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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2013年 06月 25日

憲法便り#79 「笑いのめそう!安倍政権」(25) 『アフリカ会議の真相』

『アフリカ会議の真相』

首 相:みなさん、一緒に輝きましょう!
首脳A:彼の口癖は、
     「日本が一番」の筈だが?
首脳B: 狙っているのは、
     アフリカのダイヤモンド鉱石さ!
       ―『極秘の録音テープ』より
    (新宿区・天才デコポン)

明日は、
○昭和20年の憲法民主化世論(まとめと問題提起)
○「笑いのめそう!安倍政権」

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

by kenpou-dayori | 2013-06-25 08:00 | 天才デコポンが追及する!
2013年 06月 25日

憲法便り#78 昭和20年の憲法民主化世論 新聞記事編(第23回)

「憲法改正への前進」

今日は、昭和20年12月30日付『香川日日新聞』の社説を紹介します。
題名は、「憲法改正への前進」。

ただし、この紙面は原紙及びマイクロフィルムの状態が悪く、判読不能な個所が非常に多くあります。したがって、判読可能な部分のみの紹介となります。
正確な資料紹介をするために、苛酷な判読の作業を続けて来ましたが、もう視力の限界です。

以前、ある政党の資料室の方と話していた際に、古い原資料を正確に読み取る調査・研究は「体力、気力、そして視力の勝負です」と言ったところ、「特に、お金は大変でしょうね。どうしていらっしゃるんですか」と質問されたので、「その資力ではなく、目の視力です。お金のことを気にしていては、本物の研究は出来ません。」と答えたことを思い出しました。

今回の「社説」の文字起こしは、甚だ不充分なものです。
しかしながら、「憲法研究会」案が発表されたことによって、それまでの政府や憲法学者の「煮え切らない」態度に比して、憲法改正の方向に希望を持つことが出来たという主張は読み取っていただけることと思います。

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【見出し】
「憲法改正への前進」
【記事】
法、国家の真面目が憲法の精神に宿ることは東西その揆を一にするが、いまや、一切の旧体制を捨てて国家生活の新たな性格に出発せんとする日本に取って憲法の修正は基本的命題であり、不可避のものである。三権分立という法治生活の近代的革命以来、憲法の地位は各国とも不動のものとなっているが、その性格においては(以下、一行判読不明)政治の秘密性を含んでいるものも少なくなかった。われ等は日本における憲法の存在意義と、その条項に対する内容的な理解を昂め現実生活の法的権利義務について熟知する域に達しなけれならない。実際日本の国民は憲法を□□のものとし、縁遠いものと考え、生活と遊離せしめ、政治の秘密の□□を縛ろうとしなかったのである。民法や商法だけが一部の人々に直接に係わるもの位にしか考えないのが常識であり、一方では法的知識のみが□吏(官吏?)や公職に万能的な条件だとされながら(以下、三行判読不能)親密な関係あるものとして考えられず、□□だけで民衆は十分国民生活を続けて行けるというような未発達な常識を持ったのである。

憲法は道徳律と同じくわれ等の生活に身近につながっていることを認識せねばならぬ。憲法への理解が国民的に昂まって来れば、憲法の改正なども、もっとスムースに、真剣に考究されたに違いない。
高野博士らの民間における憲法研究会が発表した草案は、今までにない大改革を含んでおり、旧い□□的な憲法学者や政治家達の考え方を(以下、二行半判読不能)をこれによって、見出すのではあるまいか。
今までの憲法がどのように不適当であったかについて国民はむしろ冷静であり得る。国民大衆はこれから先の法治生活における指導と根本理念がこれではっきりすればよいからである。憲法の改正は□早く必至とされたが、今まで、相当進歩的な考え方をしていた学者でもその改正案はむしろ消極的で手ぬるいものになって、□□と□□改めればよいとか、或いは総論は□の部分だけを□□すればよいうとい□□に止まるものさえあったが、(以下、二行と少し判読不能)で掴まなければならなかったのである。否これさえも次の段階には更に一歩を□(擴?)むべきであるとの見解が、「この憲法公布後遅くとも十年以内に国民投票により新憲法の制定をなすべし」とう補則(注:「憲法研究会」案の補則)によっても示されている。之は、軽率なる変更を意味するのでなく、基本法であり、国民の□□の血であり肉であるが故に、常にその生活から遊離し時代遅れになってはならぬとの意味からでなければならぬ。
憲法のあり方は(以下、三行半判読不能)いることは出来ない。われ等の身近なる基本法として、最もよくその本質と条項を理解し、敬愛し、もって世界に誇るべき□□あるものたらしめるのが国民の責任である。□□的な憲法改正の義に当って一層この意□(識?)を強めなければならぬ。国民が法治について目覚めなければ、憲法の□(質?)の(以下、八行判読不能)定されることをわれ等は期待するが、兎に角今までの改正□□や気運が如何に如何にもみえきらぬものに対して、この案がむしろ一切のためらいを捨て、□□率直に新たな方向を示そうとした意図をくむと同時に、これによって国民の一層明□な判断と憲法そのものの理解を□む法治国民なるの良識と態度を□□し得るならば憲法改正議会に一前進を齎すであろうと考えられる。(以下、四行判読不能)

