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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2014年 01月 04日

憲法便り#537 「秘密保護法」に関する12月に掲載された社説一覧

1月3日

秘密保護法(秘密保全法)
秘密保護法で自民反論 国民の理解得られぬ説明 岐阜新聞 社説 12/30
第三者機関 準備を厳しく見守る 信濃毎日新聞 社説 12/29
【秘密保護法】 成立後の視察にあきれる 高知新聞 社説 12/24
秘密保護法 自民の 「反論」 は正当か 東京新聞 社説 12/23
秘密保護法/消えない監視国家の懸念 神戸新聞 社説 12/22
秘密法の報道 自民の反論は筋違いだ 毎日新聞 社説 12/19
秘密保護法 道民の意思は 「ノー」 だ 北海道新聞 社説 12/19
知る権利 制限する動きを防ぐべきだ 宮崎日日新聞 社説 12/17
[秘密保護法公布] 制度の抜本的見直しを 南日本新聞 社説 12/15
秘密保護法公布 「お手盛り」 には疑念多い 山陽新聞 社説 12/15
秘密保護法公布 国会が監視機能を果たせ 西日本新聞 社説 12/14
秘密保護法公布/粘り強く見直し迫ろう 山陰中央新報 論説 12/14
秘密保護法公布 報道弾圧の悪法許されぬ 琉球新報 社説 12/14
【秘密保護法】 民意の切り捨てを恐れよ 高知新聞 社説 12/14
秘密保護法公布 修正か廃止が国民の声だ 徳島新聞 社説 12/14
秘密法公布/石破氏発言が示す危うさ 神戸新聞 社説 12/14
秘密保護法公布 粘り強く見直しを迫ろう 岐阜新聞 社説 12/14
公布のあと 廃止の努力を重ねよう 信濃毎日新聞 社説 12/14
秘密保護法公布 粘り強く見直し迫ろう 茨城新聞 論説 12/14
秘密保護法 反対の世論受け止めよ 北海道新聞 社説 12/14
石破発言―報道の危うさ叫ぶ前に 朝日新聞 社説 12/13
報道抑制発言 やはり秘密法は危険だ 毎日新聞 社説 12/13
石破氏発言 報道を統制する発想だ 東京新聞 社説 12/13
特定秘密法―心に響かぬ首相の強弁 朝日新聞 社説 12/11
「秘密法」 世論調査 反対の民意受け廃止探れ 琉球新報 社説 12/11
[秘密法13日公布]疑問を一から検証せよ 沖縄タイムス 社説 12/11
[特定秘密保護法] 継続した監視が必要だ 南日本新聞 社説 12/11
特定秘密保護法 反発世論に真摯に向き合え 熊本日日新聞 社説 12/11
【秘密保護法】 「拒否」 8割は当然だ 高知新聞 社説 12/11
特定秘密保護法/抜本的な見直しへ議論を 神戸新聞 社説 12/11
内閣支持率急落  もう断言は通用しない 京都新聞 社説 12/11
秘密監視機関 国の暴走の歯止めにならぬ 琉球新報 社説 12/10
秘密保護法 報道の自由 壁に穴をうがつ決意 信濃毎日新聞 社説 12/10
秘密保護法の運用 「恣意」 排除へ目を光らせよ 陸奥新報 社説 12/10
秘密法と世論 民主主義壊す悪法は廃止を 琉球新報 社説 12/9
秘密保護国会―異様な光景の果てに 朝日新聞 社説 12/8
劣化した国会 禍根残した数への過信 毎日新聞 社説 12/8
特定秘密保護法 官僚制に “鎖” をつけよ 東京新聞 社説 12/8
[危機の民主主義] 「知る権利」 守り抜こう 沖縄タイムス 社説 12/8
臨時国会 おごりの強行政治は猛省を 宮崎日日新聞 社説 12/8
特定秘密保護法 反対の声を絶やしてはならぬ 愛媛新聞 社説 12/8
秘密保護法成立/こんな法律はいらない 山陰中央新報 論説 12/8
秘密保護法 安倍政治 軍事優先には 「ノー」 を 信濃毎日新聞 社説 12/8
秘密保護法成立 「廃止」 が後世への責任だ 新潟日報 社説 12/8
「秘密保護国会」/数におごる政治は許されぬ 福島民友 社説 12/8
臨時国会閉会/1強体制の危うさ見えた 河北新報 社説 12/8
強行突破国会 民主主義担う責任感を 北海道新聞 社説 12/8
秘密保護法成立―憲法を骨抜きにする愚挙 朝日新聞 社説 12/7
秘密保護法成立 国家安保戦略の深化につなげよ 読売新聞 社説 12/7
特定秘密保護法成立 民主主義を後退させぬ 毎日新聞 社説 12/7
「知る権利」 揺るがす秘密保護法成立を憂う  日経新聞 社説 12/7
秘密保護法が成立 民主主義を取り戻せ 東京新聞 社説 12/7
国民の知る権利、報道の自由の危機 八重山毎日新聞 社説 12/7
秘密法成立強行 許されぬ権力の暴走 解散し国民の審判仰げ 琉球新報 社説 12/7
[特定秘密保護法成立] おごり極まる強権ぶり 沖縄タイムス 社説 12/7
秘密保護法成立 時代の逆行を監視すべきだ 宮崎日日新聞 社説 12/7
秘密保護法成立へ 官僚の情報支配が進む 佐賀新聞 論説 12/7
秘密保護法成立 抜本的な欠陥是正を急げ 西日本新聞 社説 12/7
【秘密保護法 成立】 今後を厳しく監視する 高知新聞 社説 12/7
秘密保護法成立 民意無視の国会運営許し難い 愛媛新聞 社説 12/7
秘密保護法成立 民意離れた 「決める政治」 山陽新聞 社説 12/7
秘密保護法成立/懸念置き去りの危うい動き 神戸新聞 社説 12/7
秘密保護法成立  国民の 「知る権利」 手放せぬ 京都新聞 社説 12/7
秘密保護法 強行成立 知る権利の扉どう開くのか 福井新聞 論説 12/7
秘密保護法 力ずくの成立 民主社会を守るために 信濃毎日新聞 社説 12/7
秘密保護法の成立 任務放棄の国会は不要 神奈川新聞 社説 12/7
【秘密保護法成立】 原発の情報隠し許さない 福島民報 論説 12/7
秘密保護法成立 “暴走” にブレーキ必要 秋田魁新報 社説 12/7
秘密保護法成立 憲法を踏みにじる暴挙だ 北海道新聞 社説 12/7
特定秘密保護法案―民主主義に禍根を残すな 朝日新聞 社説 12/6
秘密保護法案、参院審議を問う
