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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2013年 05月 23日

憲法便り#18 憲法公布記念シリーズ(第9回)「当時の富山県では」『北日本新聞』編 その2

2013年5月23日付
憲法便り#18 憲法公布記念シリーズ(第9回)「当時の富山県では」『北日本新聞』編 その2
今日は、昭和21年11月3日付二面と三面の紹介です。

ひとつ目は、昭和21年11月3日付二面の上半分。
「新憲法の意義と国民の心構え」と題しする記事に、憲法担当大臣金森徳次郎、衆議院憲法改正案委員会委員長芦田均、憲政の最長老尾崎行雄の談話が掲載されています。
その右側には、「黎明日本の歓び」と題する写真があります。

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ふたつ目は、11月3日付二面の下半分に掲載されている祝賀広告です。
「国家の繁栄と国民の福祉へ 民主 新憲法公布 一路永遠の自由と平和へ」とあります。 

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三つ目は、11月3日付三面の上半分。
「くり展ぐ奉祝絵巻」という記事とならんで、「“街の祝賀”風景」と題する四点の写真が掲載されています。その説明は、
1.大和劇場のチケット売り場
2.明治屋喫茶店
3.ヨイコたちに配給される祝賀のお菓子(富山市五福、製菓組合にて)
4.大居商事のショーウインドウ

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四つ目は、11月3日付三面の下半分。
「祝 新憲法公布 民主国日本建設」の祝賀広告は、「日本の再建はあなたの貯蓄で!」という富山銀行協会の言葉で始まっている。
その下に、「自由の輝き燦たり 新憲法公布」と題した、企業五社の広告があります。

また、上の中央にある「新憲法を祝う 今日の催し」欄には、次のことが報じられている。
記念県民大会、
高岡市民体育祭、
高岡競馬大会、
論文募集 題『大高岡論』

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明日は、11月3日付四面と11月4日付二面の紹介です。

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

# by kenpou-dayori | 2013-05-23 07:00 | 憲法公布記念シリーズ
2013年 05月 22日

憲法便り#17 憲法公布記念シリーズ(第8回)「当時の富山県では」『北日本新聞』編 その1

2013年5月22日付
憲法便り#17 憲法公布記念シリーズ(第8回)「当時の富山県では」『北日本新聞』編 その1

「お祝の人文字も」


富山県では『北日本新聞』と『富山新聞』(昭和21年3月11日創刊)の二紙がありますが、『北日本新聞』の紙面は、『富山新聞』との比較のみならず、全国各紙の報道と比較しても、当時の世相を最もよく、広範に伝えています。
したがいまして、『北日本新聞』に基き、今日から3回にわたって富山県を特集します。

今日は、昭和21年11月3日付一面を、上下ふたつに分けて紹介します。

はじめは、昭和21年11月3日付一面の上半分です。
最上段の右から左に『祝 シンケンポウ』とありますが、これは次のように紹介されています。「よき日を祝う人文字」「新憲法公布―富山市安野屋校ではこの佳き日を祝い、全校のヨイ子たちの感激を人文字でと、先生もヨイ子も共々に『祝、シンケンポウ』の文字を鮮やかにえがきだした。」
一面トップの記事は「新憲法けふ公布 国家再建へ世紀の祝典」、左側の論説は「新憲法公布を祝ふ」です。

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ふたつ目は、11月3日付一面の下半分です。
下段に「築□□ 民主国日本 新憲法公布」の祝賀広告があり、そこには、次の言葉が書かれています。

戦争の放棄を宣言して世界平和と民主化への大道を定めた新日本憲法は今日公布された。
然して、今回の新憲法は、悲惨なる敗戦に伴う祖国再建の基本構想をあますところなく定め、国家と国民の向かうべき大道を明かにした、正に画期的な法典である。
今や我れら国民のすべては、諸国民との協和と自由の恵澤とを確保し、再び戦争の惨禍を繰返さないと固く決意し、此の憲法を自らのものとし、廃墟と窮乏の中から起ち上がって、新しい民主主義国家を建設すべき責務を銘感せねばならない。

