2022年12月30日(金)(憲法千話)
憲法便り#6845:欧州との連帯で新境地を、「雇用のヨーコ」大ブーム、アジアと欧州が見える;緒方副委員長に聞く第5回を紹介します!
2022年12月29日(木)付『しんぶん赤旗』日刊紙第5面を引用しました。
欧州左翼党の大会終了直後、私はバイヤー氏に議長就任のお祝いとお礼を述べました。彼は、「就任演説で、軍事ブロック反対、軍事費増大反対を強調しました。また欧州中心主義を排して、世界との連帯を進めようと述べたのは、日本を含めてです」と、双方の共同を強めたいと語りました。
私が「それは国際平和のためとなる」と述べると、彼は「こうしたたたかいを通じて世界の平和秩序、国連憲章に基づく秩序を回復し、強化するためにともに力を合わせましょう」と話を締め、波長の合うテンポのよい対話となりました。
大会で採択された政治文書には、「より公正で平和な世界は軍事同盟ではなく、政治的な合意で築かれるべきだ」「欧州のあらゆる国での劇的な軍事費増大をストップしよう」「欧州連合(EU)は核兵器禁止条約を批准すべきである」と明記されました。
帰国後、バイヤー議長から届いた手紙には、” 欧州左翼党は日本共産党と連帯の精神で結ばれており、関係発展のために全力をつくしたい”と書かれていました。誠実に合意を進めたいとの思いを新たにしました。今後、欧州左翼党や各国の参加政党との共同、トランスフォーム欧州との研究分野での協力を進めることになりました。
大会では、フィンランド左翼同盟のハグランド書記長が、正式加盟からオブザーバーに資格を変更すると発言しました。左翼同盟が連立を組む政権の北大西洋条約機構(NATO)加盟申請に党の賛否が分かれ、反対を打ち出せなかったためでした。
参加者は、「正直に話したい」と訴える彼女の苦悩を理解し、「見通せる将来にNATOの外に出たい」「欧州左翼と共にありたい」と結ぶと連帯の拍手がおきました。
この出来事は、NATO加盟は、欧州左翼党の一員とは両立しないことを示しました。
「雇用のヨーコ」大ブーム
大会への参加は300人規模でした。同じホテルで食住を共にし、合宿同様です。私たちは、多くの党と活発に交流しました。
ギリシャの急進左派連合(シリザ)との会談には、ポウンナス国会議員・影の内閣外相、カトロウガロス国会議員・元外相ら5人が出席。ポウンナス氏は大会発言の冒頭で、「6年間の野党の時期を経て、次の総選挙では勝利して政権に復帰する」と宣言しました。
国内情勢と地域の情勢を話し合い、互いの対外政策に共通性があることを確認。シリザとの会合は私にとっては、キューバのフィデル・カストロ元議長の葬儀の際、当時首相のチブラス氏と話して以来6年ぶりでした。ズームなどによる気軽な意見交換をもっと頻繁に、と約束しました。
スペイン共産党を中心とする政党連合「統一左翼」のシラ・レゴ欧州議会議員との会談は、党勢、国内情勢、米軍事基地問題、対外関係と多岐にわたりました。社会労働党との連立政権に参加しているもとで、軍事費は増加したが、かなり抑えた。われわれの圧力の結果だ」と自負していましたが、与党の苦労が察しされました。
フェミニズムについて聞くと、レゴ氏は「よくぞ聞いていただいた」と前置きし、経過、現状を述べたうえで、「単なる権利の発展・拡大の提案だけではなく、現状に代わる全体的な対案の社会を示す提起となっている」と語りました。
レゴ氏は、「最近、とてもいいキャンペーン・ビデオを見た」といってスマホを取り出し、私たちの党の公式キャラクター「雇用のヨーコ」の動画を示しました。「どこで知ったの」と聞くと、「モンテロ平等相のコーディネーターが見つけて教えてくれた、大きな話題になっている」と語ってくれました。
「雇用のヨーコ」は、欧州大きなブームになっていました。
参加政党の友人から口々に「この動画はすごい。傑作だ」との声。誰が作製したのか、次作の予定は、党の宣伝戦略での位置付けは、など矢継ぎ早の質問に、「能力を超えている」と、担当者との直接対話を勧めました。「交流は動画から始めよう」とのズーム会談の申し入れもありました。
アジアと欧州が見える
日本共産党は24年前に「相手が保守であれ革新であれ、与党であれ野党であれ、交流の意思がある政党、政府とは大いに交流を行い、一致点で協力する」という基本原則を定め、それに基づく野党外交は党の視野を広げ、世界の見方を深めてきました。
イスタンブールで開かれたアジア政党国際会議と、ウイーンでの欧州左翼党大会という二つの会議を通じて、私たちはアジアと欧州がよく見える位置にと気づかされました。確かに、アジアに属していますが、発達した資本主義国として欧州の諸党と同じ家族です。世界で起きている逆流に抗して、平和と進歩のために両大陸が連携する上で、日本共産党にはしかるべき役割と責任があります。欧州左翼との協力強化は、党の社会変革の事業に直結する、格別に重要で親近感のもてる事業です。野党外交は新しい境地を開いており、これを端緒に今後の発展を期したいと思います。
(全5回入力作業完了)(2022年12月31日午前5時50分)