 強行可決 議会政治を壊す暴挙だ 毎日新聞 社説 12/6
秘密保護法案、参院審議を問う
 反対の声を無視 民主主義と人権の危機 毎日新聞 社説 12/6
特定秘密保護法案 知らされぬ国民の悲劇 東京新聞 社説 12/6
秘密法強行採決 憲法を破壊する暴挙だ 琉球新報 社説 12/6
[秘密保護法成立へ] 巨大与党暴走の序章だ 沖縄タイムス 社説 12/6
臨時国会 「数のおごり」 に猛省求める 熊本日日新聞 社説 12/6
秘密保護法案 数頼みの政治は許されない 宮崎日日新聞 社説 12/6
政治の暴走は許さない 西日本新聞 社説 12/6
【秘密保護法案】 立ち止まって考えたい 高知新聞 社説 12/6
秘密保護法案、参院委強行可決 暴挙許せない 愛媛新聞 社説 12/6
秘密保護法案 「良識の府」 も数の力とは 山陽新聞 社説 12/6
秘密法案採決/審議は尽くされていない 神戸新聞 社説 12/6
秘密保護法案  民主主義壊す道を進むのか 京都新聞 社説 12/6
秘密法案強行採決 国家情報は国民のものだ 福井新聞 論説 12/6
臨時国会 数による強行政治鮮明に 岐阜新聞 社説 12/6
秘密保護法 採決強行 内外の懸念無視の暴挙 信濃毎日新聞 社説 12/6
公安警察肥大 息の詰まる社会にするな  信濃毎日新聞 社説 12/6
秘密法案採決 世論無視した横暴を憂う 新潟日報 社説 12/6
秘密法案強行可決/審議のあり方を問い直せ 河北新報 社説 12/6
秘密法参院委可決 許し難い 「数の横暴」 だ 秋田魁新報 社説 12/6
秘密保護法案 民主主義が壊れ始める 岩手日報 論説 12/6
臨時国会 強行政治に猛省求める 茨城新聞 論説 12/6
秘密保護法案 強行採決は許されない 北海道新聞 社説 12/6
秘密保護法案―採決強行は許されない 朝日新聞 社説 12/5
秘密保護法案 「監視委」 の実効性が問われる 読売新聞 社説 12/5
秘密保護法案 参院審議を問う…
急ぐ自公 これで採決は許されず 毎日新聞 社説 12/5
秘密保護法案 参院審議を問う…
第三者のチェック 唐突で泥縄的な新提案 毎日新聞 社説 12/5
秘密保護の新提案、議論尽くせ 日経新聞 社説 12/5
党首討論 首相は聞く耳持たずか 東京新聞 社説 12/5
秘密法強行姿勢 解散し民意を問うべきだ 琉球新報 社説 12/5
党首討論 議論まだ尽くされていない 熊本日日新聞 社説 12/5
秘密保護法案 再度の強行採決許されぬ 西日本新聞 社説 12/5
【秘密保護法案】 強行採決を繰り返すな 高知新聞 社説 12/5
臨時国会あす会期末 秘密保護法案成立に反対する 愛媛新聞 社説 12/5
秘密法案参院審議 国民の反対無視するのか 徳島新聞 社説 12/5
党首討論/異論に耳を貸さないのか 神戸新聞 社説 12/5
秘密法案の審議  与党のごり押し許せぬ 京都新聞 社説 12/5
秘密保護法 党首討論 懸念ばかりが膨らむ 信濃毎日新聞 社説 12/5
広がる慎重論 国民の声に耳を傾けよ 信濃毎日新聞 社説 12/5
特定秘密保護法案/もはや継続審議しかない 河北新報 社説 12/5
秘密法案大詰め 前のめりな姿勢に危惧 秋田魁新報 社説 12/5
秘密保護法案 泥縄式手直しは姑息だ 北海道新聞 社説 12/5
秘密保護法案―国会が崩す三権分立 朝日新聞 社説 12/4
秘密保護法案参院審議を問う
前知事の懸念 危機情報を共有できぬ 毎日新聞 社説 12/4
デモのテロ同一視 「言論弾圧法」 は即時廃案を 琉球新報 社説 12/4
[石破氏 「テロ」 発言] 政府の本音が露呈した 沖縄タイムス 社説 12/4
【秘密保護法案】 やはり廃案しかない 高知新聞 社説 12/4
石破氏発言/一層膨らむ法案への疑念 神戸新聞 社説 12/4
秘密保護法 保護措置 議会政治を窒息させる 信濃毎日新聞 社説 12/4
石破氏デモ批判/「テロ」 とは、そら恐ろしい 河北新報 社説 12/4
特定秘密保護法案 「継続審議で議論を尽くせ」 陸奥新報 社説 12/4
秘密保護法案―石破発言で本質あらわ 朝日新聞 社説 12/3
秘密保護法案参院審議を問う
石破発言はなぜ問題か 民主主義への理解欠く 毎日新聞 社説 12/3
「テロ」と石破氏 デモの重み感じぬ鈍さ 東京新聞 社説 12/3
秘密保護法案 拡大解釈可能なテロ定義 西日本新聞 社説 12/3
【石破氏発言】 撤回しても不安は消えぬ 高知新聞 社説 12/3
秘密保護法 石破氏の発言 法案の危険性さらした 信濃毎日新聞 社説 12/3
石破氏ブログ発言 民主主義を壊す 「本質」 神奈川新聞 社説 12/3
石破氏の認識 政府与党の姿勢を疑う 岩手日報 論説 12/3
石破氏発言 デモすればテロなのか 北海道新聞 社説 12/3
秘密保護法案―裁きを免れる 「秘密」 朝日新聞 社説 12/2
秘密保護法案、参院審議を問う
適性評価 民間人監視される懸念 毎日新聞 社説 12/2
秘密保護法案 思想への介入を許すな 東京新聞 社説 12/2
秘密保護法 会期末へ 拙速審議は許されない 信濃毎日新聞 社説 12/2
秘密保護法案 「良識の府」 の存在意義示せ 熊本日日新聞 社説 12/2
秘密保護法案 民主主義原理に反する 岩手日報 論説 12/2
秘密保護法案 世界の潮流と相いれぬ 北海道新聞 社説 12/2
秘密法案参院審議 廃案へ良識の府の出番だ 琉球新報 社説 12/1

by kenpou-dayori | 2014-01-04 10:18 | 秘密保護法
2014年 01月 03日

憲法便り#533 自著紹介⑤(その四) 『心踊る平和憲法誕生の時代』「おわりに」

1月3日
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本書は、執筆途上にある『日本国憲法成立史の実証的再検討』と題する学位論文の中から、新聞報道による「憲法民主化の世論形成」、および「日本国憲法を国民がどのように迎えたか」という部分を判り易くまとめたものです。

