岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2013年 09月 29日

憲法便り#325 『朝日新聞』が昭和20年9月に連載した歴史の証言「ヒットラ来り去る」 

昭和20年9月の「日本の民主化、憲法民主化の日歴」への補足。
昭和20年9月17日から25日までの間に、『ヒットラ来り去る』と題する連載が、下記の通り、6回にわたって掲載された。
筆者は、前ベルリン支局長守山義雄(1910-1964)。この連載を執筆した時、彼はちょうど30代半ばである。朝日新聞大阪本社勤務。

各回とも、第二次世界大戦中のヨーロッパの生々しい様子、そして人々の息づかいが伝わってくる名文である。
全文を紹介したいところだが、著作権の問題もあり、また、それぞれ長文なので紹介方法を検討している。
今回は、とりあえず連載開始にあたっての冒頭の文章を、原綴(げんてつ)のまま紹介する。カッコ内は、岩田による補足。

「ながい悪夢の夜があけた。頭の芯のどこかに『見よ東海の』といふうたの調べがのこつてゐる。いゝうたであつたのに、いまはなんとなく頭がいたい。何の因果であらうか、伯林(ベルリン)と東京と、敗れさる二つの首都の目撃者となつた自分にいま『自由なペン』が與へられた。あゝ自由なペン!新聞記者になつていく年そのことを夢にみたことか。まだこの『自由』は借りものだけれど、それでもなほ讀者にいくぶんの眞実をつたへうるであらう。さて何を書かうか。軽いゝゝしかしある意味で哀しいペンを握つて、ぢつと目をとぢた。」
(岩田注:「軽いゝゝ」は、原文は縦書きなので、長い二文字文の「〱」が使われている)。

前ベルリン支局長 守山義雄著「ヒットラ来り去る」の見出し一覧。 
①9月17日二面 失われた言論:離反する“思想の闇”、勝利のみが支えた独裁。
②9月18日二面 制服文化の失敗:沙漠のナチス楼閣、恐喝者をつくる教育。
 (9月19日、20日は刊行停止)
③9月21日四面 ルーレットと戦争:切りあげの“潮どき”、運命かけた恐ろしい偶然。
④9月23日二面 開戦の秘密:遂に陥る侵略の轍、鍍金のはげた戦争目的。
⑤9月24日二面 英雄国を滅ぼす:買手なき“民族理論”、こけおどしの「舞台美術」。
⑥9月25日二面 世界戦の遺:業病の血、軍国主義。同胞よ、新鮮な空気の中に。

〔次回以降の予告〕①9月17日二面「失われた言論:離反する“思想の闇”、勝利のみが支えた独裁」の全文を、「二つの戦勝演説」、「誤れる栄光の眩惑」(追加訂正)、「自由なきペンの兵」、「盲聾唖の奴隷状態」の順で、4回(追加訂正)に分けて紹介します。
暴走する安倍政権のありようと、ヒトラーの政治手法あまりにも類似していることに、驚くことと思います。


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# by kenpou-dayori | 2013-09-29 07:30 | ナチス
2013年 09月 29日

憲法便り#334 昭和20年9月29日「日本の民主化、憲法民主化の日歴」

今日は、昭和20年9月29日付『朝日新聞』に基づいています。

昭和20年9月2日(土)

[社説]
「軍需会社の補償に慎重なれ」

[日本に関係するアメリカの動向および世論]
聖上(天皇のこと)米記者に御言葉:全世界平和に寄与、民生を確保、社会的安定を達成【ニューヨーク特電二十六日発=ニューヨーク・タイムス特約】

[日本国内]

〔連合国最高司令部の動き〕
軍用資材を民用へ繊維等の生産許可、いずれも条件付き:民需品応急生産、生糸、絹糸、火薬は除外。
マ元帥、厚生保健確保を指令:病院再開、水道を復旧。

〔政治〕
天皇がマ元帥を訪問。二十七日アメリカ大使館で撮影した写真(マッカーサーと天皇)
政府「議会制度」の徹底改革に着手、内閣に審議会を設置。
新党樹立に主力、旧日政の少壮議員。
二十八日に社会党準備委員会。

〔経済・産業〕
軍用工場の転換、申請手続き今日発表。
調査書提出の期限、商工省から関係者へ注意:不提出、虚偽の報告は処罰。農林、商工両省きょう公布施行。

〔行政・司法〕
新たに地方行政事務局、地方総督府は廃止。
殖える裁判調停の窓口、来月から新宿伊勢丹に分室開設。

〔社会・労働〕
新通信社の設立を具体化。
産業報国会、あす解散式。

〔生活用品・食糧事情〕
お鍋に生れ変る鉄兜。
民需物資の不足状況、特に厨房用品、日用雑貨。
万全期す軍需品分配。
こんにゃく出廻る。

〔文化・スポーツ〕
生れ出る日本音楽連盟:文化外交「音楽祭」へ、心も躍る前奏曲。
来月一日から放送内容を一新、家庭婦人の時間も。
東京駅員の暴状発覚。

〔犯罪〕
乗客を犬箱に監禁、身体検査のうえ所持金を強奪。

〔戦争の犠牲〕
米の海上封鎖による飢餓作戦に屈す、南海孤島の将兵相次ぎ斃る【真珠湾二十七日発SF=同盟】

[外国]
ジュウコフ元帥訪米【ワシントン特電二十七日発=AP特約】


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# by kenpou-dayori | 2013-09-29 07:15 | 戦後日本と憲法民主化報道
2013年 09月 29日

