2022年6月26日(日)付(憲法千話)憲法便り#6611:【憲法9条、今こそ】弁護士・石田法子(いしだ・のりこ)さんの談話、「立ち止まって考えよう」を紹介します!
2022年6月26日(日)付『しんぶん赤旗』日刊紙第3面の【憲法9条、今こそ】を引用しました!
いしだ・のりこ 1948年大阪府生まれ。
京都大学卒。 1976年弁護士登録。
弁護士石田法子さんの談話立ち止まって考えよう
古いとか、時代に合っていないとか、散々言われている憲法ですが、これがあるから今まで戦争せんでもすんだんやという一番大事なことを、多くの人が忘れてしまっているんじゃないでしょうか。私は憲法と同い年ですけど、この年まで戦争と無縁で生きてきました。これは本当にすごいことで、あそこは戦争をしない国だと評価されるのも9条があるからこそです。
不安だからと(中見出し)
国内でいま、軍事費を倍額にとか核を共有するんだとか、どんどん悪い方向に議論がすすんでいます。北朝鮮や中国とのこともあって、不安に思う気持ちは分かります。毎日毎日忙しく仕事をしている人は、じっくり考える暇がないのもよく分かります。でも、いったん冷静に「1分でもいいから、立ち止まって考えようよ」と言いたいです。不安だから軍事費を増やして、憲法も「改正」してすすんだ先に、結局、自分たちもたたかいに行かなくてはならない道があるということまで考えてみてほしいと思います。
自衛隊の明記についても、自衛隊は現実に存在しているものだし、まあ明記くらいはいいかと一歩譲歩したらどうなるか。今の災害救助の自衛隊から、憲法に認められて「敵基地攻撃能力」を持つ自衛隊に変わってしまいます。「敵基地攻撃能力」なんてえらいストレートな言葉を使ったなあと思っていたら、いつの間にか「反撃能力」になっていました。こういう見かけの言葉に騙(さま)されないことも大切です
もしかしたら、憲法は国の中で一番偉い法律やくらいの感覚の人もいるかもしれませんが、法律は私たちを縛るものです。憲法は逆に、国を縛るものです。私たちの権利と自由を守るたちに憲法はあります。だからこそ、簡単に手放したり、「改正」してはいけないものなんです。
1票が決める(中見出し)
一人ひとりが自分にかかわる問題なんだと受け止めて、自分の1票がこの国の方向を決めるんだと思って投票してくれたら、なんぼか世の中変わると思います。自分じゃなくても、例えば隣の家の子が戦争に行って死ぬのも、私は絶対に嫌ですよ。まずは戦争にならないための努力をやりきってから、全てはそれからの話なんじゃないでしょうか。
(聞き手・窪田聡記者)