『心躍る…』の書名は、1946年11月1日付『徳島民報』一面に掲載された《新憲法祝賀おどり》の広告の、次の喜び溢れる言葉に因んでいます。
「11月3日は新憲法公布の日だ、新日本の黎明だ、平和だ、友好だ、豊年じゃ、満作じゃ、みんなで祝う、阿波踊りが許された、踊りおどるなら華やかに踊ろう」(〔日時〕11月3日朝9時から夜11時まで〔会場〕市役所前〔主催者〕徳島商工会議所と徳島民報)。これが当時の国民の姿です。

調査した65紙に関しては、上記の標題紙に示してあります。新聞名を四角で囲んであるのは、調査した当時に国会図書館に所蔵がなかったので、各地の県立図書館(広島は市立図書館)を訪問して、現地調査したものです。


「おわりに」
当初の文章に、何点かを加えて述べておきたい。
◎本書は、二月末に千部だけを出版する予定であった。原稿を執筆する傍ら、手紙を出した。宛名も自分の住所氏名も自筆で書き、ひと言添えると一日三十通が限度であった。ほどなくして、手紙、電話、ファックスで、激励とともに注文を頂くようになった。嬉しいことに、本はまだ出来ていないのだが、注文は千百部に達した。
 期待と激励に応えるため、いろいろと書き足しているうちに、予定を大きく超えて、二百四十頁となった。
支えて下さった皆様に、心から感謝を申し上げたい。
●「人を殺せば殺人だが、戦争でたくさん殺せば英雄になれる。」という言葉を学生の頃によく聞いた。
昔は「お国のため」と言ったが、いまは「国益」という言葉が政治家や御用学者や「評論家」の間で飛び交う。
「お国のために」、「国益のために」のどちらも、論議を打ち切るための超論理的言葉である。これらの言葉が声高に言われ始めた今、国民は戦前と同じような危険な状態におかれていることを強く意識しなければならない。
●農林水産業に壊滅的な打撃を与えるTPP交渉参加問題は国論を二分しているが、安倍政権は国益を強調し、不利な条件を隠し、食の安全、食糧自給率、環境保全等の問題を無視し、強い反対を押し切って参加表明をした。
だが、これは自動車産業を中心とする一部産業とアメリカの利益のためであって、国民の利益のためではない。「国益」と「国民の利益」は似て非なるものである。
●個人が紙幣を一枚でも印刷すればそれは犯罪だが、日銀が犯罪的なほど大量に印刷しても、それは「経済政策」と呼ばれ、犯罪にはならないし、だれも責任をとらない。
一九四五年十月十八日付『毎日新聞』の一面に、「日銀の独自性確立 改正案通常議会に提出」と題する記事があるので、その書き出しの部分と、改正案の最初の項目を紹介しよう。
「戦時中、中央銀行としての日銀の職能は極度に制約され僅かに大蔵省の窓口としての存在価値しか有しない実情であったが、終戦後の新事態に即応して官僚統制の最悪法と見られる現行日銀法(昭和十七年制定)を改訂して日銀の組織運営を政府から切離し、日銀の中央銀行としての独自性を確立して、通貨膨張の現難局打開に当らしめるべきであるという声が各方面に台頭し、大蔵省、日銀においても、目下改正案を考究中で遅くとも通常議会に提出されるものと見られる。
 現行日銀法改正の概要は次の通り。
一、日銀は国民経済の安定、国民の福利増進を目的として通貨の調節、金融の調整及び信用制度の保持育成に努めるよう運営されなければならない。」(以下略)
財政赤字に対処するため予算削減法を可決、発動をせざるを得なかったアメリカから招かれたノーベル経済学賞の経済学者が、安倍政権の経済政策と新日銀総裁の人選を天まで持ちあげているが、全くの茶番劇である。
今回の人事は、自動車に例えれば、暴走目的でブレーキを外して、ダブル・アクセルにした違法改造車であり、「白(川)」から「黒(田)」への極めて危険な交代である。
◎以前『検証…』を日本新聞協会加盟の九十二紙に手紙を添え、五百円のエクスパックで贈ったが、どこからも直接の反応はなかった。そこで、今回はその事実も書き添えて、本書で利用した六十一紙のうち現存する五十五紙に「憲法御担当者様」宛で出版趣意書、カタログ、表紙見本、資料頁のみを二月末までに郵送しておいた。
 当初、入稿を予定していた三月八日の前日までには一社からの反応もなかった。だが、入稿がおくれたために、二社から反応があったことを伝えることが出来る。
 一社目は三月十一日、東京新聞社会部の樋口薫記者からの電話。一九五〇年、六〇年代の改憲の動きについて勉強したいとのことで、三月十七日に二時間の予備取材を受けたが掲載の約束はない。また会う約束をしている。
 二社目は三月十三日、神戸新聞社会部の岸本達也記者からの電話。「憲法をやってみたいと思いますので」と、本書の注文と私の顔写真を送るよう依頼を受けた。
どのような記事になるのか楽しみである。
◎二〇一一年三月十一日、私は国立国会図書館新館四階の新聞資料室で『新岩手日報』の一九四六年二月一日号を読んでいた時に大きな長い揺れを感じた。地方紙に関する調査が大きく加速したのは、この日以降のことである。これからまだ何が起こるか解らない、私が命を落とした場合には、私と同じ視点での研究はおそらく出ないだろう、研究の完成を急がなければならない、その思いから、大きな余震が続く中、全国各地の図書館をまわり始めた。国立国会図書館で所蔵していないか、欠号がある地方紙(標題紙で紙名を  で囲ったもの)を調査するためである。私は、講演に招かれたことのある八戸、盛岡、仙台、いわき、須賀川、郡山、白河などの状況を聞くたびに支援に駆けつけるかどうかを繰り返し自問自答した。だが、カンパ、城南信用金庫への預金の移動、首相官邸へのデモに参加する以外は、研究に力を注いだ。
そして、各地での調査を一通り終えた時点で、国会図書館主題情報部新聞課の課長補佐堀越敬祐さんに、今後の利用者のために欠けている資料補充の要望を伝えた。
嬉しいことに、二〇一三年二月七日付の新聞資料室公開展示資料によれば、『河北新報』、『富山新聞』(一九四六年三月十一日創刊だが、補充は同年七月から)、『山梨日日新聞』、『静岡新聞』、『中国新聞』、『徳島新聞』、『四国新聞』が補充されている。大幅な前進である。
◎調査では、多くの方々の協力を得て、内容の充実を図ることが出来た。現地訪問、並びにその後の調査依頼にご協力下さった宮城、茨城、群馬、埼玉(浦和)、千葉、富山、福井、山梨、静岡、鳥取、徳島、香川の各県立図書館、広島市立図書館、さらに現地調査出来なかった北海道立、滋賀県立、岐阜県立各図書館の調査協力に感謝の意を表したい。
また、国立公文書館、外務省外交史料館、三島郷土資料館、埼玉県立文書館、福井県立文書館、逓信博物館、政治記者OB会、日本相撲協会広報部及び相撲博物館の調査協力にお礼を申し上げたい。
新宿区立中央図書館は移転が予定されているが、私の住居から二軒先にあるので、日常的に利用させて頂いた。
大学では、専修大学図書館の図書利用の件で、同館図書部図書課長千田朋子さんに大変お世話になった。
冒頭で、衆議院予算委員会のインターネット審議中継を紹介したが、これは私の甥・山田哲央君の協力による。
◎国立国会図書館が二〇〇三年五月三日以降、インターネット上に公開している電子展示会の『日本国憲法の誕生』は、誰もが等しく貴重な原資料に接することが出来る、網羅的で画期的な資料集である。この資料の利用を広めたく思い、参考資料の一番目に挙げた次第である。
同図書館には文字通り日参し、主に憲政資料室、議会官庁資料室、新聞資料室の資料を利用させて頂いた。
その中でも、憲政資料室の皆さんには、とてもお世話になった。特に、「生き字引」という表現がぴったりの堀内寛雄さん(現・利用者サービス部司書監)は、二〇〇四年以来、コンピューター検索では辿り着けない資料も含め、非常に多くのことを教えて下さった。彼との出会いがなければ、私の憲法研究をここまで深めることは出来なかった、「資料探しの師」である。
○私は、国立国会図書館での調査を終えて退出する際に、本館二階総合カウンターの上に刻み込まれた「真理がわれらを自由にする」という言葉に向い、感謝の気持ちを込めて必ず一礼をしている。
歴史の捏造、逆行が横行しているいま、歴史の真実、真理が力を発揮することを確信し、この「真理がわれらを自由にする」という言葉を以って、本書の結びとする。
二〇一三年三月二十九日