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

by kenpou-dayori | 2013-06-25 07:00
2013年 06月 24日

憲法便り#77 「笑いのめそう!安倍政権」(24) 『始球式』

『始球式』

記者:あれは、スポーツの
    政治利用ですな。
首相:違う、あれはナベツネが
    私を利用したんだ!
       ―独善インタビュー
  (新宿区・天才デコポン)

明日は、
○新聞記事編(第23回)
○「笑いのめそう!安倍政権」

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

by kenpou-dayori | 2013-06-24 08:00 | 天才デコポンが追及する!
2013年 06月 24日

憲法便り#76 昭和20年の憲法民主化世論 新聞記事編(第22回)

「憲法改革を人民の手に」

今日は、昭和20年12月29日付『讀賣報知』に掲載された、見出しも文章も痛快な「社説」を紹介します。
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【見出し】
「憲法改革を人民の手に」
【記事】
政府は憲法改正の大綱をすでに決定、いよいよ各条の改正審議に入ると称しているが、民間側でも今回憲法研究会が全条項を具備せる新憲法の草案を起草し、これを政府に提出した。先には共産党でも新憲法の骨子なるものが発表されている。政府の憲法改正が天皇と人民との間の統治権の関係につき、今なお煩瑣(はんさ)哲学的なややこしい規定を維持し、今次大戦で極めて明らかとなった大権濫用の余地を多分に残しているとき、現下の民主主義革命の内容を広く採り入れた憲法草案が民間でどしどし作成され、憲法問題に対する国民の関心が高められるのはよいことである。
 しかし、憲法研究会の草案は憲法改正ではなく、新憲法の作成を目的とし、反動的な欽定憲法に比し多分の新鮮味を示しているのは事実であるが、現下進行しつつある民主主義革命の内容を余すところなく反映しうるや否やはなお疑問とせねばなるまい。法律技術の巧拙は問わぬが、これがまだまだ民間憲法の決定版でないこというまでもない。現に右憲法研究会の内部にも憲法草案中に日本共和国の樹立を明確に規定せんとする少数派が存在する。明治の民権運動時代には、官の草案中にも元老院草案の如き統治権について今次民間草案にほぼ匹敵するような進歩的規定を含んでいたと伝えられている。それが官僚の手にかかって漸時反動的な内容に転化されたのである。今憲法は官民ともに極めて微温的なスタートを切っている。人民の努めはこれを一歩一歩前進させることである。
 そもそも、憲法の制定については二つの行き方がありうる。一つは当面せる民主主義の理想を具体化した憲法を先づ制定し、これを革命の槓桿(こうかん=てこ)として利用しつつ現実に民主主義を建設確立することである。その第二は民主革命の結果として出来上がった政治状態を消極的に反映する憲法を作ることである。現下の日本民主主義革命では前者の方法がとられるならば、国家社会の改革が極めてスムースに進むことは疑いない。しかしそのためには先づきわめて高遠な理想を掲げる革命政権が存在することを前提とする。日本にはいまその政権はない。従って現実は第二の方法に従って動かざるをえまい。ただ第二の方法を出来るだけ第一の方法に近づけること、即ち出来るだけ早く革命的な憲法を制定し、これに革命的な役割をも演じさせ、民主革命の徹底を促進させることである。
 民間憲法草案の起草の意義もまたこの点にあると考えられる。外圧の下で開始された日本の民主主義革命は果してどこまで行くべきであるか、また行くか。新憲法の内容はこの疑問への回答によって決まる。而して民間憲法起草の危険もまたそこに伏在する。即ち革命進行の全過程を見透しえずに、中途半端な規定を設け、却って革命の進行にブレーキをかける惧れもある。だから、民間憲法の場合においては特に革命の全過程を見透し、これを全面的に憲法の内容に採り入れねばならぬ。民間憲法は革命の綱領であらねばならぬのだ。
 今次の民間草案で特に目新しいのは人民の権利を相当詳細に規定し、また経済条項の設けられていることである。再び専制勢力によって人民の権利が侵害されないように周到な規定が必要である。特に人民が一定の生活水準を保障される権利は今大戦後の新民主主義の基本的な要請となっている。これなくして政治の民主主義も確保されえない。経済条項はこれが実現のために必要となるのであって、その他になお多数の法律、社会保険(保障)、社会政策の広汎な体系が樹立され、多大の努力が払われねばならぬのである。これは革命綱領たる憲法として当然な行き方である。
 いづれにせよ、新日本の憲法は主権在民、一定生活水準の享受をも含めた人民の諸権利を確保し、封建的遺制の撤廃、ファシズム、ミリタリズム再興の防止を完璧にせねばならぬ。他の諸規定はいかにもあれ、これが実現されなければ憲法改革は全く無意味となる。ところが政府は第三の奇怪な道をとっている。それは革命中道の現状を憲法化し、それ以上の革命の進行を阻止しようと企てているかに見える。革命にふさわしく新憲法を制定するのではなく、旧憲法を修正しようとしている。このような小手先細工の修正は革命が進行すれば忽ち覆され、二度も三度も手習草紙のように憲法を書換える結果に終るかも知れぬ。それ以上は、憲法改正の明文に従って、合法的に実行不可能というのかも知れない。それならば国民の要求するところは、先づ人民の手で憲法議会を召集し、人民の手で憲法を改革しうるだけの憲法改革を政府が行うことである。政府の各条審議など無用のことだ。要は、法三章的の条文で憲法改革を人民の手に移転し、解放することに尽きるのである。