憲法便り#333 昭和20年9月28日「日本の民主化、憲法民主化の日歴」

今日は、昭和20年9月28日付『朝日新聞』に基づいています。

昭和20年9月28日(金)

[社説]
「対支態度の究明」

[日本に関係するアメリカの動向および世論]
対日連合、管理会議考えず。トルーマン大統領言明、艦艇処分は賠償会議で【ワシントン特電二十六日発=AP特約】
東京を初空襲の三飛行士を、1942年に上海で日本人が処刑したと、米側が詳報を正式発表【ワシントン特電二十六日発=AP特約】


[日本国内]

〔連合国最高司令部の動き〕
統制は民生をほんい、労働者の団体契約を示唆。指令第三号、経済政策の注意通告。
株式、および商品取引所の再開は事前承諾要す。
命令により内務省に調査部、軍需品の民需向け処理。枢要地に支局、出張所。

〔米軍司令部〕
民需生産の活発化促進。

〔政治〕
天皇がマ元帥を訪問。35分に亘り会談。(写真なし)
初の戦後対策審議会、基本方針を諮問。
右翼団体「黒龍会」解散。

〔経済・産業〕
桑園転換中止、中央蚕糸会決議。
闇市粛清のため価格を表示、警視庁新方針を指示。

〔社会・労働・生活事情〕
「新日本会員組合」結成:十月五日、神戸で発会式。
国際平和協会創立総会、総裁に首相推戴。
国鉄、要員を減少。女車掌もやがては男に。

〔教育〕

〔文化・スポーツ〕
日米野球大いに賛成。米紙報【ニューヨーク二十五日発SF=同盟】

〔戦争の犠牲〕
遭難船員十一万六千、大東亜戦中に尊い犠牲。

〔国外の日本人〕
金子代議士談、朝鮮在留邦人に近況:生命、財産の不安なし。

〔進駐軍の動向〕
第六軍神戸へ【神戸発】
関西進駐第二陣上陸【和歌山発】
姫路へも進駐【姫路発】
千葉・茂原町にも進駐【千葉発】
茨城の進駐打合せ【水戸発】
福島へ米第二十七師【福島発】
山梨の進駐軍調査【甲府発】

[外国]
ソ連、ハンガリーと国交再開【モスクワ二十六日発SF=同盟】
中国軍、日本へ派遣【重慶】


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# by kenpou-dayori | 2013-09-29 07:00 | 戦後日本と憲法民主化報道
2013年 09月 28日

憲法便り#332 本日休刊のお知らせ

体調不良につき、休養のため本日休刊いたします。

明日の予定は、以下の通りです。

昭和20年9月28日「日本の民主化、憲法民主化の日歴」
昭和20年9月29日「日本の民主化、憲法民主化の日歴」
歴史教育者協会編『歴史地理教育』10月号に掲載された『心踊る・・・』の書評。
『朝日新聞』が昭和20年9月に連載した歴史の証言「ヒットラ来り去る」
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# by kenpou-dayori | 2013-09-28 07:03 | お知らせ
2013年 09月 27日

憲法便り#331 昭和20年9月27日「日本の民主化、憲法民主化の日歴」

今日は、昭和20年9月27日付『朝日新聞』に基づいています。

昭和20年9月27日(木)

[社説]
「安易を思う勿れ」

[日本に関係するアメリカの動向および世論]
米紙論評:封建勢力粉砕、対日管理政策の眼目【ニューヨーク二十五日発SF=同盟】


[日本国内]

〔連合軍司令部の動き〕
最高司令官、処分を命令:軍需品、破壊ののち返還。米軍作戦用、記念品を除く。

〔経済・産業〕
戦後経済再建と財閥の動向。
大資本、解体命令に:転換策に全力、見逃せぬ国内輿論の硬化。
許される対外貿易、経済関係命令、外務省の見解。
證券市場を再開、来月一日から全国に(広島を除く)。
東京都商工経済会、進駐軍慰安バザー。

〔社会・生活事情〕
姿消す無茶な闇値、新宿に正札付き露天商組合。
冬を控え毛布、布団を戦災者達に配給。受配認定は地方長官に一任。
早くも深刻な就職風景:どっと求職者の群、八割は旧軍需工場職員。
計画は樹てたものの、心細い都の手持ち燃料。

軍旗奉焼式。

〔教育〕
体育会・学振を解散、純民間団体に切換え。
校友会として活動、生れ替る学校報国会。
理科偏重を是正、高校理科生の文科転科を認む。

〔文化・スポーツ〕
日本出版会を解散、新団体を結成。

〔進駐軍の動向〕
弘前、八戸両市へ。

[外国]
ヒットラー生存説【ロンドン二十五日発SF=同盟】


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# by kenpou-dayori | 2013-09-27 07:00 | 戦後日本と憲法民主化報道