「目 次」

はじめに(4)
第一 「押し付け憲法」論のでたらめ
第二 安倍首相の所信表明演説に見る国民騙し
第三 「美しい国」「強い日本」のルーツ
平和への私の思い

三つのプロローグ(12)
プロローグ①…吉田茂元首相が『回想十年』に記した「押し付け憲法」論への反論(12)
プロローグ②…ポツダム宣言受諾と憲法改正の必然性(14)
プロローグ③…報道の違いで生じる差異(17)

第一部 新聞報道により一九四五年末までに形成された「憲法民主化」の世論(21)
外務省による意図的な誤訳(21)
「ポツダム」宣言受諾による民主化及び憲法改正の必然性(22)
民主化を進めなかった東久邇宮内閣(22)
法制局が自主的に行った憲法改正案研究(24)
外務省内での自由闊達な論議(26)
内大臣府の憲法研究(28)
憲法改正に消極的だった幣原内閣(31)
幣原内閣が憲法問題調査委員会を設置(33)
「平和」及び「平和国家」論の社説登場(38)
日本全国に吹く民主化の風(39) 
憲法民主化の世論(41)
日本国憲法の原型「憲法研究会」案の報道(44)
 書簡・出版物等に見る「憲法民主化」論(51)

第二部 新聞報道により追いつめられる松本国務相と幣原内閣(60)
憲法問題調査委員会無視の松本路線(60)
閣議における初めての憲法論議(64)
一月の新聞報道(64) 
二月一日・衝撃の「スクープ」報道(66)
全国二十一紙の「追い打ち」報道(68)
日本輿論調査所の調査結果(70)
GHQの動き(70) 
GHQ民政局の憲法制定会議(74)
二月十三日・外務大臣官邸(74)
松本国務相への不満が爆発した二月十九日の閣議(80) 
「押し付け憲法」論の始まり(82)
政府案作成を閣議決定(84)
松本・ホイットニー会談(86)
「戦争放棄」の原点は「パリ不戦条約」に!(87)
松本・ホイットニー会談以後について(88)
「政府、難局に直面」報道(90)

第三部 政府案についての国民的論議(92)
三月六日政府案の全文報道及び社説(92)
政府案の対する各党の態度(97)
「松本体制」から「金森体制」へ(98)
「憲法研究会」による批判的な声明(98)
讀賣新聞社主催『憲法草案批判講演会(99)
「庶民大学三島教室」主催の討論会(101)
各省庁の反応(102)
司法の民主化及び司法改革(103) 
共和制を規定した二つの憲法草案(105)
二つの世論調査に見る国民の意見(105)
国民の国語運動と「ひらがな口語体」草案の実現(108)
『憲法改正草案逐条説明』及び『憲法改正草案に関する想定問答』(110)

第四部 新憲法公布の記念行事(113)
北海道・東北地方(114)
関東・甲信越(134) 
北陸・東海地方(151)
近畿地方(164) 
中国・四国地方(172)
九州地方(186)

第五部 新憲法祝賀広告・・・大企業からキャバレーまで、そして露天商の組合も!(200)
北海道・東北地方(203)
関東・甲信越(204)
 北陸・東海地方(206) 
近畿地方(208)
中国・四国地方(210)
九州地方(212)

第六部 憲法普及会による多彩な活動
(一九四六年十二月―一九四七年十一月)(216)
『新しい憲法 明るい生活』の前文(216)   
憲法普及会の創設(217)
第一項 講習会及び講演会(218)  
第二項 出版・刊行物による普及活動(219)
第三項 芸能並びに民衆娯楽による啓蒙運動(220) 
第四項 記念作品の募集(223)
第五項 諸団体との提携事業(229)  
第六項 記念週間の設定並びに行事(229)
平和精神昂揚運動(231)

