2021年6月24日(木)(憲法千話)
憲法便り#5190:《「記録する」強い意志 「赤木ファイル」公表;改ざんの出発点 安倍前首相らの記述か?!》 赤木雅子さんが記者会見で、公表!
2021年6月23日(水)付『しんぶん赤旗』日刊紙第15面を引用しました。
【第15面記事全文】
《「記録する」強い意志 「赤木ファイル」公表;改ざんの出発点 安倍前首相らの記述か》
近畿財務局職員だった赤木俊夫さんが残した通称「赤木ファイル」。赤木さんは改ざん作業を強要されながらも「涙を流しながら抵抗した」とされます。ファイル冒頭の文章には、不条理な改ざんの指示を記録に残そうとする強い意志が記してありました。一方、財務省本省と近財の間のメールは、改ざんの出発点が安倍晋三前首相らに関する記述だったことが推測されます。
《繰り返し抗議》(中見出し)
「現場として厚遇した事実もないし、(会計)検査院等にも原調書のままで説明するのが適当と繰り返し意見(相当程度の意思表示し修正に抵抗)した」
冒頭の記述からは、森友学園を厚遇したと取られる記述を削除するとの財務省本省の指示に激しく抵抗した様子が分かります。赤木さんによるとみられる訴えは、こう続きます。
「決裁済みの調整することは問題があり行うべきではない、本省審理室担当補佐に強く抗議した」
「佐川宣寿理財局長への説明過程や、同局長からの指示等の詳細が当局に還元(説明なし)されず、詳細が不明確なまま…その都度メールで投げ込まれてくる」
「本件の備忘として、修正等の作業過程を下記のとおり記載しておく」
《マーキング》(中見出し)
ファイルには多数のメールが含まれています。2017年2月26日に本省と近財との間でやりとりされたメールの添付資料には、改ざんの前に公文書と思われる文書がありました。
ここには森友学園側との協議について、財務省側が次のように記しています。
「打合せの際、『本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは「いい土地ですから、前に進めて下さい」とのお言葉をいただいた』との発言あり」
その他の自民党国会議員の名も出てくるこれらの記述には網掛けがされています。
この日付の、本省から近財へのメールにはこう書かれていました。
「調書等(近畿作成)についても、…現時点で削除した方が良いと思われる箇所がある」「当該箇所をマーキングしておいた」「修正・差し替えするとともに、当該修正後の文書を本省にメール送付いただけるか」
昭恵氏らに関する記述を「マーキング」して削除を指示したと読み取れます。
この日付け、赤木さんが休日に上司から電話で呼び出され、初めて改ざん作業を指示された日にあたります。
ファイルが遺族に届いた22日、弁護団は大阪市内で会見しました。生越照幸弁護士はこう語ります。
「複数のメールのやりとりがあり、赤木さんが改ざんに抵抗する中で最終的に従わざるを得なくなったことが読み取れます。より分析を進め、赤木さんが心理的に追い詰められた経緯を具体的に明らかにしていく必要がある」