2022年2月27日(日)(憲法千話)
憲法便り#6179:人間の能力で、最後まで機能するのは「聴力」であるということをご存知ですか!
2月23日午前、甥から姉が心肺機能停止の危篤状態に陥ったとの電話連絡を受けた。
昼食後、直ちに家を出て、高田馬場駅から山手線で、駒込に住む姉の自宅に向かった。わたしは女4人、男2人の6人兄弟だが、一番上の姉、二番目の姉、兄はすでにこの世を去っており、下の3人だけが顕在だった。
姉とは、この連絡を受ける数日前にも電話で話をしており、まさに青天の霹靂だった。
姉の家に着くと、日常的に介護している二人の甥と、電話連絡を受けて駆けつけた姪がいた。
わたしは覚悟を決めて姉の部屋に入ったが、訪問診療を受け、点滴による栄養補給と血圧を上げる措置を受けた結果、多少持ち直したとのことであった。
甥たちに、だめもとと思いながらも「お母さんに声をかけてもいいかな!」と聞くと、「お願いします」と答えた。
わたしは、耳元で「純子姉さん、弟の行雄です。お見舞いに来ました。分かりますか?」と問いかけた。
すると驚いたことに「ありがとう」と答えた。
(以下の会話は、姉が目を閉じていて、横になったまま続けたものです。)
続けてわたしが「いい息子たちで、良かったね」と言うと、
「本当に良い息子たちで、感謝してます」と答えた。
これを聞いて、甥たちはびっくりした。話ができるとは思っていなかったからである。
わたしが、姉に「あまり長く話をして疲れるといけないから帰ります。いま何か食べたいものはありますか?」と聞くと、「ありません」と答えた。「食べられるようになったら、好きなものを買ってきますから楽しみしていて下さい。」
「僕は、いまから、みんなが手をかけないで食べられるものを、(姪)のMちゃんと買い物に行って、そのまま帰ります」と伝えると、「いろいろとありがとうございます。登美子さんに宜しく伝えて下さい」と答えた。
会話は、完璧であった。
これ以降、何回か甥と電話で話をしたが、姉は小康を保っている。