〔注:法三章(ほうさんしょう)=漢の高祖が、秦の煩雑で苛酷な法を廃止して公布した殺人、傷害、窃盗のみを罰するという三カ条の法。転じて、法を極めて簡略にすること〕(『広辞苑』より)

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by kenpou-dayori | 2013-06-24 07:00
2013年 06月 23日

憲法便り#75 「笑いのめそう!安倍政権」(23) 『新税考案』

『新税考案』

三太夫:殿、これ以上消費税は
     上げられませぬ。
殿  様:ほかに何か手だてはないか?
三太夫:エゲレスの王を真似て
     窓に税をかけてはいかがかと。
殿  様:おぬし、なかなかの悪じゃのう。
          ―江戸の戯作者
  (新宿区・天才デコポン)

明日は、
○新聞記事編(第22回)
○「笑いのめそう!安倍政権」

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

by kenpou-dayori | 2013-06-23 09:00 | 天才デコポンが追及する!
2013年 06月 23日

憲法便り#74:「憲法研究会」案の『憲法草案要綱』全文

「憲法研究会」案の『憲法草案要綱』全文
(岩田注)原文には、(第一条―第五条)(第六条―第十八条)などは、記されておりません。判り易くするために、岩田が補足したものです)
  (*原文のカタカナを平仮名に改めました)


根本原則(統治権)(第一条―第五条)
一、日本国の統治権は日本国民より発す
一、天皇は国政を親(みずか)らせず、国政の一切の責任者は内閣とす
一、天皇は国民の委任により専ら国家的儀礼を司る
一、天皇の即位は議会の承認を経るものとす
一、摂政を置くは議会の議決による

