2022年 12月 31日
2022年12月31日(土)(憲法千話) 憲法便り#6847:『しんぶん赤旗』へ、次の三つの投稿をしました。残念ながら、掲載されませんでしたので、せっかくなので、投稿文とその元となった文章を『憲法便り』で公表しておきます!
〔読者の広場〕御中(投稿①) 日本共産党の小池晃書記長は23日、「戦後最悪の大軍拡予算に断固反対する―2023年度政府予算案について」と題し、6項目の談話を発表しましたが、その全文が24日(土)付けの『しんぶん赤旗』日刊紙第2面に掲載された。この全文を読んでみると、いわゆる「安保3文書」について、問題点を網羅し、岸田政権に対する鋭い、全面的な批判を展開している。「安保3文書」については大まかには分かっていたつもりでいたが、その内容は詳細で、知らないことが数多く解明されていた。 2項目の結びでは「しかも、数年後からは復興特別所得税まで軍事費に流用し、国民に軍拡増税を押し付けることも予定されている。『軍事栄えて民滅ぶ』予算にほかならない。」と述べている。ひとりでも多くの人たちに知らせたいと思い、早速この全文の文字起こしをして、ブログに掲載させていただいた。 あまりにもひどい政治状況、社会状況にいささか滅入りそうになっていた。だが、6項目で闘いの展望を述べている部分を読んだおかげで、息を吹き返し、元気を取り戻すことができた。この声明文に全面的に賛成! +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 2022年12月24日(土)(憲法千話) 憲法便り#6835:戦後最悪の大軍拡予算に断固反対する―2023年度政府予算について;日本共産党小池晃書記長の六項目の談話全文を紹介します! 2022年12月24日(土)付『しんぶん赤旗』日刊紙第2面を引用! 日本共産党の小池晃書記長は23日、2023年度政府予算案について、次の談話を発表しました。 一、本日、岸田内閣が決定した2023年度政府予算案は、「戦後の安全保障費の大転換」を掲げて、「専守防衛」を完全にかなぐり捨てることを宣言した「安保3文書」にもとづいて、5年間で43兆円という大軍拡を進める「戦争国家づくり元年予算」というべきものとなった。 軍事費は、再来年度以降の軍事費に充てる「防衛力強化資金」(仮称)」」への繰り入れを含めて前年度4・8兆円増の10・2兆円に膨れ上がった。歳出総額114兆円の9%、歳出増加額7兆円の7割が軍事関係予算に充てられるという異常な軍拡予算となり、そのために暮らしの予算が犠牲にされている。まさに、憲法と平和、暮らしを破壊する、戦後最悪の予算案にほかならない。 一、予算案は「安保3文書」が明記した敵基地攻撃能力の保有を具体化する項目が目白押しとなっている。イラク戦争で米軍が先制攻撃に使用した長距離巡航みさいる「トマホーク」の購入、国産12式地対艦誘導弾を長距離化するための開発と量産、高速滑空弾研究・量産、極超音速誘導弾の開発、トマホーク以外の外国製ミサイルの取得などである。「3蚕文書」では日本が攻撃されていない米国の戦争でも、自衛隊がこれらの兵器で相手国に攻め込むことが可能とされていれており、そうなれば甚大な報復攻撃を受けて日本の国土が焦土と化すことになる。 一、軍事費は「防衛力強化資金」への繰り入れ分を除いても6・8兆円で、対国内総生産(GDP)比で1・2%となった。政府は、これまで60年以上にわたって、軍事費を少なくとも当初予算では「GDP)比で1%以内」にとどめてきたが、これを公然と踏みにじるものである。さらに、「軍事費は建設国債の対象としない」というこれまでの政府方針を変更して、自衛隊の艦船整備に建設国債を充てるなど、侵略戦争への反省の上に立って築かれた財政のルールを投げ捨て、なりふり構わず軍拡財源を確保しようとする予算となっている。 一、軍拡のために、暮らしの予算は軒並み削減された。社会保償費は医療費の削減と負担増、雇用対策費の削減によって1500億円も圧縮され、年金給付は実質削減となった。中小企業予算、農業予算も連続の削減となった。軍事費の倍増ばかりが優先され、岸田首相が掲げた「子育て予算倍増」は、まったく看板倒れとなった。国立病院などの積立金や、コロナ対策資金の一部まで、「防衛力強化資金」に充当された。物価高騰が国民を苦しめている最中に、暮らしの予算を削って軍事費につぎ込むという、血も涙もない悪政である。