この格調高い文章に続いて、次の人々の名前が掲載されています。
富山県知事、
富山市役所 市長、
高岡市長、
富山県会議員(議長、副議長、議員25名)。

その左上に、北陸配電株式会社の「祝新憲法公布」と書いた祝賀広告には、次の言葉があります。
「パッと明るく楽しく 平和日本の大道へ‼」

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『北日本新聞』と『富山新聞』も、3.11大震災直後の時点では国立国会図書館が所蔵していなかったため、富山県立図書館で調査した資料です。

開館と同時に入館し、マイクロリーダーの席を確保するために、自宅を六時前に出発して富山駅着。そして、富山駅からはタクシーで千数百円の距離にある、小高い山の中にある富山県立図書館へ。

この図書館で一番困ったことは、マイクロフィルムがネガフィルムのため、黒い画面にある白い文字を読まなければならなかったことです。かなり苦労した上に、コピー代は、公立図書館としては最も高い一枚50円でした。でも、コピー代を支払った時には、一万円でお釣りが少しあった程度でしたが、苦労が実ったという充実感がありました。

この富山訪問は、私にとっては2回目のことでした。
初めての訪問は、2006年9月2日(私の64歳の誕生日)に開催された「富山医療生協 2006年度通信教育会開講式記念講演」に招かれた時。この日程は、9月1日から3日まで開催される「風の盆」と重なっているため、富山市内のホテルは満杯で、高岡市内のビジネスホテルをとっていただきました。その結果、思いがけない勉強をすることになりました。

富山市は、戦争中に米軍機の激しい爆撃により壊滅的な打撃を受けましたが、高岡市は爆撃を受けなかったため、古い街並みと、昔からのたたずまいが残っていたのです。
私が講演に招かれたところでは、「非戦災地」というのは少ないので、高岡の町並みは印象的でした。

講演会は勿論成功しましたが、この講演のきっかけを作って下さったのは、映画監督本木克英さんのお母さんでした。彼女は、富山県母親大会や、富山医療生協で活発な活動をなさっており、拙著『検証・憲法第九条の誕生』を注文して下さったことがきっかけで知り合いました。

本木克英監督のことは、丹波哲郎が天狗堂という富山の製薬会社の会長を演じた『釣りバカ日誌』で知りましたが、彼は、山田洋次監督流の浜ちゃんの「裸踊り」を拒否して、自分なりの作品を作り上げた、信念の方です。
映画『おかえり、はやぶさ』で、日本中の感動を呼んだことは、納得がいく結果です。

明日は、昭和21年11月3日付二面と三面の紹介です。

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

# by kenpou-dayori | 2013-05-22 07:00 | 憲法公布記念シリーズ
2013年 05月 21日

憲法便り#16 憲法公布記念シリーズ(第7回)「当時の宮崎県では」

2013年5月21日
憲法便り#16 憲法公布記念シリーズ(第7回)「当時の宮崎県では」

「歴史的新憲法公布」

今日は、『日向日日新聞』から、ふたつの紙面を紹介します。

ひとつは、昭和21年11月4日付一面の下段に掲載された祝賀広告。

企業五社による大見出しは、
「歴史的新憲法公布 民主日本再建」

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もうひとつは、11月4日付三面の下段に掲載された広告です。
「宮崎市復興祭」に続けて、「民主日本建設」の言葉。

二つの広告をあわせると、「新憲法公布」「民主日本再建」、「民主日本建設」と、この時代を象徴する言葉が並んでいます。

同じようなことは、『長崎新聞』や『佐賀新聞』など、他の新聞でも見かけます。
敗戦後の復興は、単なる経済的な復興ではなく、民主主義を基盤とする復興こそが、国民の思いでした。

