2022年12月26日(月)(憲法千話)
憲法便り#6839:「かつてそこは子どもたちの楽園でした」で始まる、『パールハーバーの目撃者』という著作についての、2022年12月8日(木)付『しんぶん赤旗』日曜版第一面掲載の「潮流」の記事を紹介します!
かつてそこは子どもたちの楽園でした。
南国の花々が咲き乱れ、色とりどりの鳥がさえずり、海がひろがる。学校から帰ると大草原のように続く裏庭を駆け回る。▼ハワイ・真珠湾の真ん中に浮かぶフォード島。米艦隊の拠点として滑走路が大部分を占め、周りに軍艦がずらりと並ぶ島には海軍や海兵隊員の家族が住んでいました▼1941年12月7日(日本時間8日)。日曜の朝に突然鳴り響いた爆発音は平和な日常を一瞬にして変えてしまいました。「翼に赤い丸が描かれた飛行機が頭上に」。泣き叫ぶ赤ん坊、逃げる子、半狂乱の母、パジャマのまま出撃していった父▼次つぎと炎に包まれる艦船から燃え盛る油の海に飛び込む兵士たち。太平洋戦争の始まりを体験した家族の証言をまとめた『パールハーバーの目撃者』は、日本軍の奇襲を受けた一日さまざまと伝えています▼敵基地への先制攻撃。それは日本にとっての破滅への第一歩でした。ところが、今につながる過去を忘れ、自民、公明の両党を保有することで合意しました。みずから仕掛け、国の内外に未曾有の惨禍をもたらした戦争。その反省の上に立った戦後日本の安保政策をひっくり返し、岸田政権は大軍拡に走り出しました▼長崎で長くつとめ、先の本の翻訳者でもある山本みづほさんは、あとがきでこんなことを。「沖縄、ヒロシマ・ナガサキ、そしてパール・ハーバー。もう一度考えてみなければならないと、強く、強く、思うのです―」
【岩田からのひと言:真珠湾に行ったことはないが、沖縄、広島、長崎には行ったことがある。このうち、広島、沖縄では憲法講演を行ったことがあるので、山本みづほさんの言葉には共感するところが多い。この本を読んでみたくなった】