しかも、数年後からは復興特別所得税まで軍事費に流用し、国民に軍拡増税を押し付けることも予定されている。「軍事栄えて民滅ぶ」予算にほかならない。 一、物価高騰やコロナ危機への対応は全く不十分なうえ、国会にはからず政府が勝手に使用できる予備費5兆円を計上するという財政民主主義に反する手法が今回も繰り返されている。岸田首相が掲げる「新しい資本主義」の正体もますます明らかとなった。富裕層優遇の象徴ともいえる「1億円の壁」の是正はまったく名ばかりのものとなった。「GX(グリーントラストフォーメーション)経済移行債」を1・6兆円発行するとしているが、原発維持を目的とした「次世代革新炉」などへの投資も予定されており、環境対策の名に値しないものである。 一、いま日本が取り組みべきことは、大軍拡と戦争準備ではなく、憲法九条を生かした平和の外交戦略を進めることである。日本共産党は、23年度予算案に断固反対し、平和と暮らしを守る予算への抜本的な組み替えを求めて、たたかうものである。 【岩田からの一言:あまりにもひどい政治状況、社会状況にいささか滅入りそうになっていた。だが、問題を網羅し、岸田政権に対する全面的な批判の展開、闘いの展望を述べた小池書記局長の談話を読み、息を吹き返すことができた。この声明文に全面的に賛成!】 ********************************************* 〔読者の広場〕御中(投稿②) 12月8日(木)付『しんぶん赤旗』第一面掲載の「潮流」に「かつてそこは子どもたちの楽園でした」で始まる『パールハーバーの目撃者』という著作の紹介があった。 「かつてそこは子どもたちの楽園でした。南国の花々が咲き乱れ、色とりどりの鳥がさえずり、海がひろがる。学校から帰ると大草原のように続く裏庭を駆け回る。▼ハワイ・真珠湾の真ん中に浮かぶフォード島。米艦隊の拠点として滑走路が大部分を占め、周りに軍艦がずらりと並ぶ島には海軍や海兵隊員の家族が住んでいました▼1941年12月7日(日本時間8日)。日曜の朝に突然鳴り響いた爆発音は平和な日常を一瞬にして変えてしまいました。「翼に赤い丸が描かれた飛行機が頭上に」。泣き叫ぶ赤ん坊、逃げる子、半狂乱の母、パジャマのまま出撃していった父▼次つぎと炎に包まれる艦船から燃え盛る油の海に飛び込む兵士たち。(以下、岸田政権批判の部分は、略) 米はそれまで中立国の立場を貫き、独伊と英仏への和解調停を行う姿勢も見せ、公使を派遣したこともあったが、日本の奇襲攻撃により英仏連合軍に加担した。 日独伊三国同盟、枢軸国体制の完成は、日本の壊滅的敗北への道の始まりであった。日本の政治家たちは歴史の過ちを繰り返してはならない。 ++++++++++++++++++++++ 2022年12月26日(月)(憲法千話) 憲法便り#6839:「かつてそこは子どもたちの楽園でした」で始まる、『パールハーバーの目撃者』という著作についての、2022年12月8日(木)付『しんぶん赤旗』日曜版第一面掲載の「潮流」の記事を紹介します! かつてそこは子どもたちの楽園でした。 南国の花々が咲き乱れ、色とりどりの鳥がさえずり、海がひろがる。学校から帰ると大草原のように続く裏庭を駆け回る。▼ハワイ・真珠湾の真ん中に浮かぶフォード島。米艦隊の拠点として滑走路が大部分を占め、周りに軍艦がずらりと並ぶ島には海軍や海兵隊員の家族が住んでいました▼1941年12月7日(日本時間8日)。日曜の朝に突然鳴り響いた爆発音は平和な日常を一瞬にして変えてしまいました。「翼に赤い丸が描かれた飛行機が頭上に」。泣き叫ぶ赤ん坊、逃げる子、半狂乱の母、パジャマのまま出撃していった父▼次つぎと炎に包まれる艦船から燃え盛る油の海に飛び込む兵士たち。太平洋戦争の始まりを体験した家族の証言をまとめた『パールハーバーの目撃者』は、日本軍の奇襲を受けた一日さまざまと伝えています▼敵基地への先制攻撃。それは日本にとっての破滅への第一歩でした。ところが、今につながる過去を忘れ、自民、公明の両党を保有することで合意しました。みずから仕掛け、国の内外に未曾有の惨禍をもたらした戦争。その反省の上に立った戦後日本の安保政策をひっくり返し、岸田政権は大軍拡に走り出しました▼長崎で長くつとめ、先の本の翻訳者でもある山本みづほさんは、あとがきでこんなことを。「沖縄、ヒロシマ・ナガサキ、そしてパール・ハーバー。もう一度考えてみなければならないと、強く、強く、思うのです―」 【岩田からのひと言:真珠湾に行ったことはないが、沖縄、広島、長崎には行ったことがある。このうち、広島、沖縄では憲法講演を行ったことがあるので、山本みづほさんの言葉には共感するところが多い。この本を読んでみたくなった】 **********************************************
