2021年1月21日(木)(憲法千話)
憲法便り#4155:放送界で女性組織を立ち上げ;バトンを受け取り、繋(つな)ぐ! 新しい年に;スポーツ文化ジャーナリスト・宮嶋泰子さんが語る!
2021年1月20日(水)付『しんぶん赤旗』日刊紙第12面を引用しました。
記事全文の文字起こしをしました!
宮嶋泰子(みやじま・やすこ)さんのプロフィール
テレビ朝日アナウンサー・ディレクターとしてオリンピック現地取材19回。女性スポーツの現場取材も多数経験。
昨年はコロナの影響で内に籠る一年でしたが、そんな中、秋に新組織「放送とWebで働く女性の会」を立ち上げました。これまで放送界で仕事をする女性のための「日本女性放送者懇談会」(JS)がありましたが、昨年3月に50年の歴史に幕を閉じました。その後を受ける形での発足です。
相談出来る場を(中見出し)
個人的には43年間のテレビ朝日での仕事を終えて客観的に日本社会を眺め行動できるようになったため、より感じるのかもしれません。長年取材をしてきたスポーツ界も放送界も同じように、現場に女性は多くなっているものの、組織の決定権を握っているのはほとんどが男性です。民放労連の昨年3月の調査では、女性役員は1・5%にすぎず、在京・在阪局ともに、報道、制作、情報制作の局長には女性は1人もいません。スポーツ界も似たような状況で、ジェンダーギャップ指数121位という日本の順位も実感を持って納得できます。女性たちが互いに学び合って刺激しあい、相談できる場がこの国にはまだまだ必要と感じた裏には上野千鶴子さん(東京大学名誉教授)の言葉がありました。
新たなツールで(中見出し)
「バトンは受け取ってくれる人がいなければ、そこに落ちてしまいます。私は前の女たちから受け取ったものを、みなさん方にこうやって受け渡したいと思います」。大学最終講義に代えて行ったスピーチです。放送の歴史の中で、もがきながら仕事をしてきた女性たちの思いを次の世代に繋(つな)げていくことも大切です。女性の視点を生かした番組作り、妊娠出産とその環境、セクハラ等多くの問題がありますが、喜びや辛さを分かち合える場があれば、そこから何かが生まれるはずです。
今年もコロナ禍で制限される生活が続きますが、その一方リモート会議で世界中の仲間と自在に意思を通わすことができるようにもなりました。新たなツールを使って緩い繋がりで得られるものはきっと多いはず。できないことを数えるよりできること数える心で臨みたい一年です。