2022年4月4日(月)(憲法千話)
憲法便り#6241:札幌地裁(広瀬孝裁判長)が3月25日、安倍晋三首相(当時)が2019年の参院選の街頭演説中に、「安倍辞めろ」「増税反対」のヤジを飛ばした男女2人を排除したことは「表現の自由侵害」と断罪する歴史的判決!
2022年4月3日(日)付「しんぶん赤旗』日曜版第35面を引用しました!
札幌地裁の判決を喜ぶ原告の桃井希生さん26歳の談話
すごくうれしいです。おかしいことに、「おかしい」と声を上げる権利を裁判所が認めたからです。政府の悪政に抗議の声を上げようと思っているすべての人を守る判決です。
あの日、「増税反対」と私が叫ぶと、すぐ複数の警察官が両脇を抱え、演説会場から排除しました。
私が歩きだすと、警察官は行く手をふさぐように立ちはだかり、話もまともに取り合ってくれませんでした。「なんか飲む?」「飲み物、ジンジャーエールですか?」と聞いてくるなど、人をバカにした態度をとり続けました。私がレンタルビデオ店に入ると、そこまで警察官は付きまとい、恐怖を感じました。付きまといは、タクシーに乗り込むまで長時間に及びました。
排除されたのはヤジを飛ばした人だけではありません。プラカードを掲げていただけの人も排除されました。このままでは表現の自由がなくなる社会になる、と訴訟を起こしました。
裁判では不安になることもありました。そんな時、排除された現場で心配そうに見ていた年配の女性が、裁判の傍聴に訪れ、励ましてくれました。「新聞を見たよ、応援してる」と言ってくれる人もいました。そんな応援があり、2年間たたかうことができました。
判決後、オンラインイベントを開き、弁護士や学者などの参加者と乾杯しました。私はもちろんジンジャーエールです。解放感の味がしました。
権力を相手に社会運動が実を結ぶことは決して簡単なことではありません。それでも声を上げれば社会は変わると信じています。私は民主主義社会の中で声を上げ続けたいと思います。