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宮崎には、2004年10月23日に開催される、「宮崎革新懇・県労連・県学習協」共催の講演に招かれて、初めて訪問しました。

前日の昼前に宮崎空港に到着すると、講演会責任者の黒木利忠さんが出迎えて下さいました。
昼食を御馳走になったあとは、彼の愛車で宮崎の観光名所巡りです。
青島、
長く続く日南海岸、
途中の絶景ポイントでの写真撮影、
飫肥城めぐり。

陽が西に傾き始めたころ、黒木さんが「岩田さんは、寅さんの映画、お好きですか」と、私に問いかけました。
私が「大好きです」と答えると、彼は、宮崎への帰り道とは反対方向に、さらに南へと向かいました。
着いた所は、堀川という町。堀川運河が流れています。

ここで、『男はつらいよシリーズ』の第45作「寅次郎の青春」が撮影されました。
マドンナ役は、風吹ジュン。彼女が演じる女性が、小さな床屋を営んでいた町です。
私は『男はつらいよシリーズ』の全作品を見ていますが、第45作を見てすぐに思ったのは、「私がこの町を訪れることは、一生、ないだろうな」ということでした。

その町に連れて行ってもらったのですから、本当に感激でした。夕暮れが迫る町の風景は、あの作品の印象とぴったり重なるもので、こうして書いている今も、鮮やかに蘇ります。

翌日、「婦人会館」で行われた講演会は大成功でした。事前に宣伝カーを市内に走らせ、市民の皆さんへのお知らせもしていて下さったと伺いました。

明日からは3回にわたって憲法公布記念シリーズ(第8回)「当時の富山県では」を送ります。

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

# by kenpou-dayori | 2013-05-21 07:00 | 憲法公布記念シリーズ
2013年 05月 20日

憲法便り#15 憲法公布記念シリーズ(第6回)「当時の山梨県では」

2013年5月20日付
憲法便り#15 憲法公布記念シリーズ(第6回)「当時の山梨県では」

「元禄御所車も」

今日は、『山梨時事新聞』と『山梨日日新聞』から二つの紙面を紹介します。

はじめは、『山梨時事新聞』昭和21年11月2日二面から。
「民主憲法あす発布」
「裸みこしや仮装行列」
「元禄の御所車も出る」
「町から村から 喜びの鯨波」

こうした見出しのもとに、県内各地での催しを伝えています。

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二つ目は、『山梨日日新聞』昭和21年11月4日二面から。
「巷に笑顔の氾濫」
「新生吉日にあやかる『高砂ャー』」
「獄舎でも歓声」
「祝賀一色の県下」

やはり、これらの見出しで県民の喜びの様子を伝えています。
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ふたつの紙面を比べると、『山梨時事新聞』の方が具体例が豊富です。しかし、残念ながら『山梨時事新聞』は、現在は発行されていません。

この二つの新聞は、2011年4月の時点では国立国会図書館が所蔵していなかったため、甲府の山梨県立図書館で調査したものです。

当時の山梨県立図書館は築40年で、老朽化が進んでいたため、3.11大震災の時、棚から落ちた本は少なかったのですが、「壁の亀裂が大きくなりました」とのことでした。

同館の入り口には「地震を感じたら、直ちに館外に避難して下さい」と書いてありました。
ですから、とても不安な気持ちでマイクロフィルムを読み、プリント・アウトの作業をしたのですが、機械の動きが何と遅く感じられたことか。

当時、建築中だった新図書館は甲府駅に隣接した立派な建物になり、とても便利だそうです。

山梨県内では、下記の講演に招かれています。
山梨九条の会(2005年4月2日、甲府)
身延町九条の会準備会(2006年4月2日、身延町)
塩山九条の会(2006年9月9日、塩山)
八ヶ岳九条の会(2007年2月25日、長坂)