結びにかえて・・・吉田内閣の答弁より(234)
主な原資料と参考文献(236)
おわりに(237)
表紙デザイン 岩田行雄


※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから
歴史的事実をもって、安部首相と石原慎太郎議員の「押し付け憲法」論のデタラメを打破するこの本が十万部普及すれば、闘いは必ず勝てると思っています。
自公政権とその補完者である維新の会の暴走を食い止め、憲法改悪を阻止しましょう。

by kenpou-dayori | 2014-01-03 17:03 | 自著紹介
2014年 01月 03日

憲法便り#532 自著紹介⑤(その三) 『心踊る平和憲法誕生の時代』「本書の特徴」

1月3日
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本書は、執筆途上にある『日本国憲法成立史の実証的再検討』と題する学位論文の中から、新聞報道による「憲法民主化の世論形成」、および「日本国憲法を国民がどのように迎えたか」という部分を判り易くまとめたものです。

『心躍る…』の書名は、1946年11月1日付『徳島民報』一面に掲載された《新憲法祝賀おどり》の広告の、次の喜び溢れる言葉に因んでいます。
「11月3日は新憲法公布の日だ、新日本の黎明だ、平和だ、友好だ、豊年じゃ、満作じゃ、みんなで祝う、阿波踊りが許された、踊りおどるなら華やかに踊ろう」(〔日時〕11月3日朝9時から夜11時まで〔会場〕市役所前〔主催者〕徳島商工会議所と徳島民報)。これが当時の国民の姿です。

調査した65紙に関しては、上記の標題紙に示してあります。新聞名を四角で囲んであるのは、調査した当時に国会図書館に所蔵がなかったので、各地の県立図書館(広島は市立図書館)を訪問して、現地調査したものです。

【本書の特徴】
本書は、私が二〇一〇年末以来準備をしてきている博士論文『日本国憲法成立史の実証的再検討』から、新聞報道及び国民の動きに関する部分を纏めたものである。
研究の手法は、国立国会図書館、国立公文書館、外務省外交史料館、各県立図書館等の原資料に依拠し、あくまでも実証的研究を基本としている。
本書の最大の特徴は一九四五年八月から一九四七年六月までの期間が調査可能であった戦後の新聞六十一紙の報道に基き、歴史的事実の検証を行っていることである。地方紙の存在を強調するため、紙名を標題紙に掲げた。
敗戦後、日本の国民は、食糧難とあらゆる物資の欠乏に苦しみながら、焦土、そして廃墟の中からの復興の努力を続けた。この時代の重要なキーワードとなったのは、戦争への反省を踏まえた「平和国家」、「文化国家」、「民主主義国家」の実現であった。
その中でも特に「民主化」は単なるスローガンではなく、日本の社会のあらゆる分野で「民主化」が提起され、具体的な改革が進められた「戦後の改革」の柱であった。そして「憲法の民主化」も、日本の将来に関わる最重要な問題として提起された。この「憲法の民主化」の世論形成を最も大きく担ったのは、新聞報道であった。
従来の日本国憲法成立史の研究では、主に「日本政府対GHQ」という対立軸で考えられてきた。そこでは国民や地方紙の存在について詳しくは触れられてはいない。
しかしながら、戦後の憲法改正問題に関する資料を精査し総合すると、新たな対立軸が浮び上がってくる。
この新たな対立軸とは、「日本国民への明治憲法押し付けに固執する松本国務相」対「憲法の民主的改革を望む幅広い国民」である。後者には、改革を望み憲法改正草案作成に携わった研究者、弁護士を含む法律家、ジャーナリスト、政治家、政党、官吏、市民、さらには通称「松本委員会」の中の委員、閣僚、新聞の社説、新聞記事と投稿、書籍、雑誌論文、世論調査等に示された広範な国民各層の意見が含まれる。
本書の主要な部分は、第九十回帝国議会で審議が始まるまでの過程(第一部―第三部)と、新憲法公布と施行の際の祝賀行事及び祝賀広告(第四部―第六部)から成っている。第九条に関する第九十回帝国議会での論議の詳細は、すでに拙著『検証・憲法第九条の誕生』で明らかにしているので、同書を参照して頂きたい。
 戦争協力への反省を表明して以後、当時の新聞は翼賛報道をやめ、権力の代弁者とはならず、権力との距離を保ち、ジャーナリズムが本来あるべき「批判者」の姿勢がはっきりとしていた。
現在のマスコミが、戦前のような翼賛報道一色に染まらないことを強く望みたい。
本書は、日本国憲法成立史に関する書であると同時に、社会正義に立ち、真実を伝える努力を続けているジャーナリスト、言論・出版・報道に携わる人々への期待と激励の書でもある。
平和憲法誕生の時代に記者として活躍なさった方では、元北海道新聞の富原薫さんと電話で話しただけだが、多くの記事を残して下さった記者の方々に本書を捧げたい。
二〇一三年三月八日(国際女性デーに)


「目 次」

はじめに(4)
第一 「押し付け憲法」論のでたらめ
第二 安倍首相の所信表明演説に見る国民騙し
第三 「美しい国」「強い日本」のルーツ
平和への私の思い

三つのプロローグ(12)
プロローグ①…吉田茂元首相が『回想十年』に記した「押し付け憲法」論への反論(12)
プロローグ②…ポツダム宣言受諾と憲法改正の必然性(14)
プロローグ③…報道の違いで生じる差異(17)

第一部 新聞報道により一九四五年末までに形成された「憲法民主化」の世論(21)
外務省による意図的な誤訳(21)
「ポツダム」宣言受諾による民主化及び憲法改正の必然性(22)
民主化を進めなかった東久邇宮内閣(22)
法制局が自主的に行った憲法改正案研究(24)
外務省内での自由闊達な論議(26)
内大臣府の憲法研究(28)
憲法改正に消極的だった幣原内閣(31)
幣原内閣が憲法問題調査委員会を設置(33)
「平和」及び「平和国家」論の社説登場(38)
日本全国に吹く民主化の風(39) 
憲法民主化の世論(41)
日本国憲法の原型「憲法研究会」案の報道(44)
 書簡・出版物等に見る「憲法民主化」論(51)