国民権利義務(第六条―第十八条)
一、国民は法律の前に平等にして出生又は身分に基く一切の差別は之を廃止す
一、爵位勲章其の他の栄典は総て廃止す
一、国民の言論学術宗教の自由を妨げる如何なる法令をも発布するを得ず
一、国民は拷問を加えらるることなし
一、国民は国民請願国民発案及国民表決の権利を有す
一、国民は労働の義務を有す
一、国民は労働に従事し其の労働に対して報酬を受くる権利を有す
一、国民は健康にして文化的水準の生活を営む権利を有す
一、国民は休息の権利を有す、国家は最高八時間労働の実施、勤労者に対する有給休暇制療養所、社交教養機関の完備をなすべし
一、国民は老年疾病其の他の事情により労働不能に陥りたる場合、生活を保証さる権利を有す
一、男女は公的並私的に完全に平等の権利を享有す
一、民族人種による差別を禁ず
一、国民は民主主義並平和思想に基く人格完成社会道徳確立諸民族との協同に務むるの義務を有す

議 会(第十九条―第二十九条)
一、議会は立法権を掌握す、法律を議決し歳入及歳出予算を承認し行政に関する準則を定め及其の執行を監督す、条約にして立法事項に関するものは其の承認を得るを要す
一、議会は二院より成る
一、第一院は全国一区の大選挙区制により満二十歳以上の男女平等直接秘密選挙(比例代表の主義)によりて満二十歳以上の者より公選せられたる議員を以て組織され其の権限は第二院に優先す
一、第二院は各種職業並其の中の階層より公選されたる満二十歳以上の議員を以て組織さる
一、第一院に於て二度可決されたる一切の法律案は第二院に於て否決するを得ず
一、議会は無休とす
  その休会する場合は常任委員会その職責を代行す
一、議会の会議は公開す、秘密会を廃す
一、議会は議長並書記長官を選出す
一、議会は憲法違反其の他重大なる過失の廉により大臣並官吏に対する公訴を提起するを得之が審理の為に国事裁判所を設く
一、議会は国民投票によりて解散を可決されたるときは直ちに解散すべし
一、国民投票により議会の決議を無効ならしむるには有権者の過半数が投票に参加せる場合なるを要す

内 閣(第三十条―第三十六条)
一、総理大臣は両院議長の推薦によりて決す
  各省大臣国務大臣は総理大臣任命す
一、内閣は外に対して国を代表す
一、内閣は議会に対し連帯責任を負う其の職に在るには議会の信任あることを要す
一、国民投票によりて不信任を決議されたるときは内閣は其の職を去るべし
一、内閣は官吏を任免す
一、内閣は国民の名に於て恩赦権を行う
一、内閣は法律を執行する為に命令を発す

司 法(第三十七条―第四十二条)
一、司法権は国民の名により裁判所構成法及陪審法の定むる所により裁判之を行う
一、裁判官は独立にして唯法律のみに服す
一、大審院は最高の司法機関にして一切の下級司法機関を監督す
  大審院長は公選とす、国事裁判所長を兼ぬ
  大審院判事は第二院議長の推薦により第二院の承認を経て就任す
一、行政裁判所長、検事総長は公選とす
一、裁判官は行政機関より独立す
一、無罪の判決を受けたる者に対する国家補償は遺憾なきを期すべし

会計 及 財政(第四十三条―第五十条)
一、国の歳出歳入は各会計年度毎に詳細明確に予算に規定し会計年度の開始前に法律を以て之を定む
一、事業会計に就ては毎年事業計画書を提出し議会の承認を経べし
  特別会計は唯事業会計に就てのみ之を設くるを得
一、租税を課し税率を変更するは一年毎に法律を以て之を定べし
一、国債其の他予算に定めたるものを除く外国庫の負担となるべき契約は一年毎に議会の承認を経べし
一、皇室費は一年毎に議会の承認を経べし
一、予算は先づ第一院に提出すべし、其の承認を経たる項目及金額に就ては第二院之を否決するを得ず
一、租税の賦課は公正なるべし、苟(いやし)くも消費税を偏重して国民に過重の負担を負わしむるを禁ず
一、歳入歳出の決算は速に会計検査院に提出し其の検査を経たる後之を次の会計年度に議会に提出し政府の責任解除を求むべし
  会計検査院の組織及権限は法律を以て定べし
  会計検査院長は公選とす

