2022年5月24日(火)(憲法千話)
憲法便り#6573:憲法便り#6573:バイデン大統領台湾有事に軍事的関与の考え示す問題発言!ホワイトハウスは、政策に変更なし、台湾は歓迎、中国は反発!
バイデン大統領が日米首脳会談の後の記者会見で、中国が武力で台湾統一を図ろうとした場合に、アメリカは従来、台湾をめぐり、中国が軍事力を駆使して台湾統一を図ろうとした際の対応をあらかじめ明確にしないことで、中国の行動を抑止する「あいまい戦略」とも呼ばれる、戦略をとってきたが、バイデン大統領の発言はこの戦略から踏み込んだものだという受け止めが広がっている。
23日午後に東京・港区の迎賓館で、日米首脳会談の後に行った共同記者会見で、台湾有事の際の対応を記者から問われ、「台湾についての政策は全く変わっていない。台湾海峡をめぐる平和と安定を支持し、現状が一方的に変更されることがないよう取り組み続ける」と述べた。その一方で、記者から、台湾防衛のために軍事的に関与する用意があるかと改めて問われ、「ある。それがわれわれの決意だ」と答えた。
その上で、「われわれは『1つの中国政策』に同意しているが、力によって奪い取れるという考えは全く適切ではない。地域全体を不安定なものにし、ウクライナで起きたことと同じような状況になる」と述べ、台湾防衛のために軍事的に関与する考えを示した。 バイデン大統領の発言を受けてホワイトハウスは声明を出し、「アメリカの政策は変わっていない」と強調した。
台湾外交部「米大統領とホワイトハウスに歓迎と感謝」
バイデン大統領の発言とホワイトハウスの声明をうけて、台湾外交部はコメントを発表した。
この中では、「バイデン大統領とアメリカ政府から台湾に対する確約が改めて言明されたことに、心からの歓迎と感謝を表す。台湾は引き続き、自衛力を高め、アメリカや日本など理念の近い国々との協力を深化させることによって、台湾海峡の安全およびルールに基づく国際秩序を守り抜く」としています。
中国外務省「強烈な不満と断固とした反対を表明する」
バイデン大統領の台湾をめぐる発言について、中国外務省の汪文斌報道官は23日の記者会見で、「台湾は中国の領土の不可分の一部で中国の内政だ。いかなる外部勢力の干渉も許さない。強烈な不満と断固とした反対を表明する」と述べ、強く反発した。
また、日米首脳会談後の共同記者会見で、中国を名指しながら、東シナ海や南シナ海での力を背景とした現状変更の試みに強く反対するなどと発表したことについて「われわれは、日米がこうした問題を騒ぎ立てて中国のイメージを傷つけ、内政に干渉することに断固反対する」と述べた。