2021年11月30日(火)(憲法千話)憲法便り#5840:「川崎駅前読書会」でヘイトとたたかう木村夏樹さん(53歳)の談話を紹介します!
2021年11月29日(月)付『しんぶん赤旗』日刊紙第17面を引用しました。
【記事の全文】
数人が並んで読書しているのは、通行人が行き交う週末の川崎駅前です。
実はこれ、レイシスト(差別主義者)を監視する行動です。
始めた理由を、「文化でヘイトとたたかいたかった」と話します。ヒトラーが1930年代に自分たちに都合の悪い本を燃やした焚書が、「印象に残っていた」といいます。
読書が好きで、差別を許さない思いを持つ人は誰でも参加できるようにと読書会にしました。
昨年12月27日から始めて、今夏には50回を超えました。「それ以降は回数がわからなくなった」と笑います。
4月にヘイト街宣の場所を移動させ、8月には場所を縮小させました。「レイシストが弱ってきている」と効果を感じています。
ヘイトに対するカウンター(抗議)に参加し始めたのは2013年。きっかけは買い物で訪れた東京・新大久保でヘイト街宣を目撃し、衝撃を受けたことです。
川崎市は19年12月、ヘイトスピーチに対する罰則を含む条例を全国で初めて制定。しかし、同条例で取り締まった事例はありません。「条例でちゃんと取り締まってほしい。そうすれば、読書会をやる必要もなくなります」
普段は会社員。W・B・イエーツの詩や、アーレントなどの古典をよく読みます。「『人間とはなにか』が知りたい」
(文・写真 津久井佑希 記者)