2021年2月10日(日)(憲法千話)
憲法便り#4348:子どもホスピス横浜に開設へ! 「楽しい時間を家族と」! 「学びたい、遊びたい」;成長続ける子ら! 認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェックト代表理事・田川尚登さんの思い!
2021年1月30日(土)付『しんぶん赤旗』日刊紙第9面を引用しました。
紙面の下に、全文の文字起こしをしました。
悲しみと苦悩、やさしさと力強さに満ちあふれたお話です。
治療法がない子どもたちが、家族と楽しい時間を過ごすための施設―子どもホスピス。今年秋、日本で3カ所目の「うみとそらのおうち」が横浜市に開設予定です。認定NPO法人横浜子どもホスピスプロジェクト代表理事・田川尚人さんの思いとは…。(手島陽子)
田川さんの次女はるかさんが、「頭が痛い」と言い始めたのは1997年。6歳でした。やがて足を引きずるようになり、MRIを撮ると脳幹に腫瘍が見つかりました。医師から「治療法がなく、脳幹の腫瘍が呼吸中枢を圧迫し、呼吸が止まるのが半年ぐらい先。楽しい時間をつくるしかありません」と。
生きる場所に(中見出し)
入院当時、午後3時~8時。親の退出時間が近づくと、はるかさんのおしゃべりは止まらなくなりました。「帰ってほしくないんだな」。回りの病室からも、子どもたちが泣きわめく声…。つらい時間でした。
「娘は1泊旅行が好きでした」と田川さん。「病状が進むと顔がむくんでパンパンになって、それでも『お泊りに行きたい』」と。心に残るのは千葉県の鴨川。「冬でしたが一面に花が咲き、足を引きずりながら、喜んで私たちをレストランまでリードしました。
再入院して間もなく病院から「呼吸が止まった」と連絡が。脳死状態でも暖かい娘の体温を感じながら、田川さん夫妻は判断を迷い続けました。胃からの出血を見て「つらそうだ」と感じ、呼吸器を外す決断をしました。「判断は間違っていなかったか親は悩み続け、その後の立ち直りに大きく影響します」
入院生活で制限され、我慢し続ける子ども。負荷をかけた末、亡くなった時の親のやるせなさ。精神的に追い込まれます。「子どもはその瞬間まで、発達・成長を続けます。
“学びたい”“遊びたい”という欲求に応える場が必要です。子どもホスピスは生きるための場所なんです」(つづく)