第二部 新聞報道により追いつめられる松本国務相と幣原内閣(60)
憲法問題調査委員会無視の松本路線(60)
閣議における初めての憲法論議(64)
一月の新聞報道(64) 
二月一日・衝撃の「スクープ」報道(66)
全国二十一紙の「追い打ち」報道(68)
日本輿論調査所の調査結果(70)
GHQの動き(70) 
GHQ民政局の憲法制定会議(74)
二月十三日・外務大臣官邸(74)
松本国務相への不満が爆発した二月十九日の閣議(80) 
「押し付け憲法」論の始まり(82)
政府案作成を閣議決定(84)
松本・ホイットニー会談(86)
「戦争放棄」の原点は「パリ不戦条約」に!(87)
松本・ホイットニー会談以後について(88)
「政府、難局に直面」報道(90)

第三部 政府案についての国民的論議(92)
三月六日政府案の全文報道及び社説(92)
政府案の対する各党の態度(97)
「松本体制」から「金森体制」へ(98)
「憲法研究会」による批判的な声明(98)
讀賣新聞社主催『憲法草案批判講演会(99)
「庶民大学三島教室」主催の討論会(101)
各省庁の反応(102)
司法の民主化及び司法改革(103) 
共和制を規定した二つの憲法草案(105)
二つの世論調査に見る国民の意見(105)
国民の国語運動と「ひらがな口語体」草案の実現(108)
『憲法改正草案逐条説明』及び『憲法改正草案に関する想定問答』(110)

第四部 新憲法公布の記念行事(113)
北海道・東北地方(114)
関東・甲信越(134) 
北陸・東海地方(151)
近畿地方(164) 
中国・四国地方(172)
九州地方(186)

第五部 新憲法祝賀広告・・・大企業からキャバレーまで、そして露天商の組合も!(200)
北海道・東北地方(203)
関東・甲信越(204)
 北陸・東海地方(206) 
近畿地方(208)
中国・四国地方(210)
九州地方(212)

第六部 憲法普及会による多彩な活動
(一九四六年十二月―一九四七年十一月)(216)
『新しい憲法 明るい生活』の前文(216)   
憲法普及会の創設(217)
第一項 講習会及び講演会(218)  
第二項 出版・刊行物による普及活動(219)
第三項 芸能並びに民衆娯楽による啓蒙運動(220) 
第四項 記念作品の募集(223)
第五項 諸団体との提携事業(229)  
第六項 記念週間の設定並びに行事(229)
平和精神昂揚運動(231)

結びにかえて・・・吉田内閣の答弁より(234)
主な原資料と参考文献(236)
おわりに(237)
表紙デザイン 岩田行雄


※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから
歴史的事実をもって、安部首相と石原慎太郎議員の「押し付け憲法」論のデタラメを打破するこの本が十万部普及すれば、闘いは必ず勝てると思っています。
自公政権とその補完者である維新の会の暴走を食い止め、憲法改悪を阻止しましょう。

by kenpou-dayori | 2014-01-03 17:02 | 自著紹介
2014年 01月 03日

憲法便り#531 自著紹介⑤(その二) 『心踊る平和憲法誕生の時代』「平和への私の思い」

1月3日
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本書は、執筆途上にある『日本国憲法成立史の実証的再検討』と題する学位論文の中から、新聞報道による「憲法民主化の世論形成」、および「日本国憲法を国民がどのように迎えたか」という部分を判り易くまとめたものです。

『心躍る…』の書名は、1946年11月1日付『徳島民報』一面に掲載された《新憲法祝賀おどり》の広告の、次の喜び溢れる言葉に因んでいます。
「11月3日は新憲法公布の日だ、新日本の黎明だ、平和だ、友好だ、豊年じゃ、満作じゃ、みんなで祝う、阿波踊りが許された、踊りおどるなら華やかに踊ろう」(〔日時〕11月3日朝9時から夜11時まで〔会場〕市役所前〔主催者〕徳島商工会議所と徳島民報)。これが当時の国民の姿です。

調査した65紙に関しては、上記の標題紙に示してあります。新聞名を四角で囲んであるのは、調査した当時に国会図書館に所蔵がなかったので、各地の県立図書館(広島は市立図書館)を訪問して、現地調査したものです。


「はじめに」より

【平和への私の思い】
 私は、東京大空襲の直後に家族と共に福島に縁故疎開をし、一九四五年八月九日に、小名浜で米軍の焼夷弾の爆撃を受けた。命だけは助かったが、家も持ち物もすべて焼かれたという体験をしている。三歳の誕生日を迎える直前のことであったが、靑空と、藁ぶき屋根が燃えさかるオレンジ色の炎を、はっきりと記憶している。
その日、母が焼け跡で、米を入れてあったブリキの一斗缶の中を見て「みんな炭になっちゃった」とポツリと言って佇んでいたことを、小学一年だった姉はよく覚えている。その後、私たち家族は、アニメ映画『火垂るの墓』で描かれたような川辺の「岩屋」で暮らし、親戚や土地の人たちに助けられて生き永らえた。敗戦の年の十二月に東京に戻ると、皮肉なことに、疎開前に住んでいた借家は、焼けずに残っていた。私たち家族も戦争に翻弄されたが、幸いにして命を落とした者はなかった。
だが、この戦争で多くの人たちが亡くなっている。
私の小学校時代の同級生N君は父が戦死して、長い間、親類の家に同居していた。早稲田大学時代の同級生I君は、彼が生まれる前に父が戦死したため、父に抱かれたことがない。この友人たちの母親は「女手ひとつ」で子供を守り、育てた。私がおはぎを買いに行く伊勢屋のご主人は、東京大空襲の際に、二歳年上の兄と逃げたが、兄は生死不明のまま現在に至っている。私の周辺には、この他にも辛い戦争体験を持つ人たちが数多くいる。
 二〇〇九年五月に千葉の稲毛で講演を行った際に、小学校時代の同級生Kさんが友人二人を誘って聴きに来て下さった。暫くして、彼女から届いた綺麗な押し花付きの手紙には私が五十五年間全く知らなかったことが書かれていた。ご本人の承諾を得て、核心部分を紹介する。
「戦争放棄に関心がありました。私の父が戦死だからです。私は父の顔を知りません。父は若い時に耳を怪我して難聴になり、耳元で大きな声で話をしないと聞こえない状態だったそうです。昭和十九年、三十五歳のときに招集令状が来て狩りだされました。昭和二十年十一月(中華民国北***?)戦病死と書いた死亡通知が八ヶ月後に千葉の疎開先に届いて、増上寺に遺骨を引き取りに行ったのですが、渡された小さな箱には骨は入ってなく、お弁当箱と箸が入っていたそうです。母はそれを遺骨と思ってお墓に入れていたそうです。その母が九十六歳十カ月で亡くなりました。昨日、七七日忌の法要があり、お墓に母が入りました。建て替えたお墓には父の遺品はありませんでした。少し悲しい思いがしました。母に聞いたことを思い出して書いてみました。
 これからの人たちには、この様な思いをさせないように九条を守りたいです。」
私の身の回りにあったいくつかの例を紹介したのは、戦争による加害、国家的犯罪を不問にして、単に感情に訴え、戦争被害のみを強調するためでも、戦争こりごり論を展開するためでもない。伝えたかったのは、ひとたび国家が戦争を始めた時に、子供や母親たち父親たちがおかれていた冷厳な現実であり、平和への思いである。
私は昭和十七年九月生まれなので、太平洋戦争の時、戦争反対の表明は出来なかったし、責任もない。
しかしながら、現在は選挙権の行使、政治活動、市民運動、言論・出版活動等で戦争反対の意思表示が出来る。したがって、力及ばず憲法改悪、新たな戦争を許した場合、私にも責任の一端がある。いざという時には体を張ってでも九条を守るという言葉を聞くことがあるが、私自身は今がその「いざという時」だと思っている。