経 済(第五十一条―第五十四条)
一、経済生活は国民各自をして人間に値すべき健全なる生活を為さしむるを目的とし正義進歩平等の原則に適合するを要す
  各人の私有並経済上の自由は此の限界内に於て保障さる
  所有権は同時に公共の権利に役立つべき義務を要す
一、土地の分配及利用は総ての国民に健康なる生活を保障し得る如く為さるべし
  寄生的土地所有並に封建的小作料は禁止す
一、精神的労作著作者発明家芸術家の権利は保護せらるべし
一、労働者其の他一切の勤労者の労働条件改善の為に結社並に運動の自由は之を保障せらるべし
  之を制限又は妨害する法令契約及処置は総て禁止す

補 則(第五十五条―第五十八条)
一、憲法は立法により改正す、但し議員の三分の二以上の出席及出席議員の半数以上の同意あるを要す
  国民請願に基き国民投票を以て憲法改正を決する場合に於ては有権者の過半数の同意あることを要す
一、此の憲法の規定並精神に反する一切の法令及制度は直ちに廃止す
一、皇室典範は議会の議を経て定むるを要す
一、此の憲法公布後遅くも十年以内に国民投票による新憲法の制定をなすべし

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by kenpou-dayori | 2013-06-23 08:00
2013年 06月 23日

憲法便り#73 昭和20年の憲法民主化世論 新聞記事編(第21回)

全国二十二紙が報道した『憲法草案要綱』

今日は、昭和20年12月26日に発表された「憲法研究会」の『憲法草案要綱』を、12月28日から30日にかけて、全国の二十二紙が報道した時の様子を紹介します。

「憲法研究会」案が公表されるまでに政府が公表していたのは、松本国務相が12月8日に衆議院予算総会で答弁した「松本四原則」だけでした。その第一項は「天皇の統治権総攬は不変」ですから、それに比して「憲法研究会」案は、対極にある革新的な内容でした。
(その全文は、次に紹介する『憲法便り#74』を参照して下さい。)

最初は、12月28日の報道した大手三紙を、『讀賣報知』、『毎日新聞』、『朝日新聞』の順で紹介します。
紹介の順序を、これまでの順序と変えたのは、記事の扱い、見出しの印象の強さから判断したことによります。

第一は、昭和二十年十二月二十八日付『讀賣報知』の一面トップ記事です。
解説とともに草案要綱全文を掲載し。経済の條章に高い評価を与えています。

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【見出し】
「民間側の新憲法草案 憲法研究會 首相に手交」
 「統治權は國民に 天皇は國家的儀禮を司る 國民の權利義務も明確に保證」
【記事】
日本の民主主義體制確立の重要なる根幹をなす憲法の民主化については今や朝野の間に白熱的なる論が展開されてゐるが、政府における松本國務相を中心とする官制的な憲法調査の機關に對應し民間人の立場から廣く在野の有識者をもつて構成せる憲法研究會では、十一月上旬より高野岩三郎、馬場恒吾、杉森孝次郎、森戸辰男、岩淵辰雄、室伏高信、鈴木安蔵の七氏を中心として研究を進めつゝあつたところ、この程成案を得たので廿六日室伏氏らの代表者が首相官邸を訪問右の草案を幣原首相に手交した」(注:幣原首相には会えなかった)
「該案は先づ根本原則として
(一)天皇は國政を親裁せられず國政一切の最高責任者は内閣としたことで、所謂天皇大權は名實共に議會派の手に移される、從つて天皇は單に國家的儀禮を司るに留る
(二)國民の自由を確保するためその權利、義務は憲法においてこれを明確に保證する
(三)議會は二院制よりなるが第一院の權限は第二院に優先することにし第二院は各機能の代表者をもつてする解散の如きも國民投票により決定する
等であるがその他内閣、法、會計、財政、經濟等各般に亙り民主主義の原則を徹底せしめたもので特に經濟の條章をあげてゐることは注目に値する」


