2023年4月9日(日)(憲法千話)
憲法便り#6937:凡人会編加藤周一著『ひとりでいいんです―加藤周一の残した言葉』を紹介します!
ここでいう「ひとりでいいんです」のひとりは、ひとりぼっちのことではありません。
表紙の見返し部分にある文章をそのまま紹介します!
ひとりでいいんです。ひとりで。
それはむずかしいことではない。
国境を越える共感は観念としては成り立ちますが、
非常に抽象的でしょう。
観念的なものは切羽詰まってくると捨て去ることができる。
それが戦時下の知識人の問題だった。戦時下の知識人の多くは、
頭で受け取ったマルクス主義などの外来思想を捨てた。
外国は映画のスクリーンの上にあるようなものでした。
だから、日常生活をとって、思想を捨ててしまう。
そうならないためには、具体的な友人が海外にひとりいればいい。
海外によく知っている友人がひとりいること、それが出発点だと思います。
(第二章より)