2022年5月1日(日)(憲法千話)
憲法便り#6519:地球は広く 女性はたくましく! 迫害に抗して!ポーランドにて! 大石芳野さんの文と写真を紹介します!
2022年5月1日(日)/5月8日(日)付『しんぶん赤旗』日曜版合併号第38面を引用しました!
ポーランドがナチス軍に侵攻されたのは1939年、そこから第2次世界大戦が始まった。エルナさんは美術学校の生徒だったがユダヤ人の強制移住が始まり、居住地(ゲットー)に入れられた。ユダヤ人虐殺の情報を知り、両親とともに何とか逃げ出した。ワルシャワへのむごい空爆や攻撃のなかを逃げ隠れしていたが、両親はお金を持っていると思われて殺された。
戦後、1968年からのユダヤ人排斥運動で大勢のユダヤ人がポーランドを去った。だが、エルドさんは「私の祖国はポーランドだと思いとどまりました。でも苦しくつらかった」と声を落とした。苦難続きだったが、戦後も画家として活躍している。ユダヤ人の夫は文学者で、息子と孫に恵まれた。
ドイツとソ連の緩衝地帯となったポーランド。ナチスによる大量虐殺の場となった絶滅収容所は少なくとも6カ所。強制収容所は8カ所。労働収容所などの施設はその何倍も置かれ、地図に点を付けると黒くなるほど多い。その最大のものはアウシュビッツ・ビルケナウ。
ゲノベファさんは、そこに投獄された。同じ収容所でポーランド人のヤンさんと恋に落ちて妊娠し、ドイツ人カポ(囚人の監督者)に取り入り無事に息子を出産できた。当時としてはまれなケースだったと言う。
戦後はドイツでなく、旧ソ連に厳しく掌握されていたポーランドだけに、このたびのロシア軍のウクライナ侵略について同地の友人に尋ねると「人ごとではない」と返ってきた。大勢の難民受け入れも歴史的な思いからだろう。(おおいし・よしの)