第二は、昭和二十年十二月二十八日付『毎日新聞』の一面トップ記事です。

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【見出し】
憲法改正 民間の草案
「統治權の主體・國民 議會は國民投票により解散 首相は兩院議長推薦」 
【記事】
毎日新聞も解説と共に草案要綱全文を報じている。その中で、憲法研究会の代表者が首相官邸を訪問した日時を、二十六日午後一時と伝えている。解説は次の通り。
「高野岩三郎、馬場恒吾、杉森孝次郎、森戸辰男、岩淵辰雄、室伏高信、鈴木安蔵の諸氏は憲法研究會を組織、民間憲法研究機関として活揆なる研究を行なつてゐたが、このほど憲法草案要綱を脱稿したので代表者は廿六日午後一時首相官邸を訪問、參考として次の草案要綱を手交した
憲法研究會案の統治權、國民權利義務、議會、内閣諸章の大略は既報したが、同案は憲法の徹底的民主化を圖り統治權の主体は國民にあり、天皇は單に國家的儀禮を司るのみであり、國民の權利義務は基本權を基調として規定されてをり、また第一院(衆議院)の權限を特に強化すると共に議院、内閣制を規定する等諸□の点に相當思ひ切つた改革を含んでゐる」
因みに、翌二十九日付けの『毎日新聞』は一面で、
憲法民間草案の意図 鈴木安蔵氏に聴くと題して談話を掲載しているが、その見出しを、「原則論は共和制」「天皇 君臨すれど統治せず」としている。


第三は、昭和二十年十二月二十八日付『朝日新聞』の一面記事です。
朝日新聞は、一面トップの扱いはしていませんが、解説とともに草案要綱全文を報じています。
解説文は短いものですが、要点を的確に述べています。特に、憲法研究会に関して「民間憲法改正研究の権威あるもの」との評価を書き添えており、その点も注目に値する。以下に全文を紹介します。

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【見出し】
「統治権は国民に」「憲法研究会 草案、政府へ提出」
【記事】
政府の憲法改正に関する調査の進渉に伴ひ同問題に対する一般の関心も昂められてゐるが、民間憲法改正研究の權威あるものとして注目されてゐた憲法研究會は二十七日憲法草案要綱を参考として政府へ提出した
同研究會は民間の憲法學者、評論家で構成され高野岩三郎、馬場恒吾、杉森孝次郎、森戸辰男、岩淵辰雄、室伏高信、鈴木安蔵の七氏が起草委員である。

上記三紙と同じ12月28日に、次の二紙も、七名の起草委員名とともに全文報道をしています。
『中部毎日新聞』
『西日本新聞』

その他、地方紙17紙の紙名及び報道日のみを紹介します。

〔12月29日〕
『北海道新聞』『新岩手日報』『河北新報』『秋田魁新報』
『山形新聞』『新潟日報』『北国毎日新聞』『福井新聞』
『静岡新聞』『合同新聞』『香川日日新聞』『愛媛新聞』
『高知新聞』『佐賀新聞』『熊本日日新聞』
〔12月30日〕
『神奈川新聞』(全文報道)
『京都新聞』(社説)

上記17紙のうち、全文報道したのは『神奈川新聞』の一紙のみ。
『秋田魁新報』は抜粋、
『香川日日新聞』は「第六章 会計及財政」まで、
『佐賀新聞』は「第三章 議会」までという部分的収録。
それ以外の13紙は、共同通信が配信した同文の記事です。
説明文では「全文左の如し」と書かれていますが、実際は「第四章 内閣」までの収録で、(以下略)となっています。

なお、『東京新聞』は、翌年一月五日から七日まで、鈴木安蔵の解説付きで(上)(中)(下)三回の連載を行っていいます。その主な中見出しは、
(上)一、「統治権、国民に発す」「共和制への前段階性」、二、「『臣民』概念を排除」「人権に積極的新規定」、
(中)三、「職能的第二院創設」「国民投票で議会解散」、四、「内閣は議会に対し責任負う」、五、「租税原則を明記」
(下)八、「過渡的な二重性格」「発展的改正の必然性含む」
などであす。
「発展的改正」とは、憲法研究会の論議の中で、十年後には共和制に移行するであろうという共通認識があり、「真に透明な民主主義国家」を実現するための改正を意味しています。

