2021年10月31日(日)(憲法千話)
憲法便り#5698:水俣は福島や気候危機に直結!水俣病写真集共同制作者・環境活動家のアイリーン・美緒子・スミスさんの談話を紹介します!実践に基づく提言です!
2021年10月31日(日)付『しんぶん赤旗』日刊紙第14面を引用しました!
【記事の全文を紹介します】
水俣病の公式確認から65年。水俣を世界に知らしめた写真家・ユージン・スミス(1918~78年)の写真集と同名の映画「MINAMATA」が上映中です。写真集を共同で制作したアイリーン・美緒子・スミスさん(71歳)=京都市左京区在住=に話を聞きました。(伊藤佑亮記者)
50年前の1971年に熊本県水俣市に降り立った2人。その年に結婚し、現地で生活するもと、患者やそのその家族との信頼を深め、生きるさまを写真に収めます。
「映画はフィクションなので実際の出来事は違う部分が多くあり、患者さんとユージンを知る私としては複雑な思いがあります。映画を見た方々にとって本当のことを知ったり、行動に移したりするきっかけになることを願っています」
水俣病は高度経済成長の下、新日本窒素肥料(現・チッソ)がプラスチックの原料の製造過程ででたメチル水銀を不知火(しらぬい)海に流し、そこで取れた魚を人間が口にしたことで運動や感覚の神経障害が起きました。
映画で描かれた時代の後も、アイリーンさんと患者さんとの交流は続きました。同時に、原発再稼働反対や原発ゼロの活動に力を入れています。水俣のたたかいの勝利は福島へのメッセージでもあり、汚染水への警告でもあります。”薄めれば大丈夫”という発想は、当時の水俣被害を拡大させました」
水俣も福島も環境問題も、根本には今の時代だけが富み、後は地球や子孫がどうなってもかまわないという人と人、そして人と地球環境とのゆがんだ関係があるとうアイリーンさん。そのことは緊急課題になっている気候危機に直結します。「CO2削減に最も効果的な省エネと合わせて、地域の農業や産業などと一体にエネルギー効率アップに取り組むべきです」
アイリーンさんはこのように話します。「省エネは”寒い””がまん”というイメージがありますが、実はうまく活用すれば豊かさとつながります。お金が地域に残り、農業の応援にもなり、雇用創出にもなる。地域がどんどん潤う温暖化対策プランを進めることが大切だと思います」