画してきました。私たちはこうした参画とこの度の推薦を栄誉なことと思い、会員候補者としての諸手続きを済ませ、事務局から総会、部会への出欠の問い合わせにも応じて、10月1日からの総会等への参加を準備していました。ところが9月29日、突如として、内閣総理大臣による任命がなされない旨伝えられました。日本学術会議としても前代未聞の事態と聞きます。

私たちの日本学術会議会員への任命を拒むにあたり、内閣総理大臣からは理由など一切の説明がありません。これは日本学術会議の推薦と同会議の活動への私たちの尽力をまったく顧慮しないものとして、到底承服できないものです。もしも私たちの研究活動についての評価に基づく任命拒否であれば、日本国憲法第23条が保障する学問の自由の重大な侵害として断固抗議の意思を表します。

 また、今回の事態は、私たちだけの問題ではなく、日本学術会議の存立をも脅かすものです。日本学術会議は、「わが国の科学者の内外に対する代表機関」(日本学術会議法第2条)として、「科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること」などの職務を「独立して」行い(同法第3条)、「科学の振興及び技術の発達に関する方策、科学に関する研究成果の活用に関する方策、科学を行政に反映させる方策」などについて、「政府に勧告することができる」(同法第5条)とされています。こうした日本学術会議の地位、職務上の独立性、権限は、会員の任命が内閣総理大臣の意のままになれば、すべて否定されてしまい、学問の自由は、この点においても深刻に侵されます。

 貴職におかれては、このような重大問題をはらむ私たちに対する日本学術会議会員への任命拒否の撤回に向けて、会議の全力を挙げてあたることを求めます。

2020年10月1日

小澤隆一 東京慈恵会医科大学教授 憲法学 第21期-24期連携委員

岡田正則 早稲田大学法学学術院教授 行政法学 第22期-24期連携委員

松宮孝明 立命館大学大学院法務研究科教授 刑事法学 第22期-24期連携委員




by kenpou-dayori | 2020-10-02 16:08 | 菅政権への追及


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