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

by kenpou-dayori | 2013-06-23 07:00
2013年 06月 22日

憲法便り#72 「笑いのめそう!安倍政権」(22) 『親ゆずり』

『親ゆずり』

記者:マスコミを取り込むのが
    大変おじょうずですね?
首相:おやじが元新聞記者だからね。
        ―独善インタビュー
  (新宿区・天才デコポン)

明日は、
○新聞記事編(第21回)
○「憲法研究会」の『憲法草案要綱』全文
○「笑いのめそう!安倍政権」

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

by kenpou-dayori | 2013-06-22 08:00 | 天才デコポンが追及する!
2013年 06月 22日

【速報】毎日新聞(宮城)に記事が掲載されました

毎日新聞(6月21日付・地方版)に記事が掲載されました。
掲載紙が届きましたら、改めてお伝えいたします。

自費出版:戦後の新聞に見る憲法 研究者の岩田行雄さん、国民の熱気伝える /宮城
毎日新聞 2013年06月21日 地方版

 憲法研究者の岩田行雄さん(70)が「心踊る平和憲法誕生の時代−戦後の新聞61紙に見る『憲法民主化』の過程」を自費出版した。日本国憲法が生まれた時期の毎日新聞、河北新報、熊本日日新聞など全国の新聞の紙面が収められているが、大半の新聞が新憲法の公布(1946年11月3日)を「国民が待ち望んだ憲法」との認識で報じており、当時の熱気がうかがえる。【小原博人】

 岩田さんは、新憲法成立史を研究するため、全国の図書館などで公布に関する当時の新聞記事を収集した。

 河北新報の46年11月4日付1面は「新生日本へ大行進」の見出しで、「(前略)自由、民主、平和の三大原理を骨子とする新憲法は、武器を捨てた国民の“世界永遠の平和”へのひたむきな願いを反映し(後略)」と報じた。2万人が集まった県庁前広場での公布祝賀行事や、県民の新憲法に寄せる思いを多面的に伝えている。

 多くの新聞が新憲法を歓迎する中、評価色が薄かったのは、共和制を掲げる共産党機関紙「赤旗」など2紙だったという。

 同書は、GHQ(連合国軍総司令部)と幣原喜重郎内閣の「憲法問題調査委員会」の折衝など、新憲法誕生に至る経過を概説。民間の「憲法調査会」の憲法草案がGHQ案に反映されたことや、45年末までに民主憲法を求める世論が形成されていたことなどを伝え、「改憲派の“押しつけ憲法”批判は当たらない」としている。公布時の吉田茂首相の「押しつけ憲法批判」への反論も紹介している。

 岩田さんは東京都在住。戦時中、福島県への疎開体験がある。「戦争協力を反省した新聞が民主憲法の誕生に果たした役割を明らかにできた」と話す。

 1050円。2000部発行。問い合わせは美和書店(03・3402・4146)。


※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

by kenpou-dayori | 2013-06-22 07:50 | 掲載紙・掲載誌
2013年 06月 22日

憲法便り#71 昭和20年の憲法民主化世論 新聞記事編(第20回)

「条文案の研究へ 少数委員で具体的検討 憲法問題審査一段落」

今日は、昭和20年12月27日付『朝日新聞』の一面記事を紹介します。

この記事は、民主化の主張ではなく、政府の「憲法問題調査委員会」の進行状況についての報道です。今まで見て来た各社の意見、そして明28日から報道される「憲法研究会」案への反応とその内容と比較すると、政府の非民主性、一般社会とのかけ離れた状況が浮かび上がってきます。

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【見出し】
「条文案の研究へ 少数委員で具体的検討 憲法問題審査一段落」
【記事】
憲法問題調査委員会第六総会は二十六日午前十時半より首相官邸に開催、松本委員長ほか、清水、美濃部、野村の三顧問、宮澤、河村、清宮、石黒、大池、入江、佐藤、中野、奥野の各委員出席、前回の審査未了の部分につき検討を加え、一応全部に亘って審査を終了し、参考としての条文案を作成した。
なお年末年始に亙り、少数の委員を以て具体的に、右条文案を研究することとなり午後四時散会した。次回総会は一月中に開催する筈。

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

by kenpou-dayori | 2013-06-22 07:00