2023年3月16日(木)(憲法千話)
憲法便り#6900記念号:袴田巌さんの再審開始を決定!第2次差し戻し審で13日、東京高裁(大善文明裁判長)は再審開始を認める決定をしました!
2023年3月14日(火)付『しんぶん赤旗』日刊紙第1面、第2面、第13面を引用しました!
【袴田事件とは?】
1966年に静岡県のみそ会社専務一家4人が殺害され強殺人・放火事件。従業員だった袴田巌さんは同年8月、県警に逮捕され、取り調べに“自白”しましたが、裁判では否認に転じました。静岡地裁での公判中にみそタンクで見つかった「5点の衣類」が犯行を裏付ける証拠とされ、80年に死刑が確定。2014年の第2次再審請求審で、静岡地裁は衣類が「捜査機関によってねつ造された疑いが相当程度ある」として再審開始と死刑・拘置の停止を命じ、袴田さんは釈放されました。東京高裁が地裁決定を覆して再審請求を棄却しましたが、最高裁は高裁決定を取り消し、審理を差し戻していました。
【第1面】
東京高裁が証拠ねつ造を二度目の断罪!袴田さんの再審開始決定!
57年前に起きた強盗殺人事件で死刑判決が確定した袴田巌さん(87歳)の第2次再審差し戻し審で13日、東京高裁(大善文男裁判長)は再審開始を認める決定をしました。決定は、有罪の証拠とされている工場のみそタンクから出てきた血痕付きの衣類について、「捜査機関の者による隠匿の可能性が極めて高い」と指摘。2014年の静岡地裁に続き、捜査機関の証拠ねつ造が断罪されました。(→関連13面)
争点は、事件から1年2カ月後にみそタンクから見つかったシャツやズボンなどについた血痕の色調変化でした。発見された衣類の血痕は鮮明な赤でしたが、弁護団は実験でみそ漬けの血痕が短期間で黒く変色することを実証しました。
決定は「1年以上みそ漬けにされた衣類の血痕の赤みが消失することは専門的知見によって合理的に推測できる」と認定。袴田さんが逮捕前に衣類をタンクに隠したとする確定判決に合理的な疑いを生じさせるとしました。
さらに「事件から相当期間経過した後に、袴田さん以外の第三者がタンク内に隠匿してみそ漬けにした可能性が否定できず、事実上、捜査機関の者による可能性が極めて高い」と断罪。「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」として静岡地裁の再審開始決定を支持しました。
高裁前には大勢の支援者がかけつけ、「再審決定」の旗が出ると、歓声があがりました。巌さんの姉、ひで子さん(90歳)は「57年間たたかってきた。本当にうれしい」とあいさつをしました。
弁護団事務局長の小川秀世弁護士は記者会見で「一番重要な証拠に欠陥があったことは重大だ。検察が特別抗告することは許されない」と述べました。弁護団は同日、東京高検に特別抗告をしないよう申し入れました。
【第13面】
57年間闘ったかいがあった。
袴田さんの姉に歓声と拍手!
【第2面・主張】
袴田さん再審決定!
無罪への道を検察は閉ざすな!