「目 次」

はじめに(4)
第一 「押し付け憲法」論のでたらめ
第二 安倍首相の所信表明演説に見る国民騙し
第三 「美しい国」「強い日本」のルーツ
平和への私の思い

三つのプロローグ(12)
プロローグ①…吉田茂元首相が『回想十年』に記した「押し付け憲法」論への反論(12)
プロローグ②…ポツダム宣言受諾と憲法改正の必然性(14)
プロローグ③…報道の違いで生じる差異(17)

第一部 新聞報道により一九四五年末までに形成された「憲法民主化」の世論(21)
外務省による意図的な誤訳(21)
「ポツダム」宣言受諾による民主化及び憲法改正の必然性(22)
民主化を進めなかった東久邇宮内閣(22)
法制局が自主的に行った憲法改正案研究(24)
外務省内での自由闊達な論議(26)
内大臣府の憲法研究(28)
憲法改正に消極的だった幣原内閣(31)
幣原内閣が憲法問題調査委員会を設置(33)
「平和」及び「平和国家」論の社説登場(38)
日本全国に吹く民主化の風(39) 
憲法民主化の世論(41)
日本国憲法の原型「憲法研究会」案の報道(44)
 書簡・出版物等に見る「憲法民主化」論(51)

第二部 新聞報道により追いつめられる松本国務相と幣原内閣(60)
憲法問題調査委員会無視の松本路線(60)
閣議における初めての憲法論議(64)
一月の新聞報道(64) 
二月一日・衝撃の「スクープ」報道(66)
全国二十一紙の「追い打ち」報道(68)
日本輿論調査所の調査結果(70)
GHQの動き(70) 
GHQ民政局の憲法制定会議(74)
二月十三日・外務大臣官邸(74)
松本国務相への不満が爆発した二月十九日の閣議(80) 
「押し付け憲法」論の始まり(82)
政府案作成を閣議決定(84)
松本・ホイットニー会談(86)
「戦争放棄」の原点は「パリ不戦条約」に!(87)
松本・ホイットニー会談以後について(88)
「政府、難局に直面」報道(90)

第三部 政府案についての国民的論議(92)
三月六日政府案の全文報道及び社説(92)
政府案の対する各党の態度(97)
「松本体制」から「金森体制」へ(98)
「憲法研究会」による批判的な声明(98)
讀賣新聞社主催『憲法草案批判講演会(99)
「庶民大学三島教室」主催の討論会(101)
各省庁の反応(102)
司法の民主化及び司法改革(103) 
共和制を規定した二つの憲法草案(105)
二つの世論調査に見る国民の意見(105)
国民の国語運動と「ひらがな口語体」草案の実現(108)
『憲法改正草案逐条説明』及び『憲法改正草案に関する想定問答』(110)

第四部 新憲法公布の記念行事(113)
北海道・東北地方(114)
関東・甲信越(134) 
北陸・東海地方(151)
近畿地方(164) 
中国・四国地方(172)
九州地方(186)

第五部 新憲法祝賀広告・・・大企業からキャバレーまで、そして露天商の組合も!(200)
北海道・東北地方(203)
関東・甲信越(204)
 北陸・東海地方(206) 
近畿地方(208)
中国・四国地方(210)
九州地方(212)

第六部 憲法普及会による多彩な活動
(一九四六年十二月―一九四七年十一月)(216)
『新しい憲法 明るい生活』の前文(216)   
憲法普及会の創設(217)
第一項 講習会及び講演会(218)  
第二項 出版・刊行物による普及活動(219)
第三項 芸能並びに民衆娯楽による啓蒙運動(220) 
第四項 記念作品の募集(223)
第五項 諸団体との提携事業(229)  
第六項 記念週間の設定並びに行事(229)
平和精神昂揚運動(231)

結びにかえて・・・吉田内閣の答弁より(234)
主な原資料と参考文献(236)
おわりに(237)
表紙デザイン 岩田行雄


※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから
歴史的事実をもって、安部首相と石原慎太郎議員の「押し付け憲法」論のデタラメを打破するこの本が十万部普及すれば、闘いは必ず勝てると思っています。

by kenpou-dayori | 2014-01-03 17:01 | 自著紹介
2014年 01月 03日

憲法便り#530 自著紹介⑤(その一) 『心踊る平和憲法誕生の時代』の「目次」

1月2日
c0295254_2383244.jpgc0295254_2375931.jpg


本書は、執筆途上にある『日本国憲法成立史の実証的再検討』と題する学位論文の中から、新聞報道による「憲法民主化の世論形成」、および「日本国憲法を国民がどのように迎えたか」という部分を判り易くまとめたものです。

『心躍る…』の書名は、1946年11月1日付『徳島民報』一面に掲載された《新憲法祝賀おどり》の広告の、次の喜び溢れる言葉に因んでいます。
「11月3日は新憲法公布の日だ、新日本の黎明だ、平和だ、友好だ、豊年じゃ、満作じゃ、みんなで祝う、阿波踊りが許された、踊りおどるなら華やかに踊ろう」(〔日時〕11月3日朝9時から夜11時まで〔会場〕市役所前〔主催者〕徳島商工会議所と徳島民報)。これが当時の国民の姿です。

