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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2020年 10月 10日

憲法便り#3681:「甘い菓子は平和の証しや;”戦争の対極” 憲法守れ;戦時体制で手に入らなかった砂糖;京都の老舗和菓子屋3代目山口富蔵さんの証言」

2020年10月10日(土)(憲法千話)

憲法便り#3681:「甘い菓子は平和の証しや;”戦争の対極” 憲法守れ;戦時体制で手に入らなかった砂糖;京都の老舗和菓子屋3代目山口富蔵さんの証言」

2020年8月23日付『しんぶん赤旗』第17頁を引用しました。

文字起こしをしました。

憲法便り#3681:「甘い菓子は平和の証しや;”戦争の対極” 憲法守れ;戦時体制で手に入らなかった砂糖;京都の老舗和菓子屋3代目山口富蔵さんの証言」_c0295254_13153855.jpg

























【見出し】

「甘い菓子は平和の証しや」

「”戦争の対極” 憲法守れ」

「戦時体制で手に入らなかった砂糖」

「京都の老舗和菓子屋3代目山口富蔵さん」

「終戦から75年 次の世代に記憶伝えたい」

【記事】

 終戦から75年。京都を代表する老舗和菓子屋「末富(すえとみ)」3代目主人の山口富蔵さん(83歳)は、「菓子と戦争は対極にある」と言います。その思いは―。 (田中倫夫記者)

 自分でも、よう生き延びたなあと思っています。終戦の年、ぼくは小学3年生でした。縁故疎開したり、食べ物がなかったり…。空襲で火災の延焼を防ぐために、建物を強制的に取り壊す「建物疎開」で家が引き倒されるのを見た記憶もあります。大変な時代やった。そやけど、当時を直接知る人はだんだんと少のうなってきました。戦争の記憶を次の世代に伝えなあかんという気持ちを強くしています。

 戦時中、菓子屋としてつらかったのは、砂糖が統制にひっかかったことです。どこ行ってもない。唯一、お寺の関係から闇で横流ししてもらったことがありました。しかし、それで菓子をつくるわけにはいかん。そんなん売ったら捕まりますから。戦後もしばらくの間は、砂糖なんか持って歩いていたら、警察に引っ張られましたね。

 砂糖のためにどれだけ駈けずり回ってきたか。ぼくらは、砂糖のない時代を経験しています。

 戦後しばらくたって、うちの店で甘いもの売ったら大行列ができました。「菓子」と「戦争」は対極にあるものだと思っています。菓子は日本の文化そのものです。砂糖を豊富に使って食べられるというのは平和の証しや。

 それを支えているのは「戦争をしたらあかん」という日本国憲法です。戦争と対極にある菓子屋として、そこは譲れません。憲法を守り、戦争を繰り返してはいけません。

《1本のかつお節しゃぶり飢えしのぐ》(中見出し)

 戦争中は、とにかく飢えています。食べ物がない。おわんに米が少ししか入っていないほとんど野菜だけの雑炊しかありませんでした。

 集団疎開に行った友達は、骨皮筋衛門(岩田注:ほねかわ・すじえもん=痩せこけてしまったこと)になって帰ってきました。滋賀県の大津に縁故疎開に行くとき、母が「これしゃぶってれば死なへん」とかつお節を1本入れてくれました。疎開先の押し入れに隠れてしゃぶっていたら数カ月で小さくなりました。学校には毎日クワを担いでいき、校庭は全部畑になりました。

 ぼくの店の本店と自宅は、戦前から京都の五条通りから2筋北の松原通りにあります。戦争の時、ここらも「建物疎開」の対象となり、家の明け渡しを命じられました。その1週間後に終戦となりました。間一髪や。あと数週間、戦争が続いていたら、家も店もなくなっていたでしょう。

 「戦争と銃後のくらし展」の実行委員会の人たちが、聞き取り調査で戦前の五条かいわいの地図を復元してくれました。ようつくってくれたと思います。建物疎開で家をつぶされた人たちの無念さ、悔しさは忘れてはいけません。

 戦争を体験していない人が政治をつかさどるようになったら危険やでと言われてきました。本当にその通りです。戦争だけはどんなものだったかをよく知らんといかん。今の(権力を持っている)人ではあかんわ。

《コロナ対策 偉い人はもとピリッと》(中見出し)

 最近は新型コロナウイルスの影響で、菓子の商売もだめになっています。

 まず、お茶の集まりがなくなった。千人とか集まる大会は、3月ぐらいから全部中止になりました。京都の文化の危機です。なんとかしなくてはいけません。

 しばらく前に穀田恵二さん(日本共産党国会対策委員長)とある会合で隣同士になり、なんとなくウマがあう。イデオロギーではなくて、ぼくらのいいたいことを代弁してくれはるからです。

 新型コロナの国の対応にはあきれます。ぼくのところにもアベノマスクが2枚届いたけど、どうしたかなあ。感染が広がっているのに「GoTo」キャンペーンをやる。もう少し、偉い人はぴりっとしてほしい。



by kenpou-dayori | 2020-10-10 13:16 | 忘れてはならない事実の記録シリーズ


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