それぞれの会で、思い出深い出会いがありましたが、ここでは、八ヶ岳九条の会での出会いを紹介します。

講演が終了したあと、出口でご参加の皆さんを見送っていたところ、若い女性と彼女のお母さんが、『検証・憲法第九条の誕生』5冊を購入して下さいました。

その後、お礼の手紙や電話での会話から、彼女のお父さんが北杜市白州町に大きな道場を持つ有名な剣術家であることが判りました。

お父さんは、自分の娘を「さくら」と名付けるほど、山田洋次監督の大ファン。
実は、山田洋次監督の時代劇、主人公の剣術指南をしたのは、さくらさんのお父さんとのことです。

殺陣の指南役ではなく、あくまでも主人公の本物の「剣術」の型の指導です。
ですから、指導を受けた「キムタク」の演技は、かなり高い評価を受けました。

こうした出会いがあると、人生が何倍も楽しく感じられます。

明日は、憲法公布記念シリーズ(第7回)「当時の宮崎県では」です。

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

# by kenpou-dayori | 2013-05-20 07:00 | 憲法公布記念シリーズ
2013年 05月 19日

憲法便り#14 ご存知ですか?シリーズ(第3回) 国立国会図書館のHP・電子展示会「日本国憲法の誕生」

2013年5月19日
2015年8月3日(月)追加記入:掲載日および標題

憲法便り#14 ご存知ですか?シリーズ(第3回) 国立国会図書館のHP・電子展示会「日本国憲法の誕生」

私は、永田町にある国立国会図書館へは40分、竹橋にある国立公文書館へは30分という、憲法研究者としては恵まれた条件のところに住んでいます。
ですから、集中的に調査を行う時には、国立国会図書館に文字通り日参します。

利用するのは、
本館四階・憲政資料室
新館四階・新聞資料室
新館三階・議会官庁資料室
新館二階・雑誌カウンター
新館一階・電子資料室
本館二階・総合カウンター(図書の館内貸し出し)
本館二階・人文資料室

私は、これら資料室をフルに活用し、総合的な調査・研究を進めてきました。「活用」という表現では単なる物質的な利用という感じになりますが、疑問点の解決、研究の進展には、各セクションの職員の方々の豊富な知識による助言が、大きな力となりました。
特に、憲政資料室の皆さんには大変お世話になりました。

『心踊る平和憲法誕生の時代』は、そうした調査・研究の集大成として執筆途上にある博士論文『日本国憲法成立史の実証的再検討』の中から、当時の新聞報道が果した役割及び国民の動きをまとめたものです。

東京から遠く離れて暮らしている方々が私と同じように国立国会図書館を直接訪ねて、資料を利用するのは難しいことと思いますが、インターネットを利用すれば、ご自宅に居ながらにして原資料を閲覧し、専門的なところに踏み込んだ憲法に関する調査研究が可能です。

それを可能にするのが、
国立国会図書館のホームページ・電子展示会の「日本国憲法の誕生」
http://www.ndl.go.jp/constitution/です。
この展示会は2003年5月3日に公開され、翌年に第2期として追加されています。

「日本国憲法の誕生」のメインとなる「資料と解説」には、詳しい解説がつけられていますので、とても分かり易いです。

「資料と解説」の構成と項目は、
第1章 戦争終結と憲法改正の始動(1-23)
第2章 近衛・政府の調査と民間案(1-20)
第3章 GHQ草案と日本政府の対応(1-28)
第4章 帝国議会における審議(1-17)
第5章 憲法の施行(1-14)
その他にも、リンクされた情報が多数あります。

とにかく、一度アクセスなさって見て下さい。原資料の山、宝の山です。皆さんも、かなりの専門家になれます。

公務員の方々は、何か問題が起きると、全公務員をひとくくりにした批判や攻撃にさらされることが多いので心を痛めておりますが、これは、私から国立国会図書館の皆さんへの感謝を込めた紹介コーナーです。

明日は、憲法公布記念シリーズ(第6回)「当時の山梨県では」です。

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

# by kenpou-dayori | 2013-05-19 07:00 | ご存知ですか?シリーズ