調査した65紙に関しては、上記の標題紙に示してあります。新聞名を四角で囲んであるのは、調査した当時に国会図書館に所蔵がなかったので、各地の県立図書館(広島は市立図書館)を訪問して、現地調査したものです。


「目 次」

はじめに(4)
第一 「押し付け憲法」論のでたらめ
第二 安倍首相の所信表明演説に見る国民騙し
第三 「美しい国」「強い日本」のルーツ
平和への私の思い
本書の特徴

三つのプロローグ(12)
プロローグ①…吉田茂元首相が『回想十年』に記した「押し付け憲法」論への反論(12)
プロローグ②…ポツダム宣言受諾と憲法改正の必然性(14)
プロローグ③…報道の違いで生じる差異(17)

第一部 新聞報道により一九四五年末までに形成された「憲法民主化」の世論(21)
外務省による意図的な誤訳(21)
「ポツダム」宣言受諾による民主化及び憲法改正の必然性(22)
民主化を進めなかった東久邇宮内閣(22)
法制局が自主的に行った憲法改正案研究(24)
外務省内での自由闊達な論議(26)
内大臣府の憲法研究(28)
憲法改正に消極的だった幣原内閣(31)
幣原内閣が憲法問題調査委員会を設置(33)
「平和」及び「平和国家」論の社説登場(38)
日本全国に吹く民主化の風(39) 
憲法民主化の世論(41)
日本国憲法の原型「憲法研究会」案の報道(44)
 書簡・出版物等に見る「憲法民主化」論(51)

第二部 新聞報道により追いつめられる松本国務相と幣原内閣(60)
憲法問題調査委員会無視の松本路線(60)
閣議における初めての憲法論議(64)
一月の新聞報道(64) 
二月一日・衝撃の「スクープ」報道(66)
全国二十一紙の「追い打ち」報道(68)
日本輿論調査所の調査結果(70)
GHQの動き(70) 
GHQ民政局の憲法制定会議(74)
二月十三日・外務大臣官邸(74)
松本国務相への不満が爆発した二月十九日の閣議(80) 
「押し付け憲法」論の始まり(82)
政府案作成を閣議決定(84)
松本・ホイットニー会談(86)
「戦争放棄」の原点は「パリ不戦条約」に!(87)
松本・ホイットニー会談以後について(88)
「政府、難局に直面」報道(90)

第三部 政府案についての国民的論議(92)
三月六日政府案の全文報道及び社説(92)
政府案の対する各党の態度(97)
「松本体制」から「金森体制」へ(98)
「憲法研究会」による批判的な声明(98)
讀賣新聞社主催『憲法草案批判講演会(99)
「庶民大学三島教室」主催の討論会(101)
各省庁の反応(102)
司法の民主化及び司法改革(103) 
共和制を規定した二つの憲法草案(105)
二つの世論調査に見る国民の意見(105)
国民の国語運動と「ひらがな口語体」草案の実現(108)
『憲法改正草案逐条説明』及び『憲法改正草案に関する想定問答』(110)

第四部 新憲法公布の記念行事(113)
北海道・東北地方(114)
関東・甲信越(134) 
北陸・東海地方(151)
近畿地方(164) 
中国・四国地方(172)
九州地方(186)

第五部 新憲法祝賀広告・・・大企業からキャバレーまで、そして露天商の組合も!(200)
北海道・東北地方(203)
関東・甲信越(204)
 北陸・東海地方(206) 
近畿地方(208)
中国・四国地方(210)
九州地方(212)

第六部 憲法普及会による多彩な活動
(一九四六年十二月―一九四七年十一月)(216)
『新しい憲法 明るい生活』の前文(216)   
憲法普及会の創設(217)
第一項 講習会及び講演会(218)  
第二項 出版・刊行物による普及活動(219)
第三項 芸能並びに民衆娯楽による啓蒙運動(220) 
第四項 記念作品の募集(223)
第五項 諸団体との提携事業(229)  
第六項 記念週間の設定並びに行事(229)
平和精神昂揚運動(231)

結びにかえて・・・吉田内閣の答弁より(234)
主な原資料と参考文献(236)
おわりに(237)
表紙デザイン 岩田行雄


※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから
歴史的事実をもって、安部首相と石原慎太郎議員の「押し付け憲法」論のデタラメを打破するこの本が十万部普及すれば、闘いは必ず勝てると思っています。
自公政権とその補完者である維新の会の暴走を食い止め、憲法改悪を阻止しましょう。

by kenpou-dayori | 2014-01-03 17:00 | 自著紹介
2014年 01月 03日

憲法便り#535 宇都宮けんじさんと「東京都を変えていくキックオフ1・8集会」

1月3日
これも、今日届いたお知らせです。c0295254_1651469.jpg



by kenpou-dayori | 2014-01-03 16:06 | お知らせ
2014年 01月 03日

憲法便り#534 七生養護学校・裁判 2・1勝利確定報告集会のお知らせ

1日3日
「こいつは春から縁起がいいわ!」
児玉法律事務所から届いた嬉しいニュースをお伝えします。
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※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから
歴史的事実をもって、安部首相と石原慎太郎議員の「押し付け憲法」論のデタラメを打破するこの本が十万部普及すれば、闘いは必ず勝てると思っています。
自公政権とその補完者である維新の会の暴走を食い止め、憲法改悪を阻止しましょう。

by kenpou-dayori | 2014-01-03 15:58 | お知らせ
2014年 01月 01日

憲法便り#529 昭和21年1月1日朝日新聞「天皇、神格否定の詔書」「裁判所と検事局分離」ほか

1日1日
昭和21年1月1日(火)の「日本の民主化と憲法民主化の日歴」
入力の際の体への負担軽減のために、今後の「日歴」は一面のコピーを中心とします。(当時の新聞は、通常は、二頁建てです。)

[社説]
「年頭の新決意」

〔一面〕
年頭、国運振興の詔書渙発。
天皇、現御神にあらず 君臣信頼と敬愛に結ぶ。
裁判所と検事局分離 判検事に弁護士任用:司法制度を根本改革。
予審(制度)を廃止。
三権分立を推進 改革の意義。
その他。
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※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから
歴史的事実をもって、安部首相と石原慎太郎議員の「押し付け憲法」論のデタラメを打破するこの本が十万部普及すれば、闘いは必ず勝てると思っています。
自公政権とその補完者である維新の会の暴走を食い止め、憲法改悪を阻止しましょう。

by kenpou-dayori | 2014-01-01 21:40 | 戦後日本と憲法民主化報道