〔読者の広場〕御中(投稿③)
12月24日(土)付『しんぶん赤旗』日刊紙第3面に、軍事ジャーナリスト前田哲男さんの談話「国民議論なく火事場泥棒」が掲載されていた。 「安保3文書を読み、「たたかひは創造の父、文化の母である」という言葉が脳裏に浮かびました。1934年当時に当時の陸軍省が発行したパンフレット「国防の本義と其強化の提供」の書き出しです。パンフは「国防」を至上命令とし、統制経済を主張し、ファシズムの台頭につながりました。安保3文書もあらゆる分野で軍事動員をはかるという点で酷似しています。 安保3文書をめぐる議論は順序が逆立ちしています。本来はまず3文書を国民に提示し、世論の動向を見ながら国会で論議し、「専守防衛」に照らして個別兵器の導入を検討すべきです。しかし、今回の3文書は憲法との整合性も図らないまま敵基地攻撃の保有を決めるなど兵器の購入ありきです。ロシアによるウクライナ侵略や中国脅威を逆手に取り、閣議決定だけで決めるのは、火事場泥棒と言わざるを得ません。」(以下、略) 一方、ドイツでは、ヒットラーの著作『我が闘争』(全二巻)(第一巻一九二五年、第二巻一九二六年)が刊行されてナチズムが台頭している。 ++++++++++++++++++++++++++++++ 2022年12月24日(土)(憲法千話) 憲法便り#6837:軍事ジャーナリスト前田哲男さんの談話;「安保3文書の危険;対米従属下の国家総動員体制」の全文を紹介します! 2022年12月24日(土)付『しんぶん赤旗』日刊紙第3面を引用しました。 【見出し】軍事ジャーナリスト前田哲男さんの談話;「国民議論なく火事場泥棒」 【本文】安保3文書を読み、「たたかひは創造の父、文化の母である」という言葉が脳裏に浮かびました。1934年当時に当時の陸軍省が発行したパンフレット「国防の本義と其強化の提供」の書き出しです。パンフは「国防」を至上命令とし、統制経済を主張し、ファシズムの台頭につながりました。安保3文書もあらゆる分野で軍事動員をはかるという点で酷似しています。 あんぽ3文書をめぐる議論は順序が逆立ちしています。本来はまず3文書を国民に提示し、世論の動向を見ながら国会で論議し、「専守防衛」に照らして個別兵器の導入を検討すべきです。しかし、今回の3文書は憲法との整合性も図らないまま敵基地攻撃の保有を決めるなど兵器の購入ありきです。ロシアによるウクライナ侵略や中国脅威を逆手に取り、閣議決定だけで決めるのは、火事場泥棒と言わざるを得ません。 国家安保戦略は「専守防衛の感え方を変更しない」と言及しますが、全く説得力はありません。12式地対鑑ミサイルは、間違いなく憲法が禁じる「攻撃的兵器」です。ましてトマホークは「中距離ミサイル」に分類されるもので「専守防衛」の逸脱は明らかです。 安保3文書は、抑止力一辺倒の立場に立っています。「抑止力強化」のために軍拡すれば、必ず軍拡競争を引き起こします。中国の軍事的動向を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と位置付け、これまで以上に敵視していることも重大です。 安保3文書が行きつくさきは何か。冒頭の陸軍省のパンフが示唆しています。パンフ発行の3年後に起ったのが日中全面戦争であり、その後、日本は破滅への道を突き進みました。そうさせないために、軍事に頼らず平和外交にかじを切るべきです。 【岩田からのコメント:「『たたかひは創造の父、文化の母である』という言葉が脳裏に浮かびました。1934年当時に当時の陸軍省が発行したパンフレット「国防の本義と其強化の提供」の書き出しです。パンフは「国防」を至上命令とし、統制経済を主張し、ファシズムの台頭につながりました」という部分は、ナチスの政策と重なります】
by kenpou-dayori
| 2022-12-31 19:52
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