人気ブログランキング | 話題のタグを見る

岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

kenpouq.exblog.jp
ブログトップ
2022年 12月 30日

憲法便り#6844:大陸を超えた共同を提案、反核と反原発は国是、欧州左翼党大会での発言;緒方副委員長に聞く第4回を紹介します!

緒方副委員長に聞く第4回

2022年12月30日(金)(憲法千話)

憲法便り#6844:大陸を超えた共同を提案、反核と反原発は国是、欧州左翼党大会での発言;緒方副委員長に聞く第4回を紹介します!

2022年12月28日(水)付『しんぶん赤旗』日刊紙第4面を引用しました。

憲法便り#6844:大陸を超えた共同を提案、反核と反原発は国是、欧州左翼党大会での発言;緒方副委員長に聞く第4回を紹介します!_c0295254_09171983.jpg

 ベルギー労働党が国会で初議席を獲得したのは2014年のことでした。19年総選挙で10議席増の12議席(下院=定数150)と躍進し、欧州議会にも議席を持っています。

 ペーター・メルタン書記長は会談の冒頭、「発達した資本主義国で活動する日本共産党と多くの共通点がある。私たちにも相互に学び合うことを基礎に日本共産党との関係確立を喜び、あなた方の経験を学びたい」と述べました。

 08年に毛沢東流の教条主義とは絶縁し、その後14年間、原則的で確固とした党であるとともに、柔軟で実践的な党であることを二つの核心として改革を進めたと説明。「以来、前進のみです」と左手で上昇を描いて見せました。あらゆる問題について何を望み、どう感じているのか、どのように働きかけたらよいのか、草の根の活動とともに議員がどう活動するか絶えず検討してきたといいます。

 欧州の心臓部にあるベルギーは、単独では社会主義を実現できない、展望は大陸的であり、欧州の現実を重視している、また、ウクライナ戦争の平和的な解決の模索は、欧州の自主化のたたかいでもあると語りました。

 党本部の1フロアはまるまる宣伝部門に充てられ、短い動画の活用などSNSの戦略的重視は、オランダ社会党と似ていました。また、「レッドフォックス」という名の中高生対象の青年同盟と「KOMAS」という名の青年同盟の事務所も党本部内に置かれ、放課後に立ち寄った生徒が、ポスターやイラストを楽しそうに作成していました。その一人は、「作品を党が使ってくれるのがうれしい」と言っていました。

反核と反原発は国是

 訪問国の中で唯一中立国のオーストリアで、オーストリア共産党全国指導部のカテリーナ・アナスタシア氏に「現在の右寄りの政府とたたかっていると思うが、核兵器廃絶や反原発での政府の役割をどう評価しているのか」と率直に聞きました。彼女は、「核兵器廃絶や核兵器禁止条約に関して政府は積極的な役割を果たし、原発反対を維持している。それは社会の大きな賛同を得ている」と述べました。

 外務省軍縮局長のクメント大使と会った際に、「なぜオーストリアは、核兵器廃絶などグローバルな課題に貢献できるのか」と聞きました。大使は、「わが国は1955年以来、憲法で永世中立を規定している。ソ連と北大西洋条約機構(NATO)に挟まれたオーストリアの経験は、多くの核兵器を保有する隣国を持つ小国というもので、転倒的に、国際法、多国間条約、多国間機関とリンクした強力なオーストリア外交があった」と語り、外交・安保政策がつねに国際的な対話、軍縮とリンクしてきた歴史的背景を説明しました。

 オーストリア共産党のワルター・バイヤー元議長は、党の困難な歴史について、「60年代に党は、後にユーロコミュニズムと呼ばれる路線を他党に先駆けて採用した。ソ連のチェコスロバキア侵攻(68年)を批判した後、東ドイツとソ連が介入し、改革路線を支持した多数の知識人、青年が離党して、党は大打撃を受けた」と語りました。ソ連の覇権主義の害悪に改めて感じ入りました。

欧州左翼党大会での発言

次に、欧州左翼党の第7回大会への参加ですが、大会は12月9~11日にオーストリアのウィーンで開かれ、田川国際委員会事務局長、吉本博美「しんぶん赤旗」欧州駐在記者とともにゲストとして参加しました。

 欧州左翼党は2004年に結成され、23カ国から25党が加盟し、12党がオブザーバーとなっている欧州規模の左翼・進歩政党です。

 私の発言では、先の欧州訪問で実感した学び合いの精神や連帯感を述べた上で、5点の共通課題の中で、特にアジア政党国際会議総会での経験を踏まえて、私たちの党の立場について「危機に乗じて軍事ブロックを強化するあらゆる試みに反対します。仮想的に軍事で対抗し排除していくのではなく、包摂していくことが重要です」と強調しました。

 そして、軍事ブロック強化と軍事費増大に反対する課題で、欧州左翼党と日本共産党との間での共同を提案しました。

 この提案について、バイアー次期議長に率直に話しました。ユーラシア大陸の東と西で、軍事ブロック強化と軍事費増大という類似した情勢が展開しており、それへの反対を共同で進めたいと。すると、バイアー氏は、それは”トランス・コンチネンタル(それぞれの大陸を超えて)の共同だ”と言い換えながら、全面的に賛成すると述べました。

 バイヤー氏は、閉会を兼ねた就任演説で、世界と欧州にとっての脅威は軍拡、特に核軍拡競争だ。軍拡は暮らし、環境を破壊する。有害な軍事費増大のストップ、削減をと訴えました。欧州の安全は、NATOでは決して作れないと軍事ブロックの有害性を強調し、欧州の平和のための貢献となる核兵器禁止条約を批准し平和の道を築こうと呼びかけました。(第4回の入力作業完了)(午前9時五分)

*第5回へ続く。



by kenpou-dayori | 2022-12-30 09:19 | 裁判における憲法判断


<< 憲法便り#6845:欧州との連...      憲法便り#6843:ジェンダー... >>