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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2019年 10月 22日

憲法便り#2814:『想画と綴り方~戦争が奪った子どもたちの”心”』を視て語る会。に参加して考えたこと!(加筆・第二版)

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10月19日(土)に、会場でもらった資料の中に、「想画と綴り方」についての実物の絵が入っているチラシがあったので、追加します。






































































これは、放送を語る会から贈られてきたチラシです。
写真右が伊藤清隆氏、その左が砂川浩慶氏。

表題が少し違いますが、分かりやすい。



















憲法便り#2814:『想画と綴り方~戦争が奪った子どもたちの”心”』を視て語る会。に参加して考えたこと!(加筆・第二版)


去る8月15日に「ブログ再開」と書いてから、2ヶ月を経過してしまった。研究発表ほか、いろいろと重なって、身動きが取れない感じであった。そして、その間に、書きたいことがいろいろと溜まってしまった。

だが、今日、午後2時から5時まで、立教大学で開催された、『想画と綴り方~戦争が奪った子どもたちの”心”』を視て語る会、に参加したことをきっかけに、再開することとした。

集会の主催者は、
立教大学社会学部砂川ゼミ:日本ジャーナリスト会議(JCJ):放送を語る会:メディア総合研究所
<開催趣旨>(主催者の原文のまま)
昭和初期、山形県では自分の身の回りをありのままに描く「想画」が実践され、東根市の長瀞小学校には、これらの925枚が有形文化財として大切に受け継がれてきた。しかし、それを指導した教師は治安維持法違反で逮捕されてしまう。この経緯を追い、2019年JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞とともに、民教協(民間放送教育協会)スペシャル、2019年日本民間放送連盟賞テレビ教養番組部門最優秀賞にも選ばれた作品を視聴、その後、制作者から話しを伺う。
<スケジュール>
14:00 開会
14:05 上映
14:55 休憩
15:55 トークセッション
 講師:伊藤清隆・山形放送取締役報道制作局長
 聞き手:砂川浩慶・立教大学社会学部メディア社会学教授
 ◇視聴した学生からの質問コーナー
 ◇会場からの質問コーナー
17:30(予定)終了:実際の終了は17:00

私にとって大変興味深かったのは、砂川ゼミを代表する形で予め用意されていた、二人の三年生の学生の感想と質問であった。メディアの利用、考え方、これは、とても重要なこと。
今夜は時間が遅くなってしまったので、この続きは、明日にします。

二人の三年生が砂川ゼミに所属したのは、今年になってからのこと。
二人の意見が共通していたのは、かれらが利用しているメディアは、インターネット(SNSや動画を含む)で、大マスコミ、とくに視聴率ですべてが決められてしまうようなテレビなどは、ほとんど、日常的な利用の対象外ということであった。
ただし、インターネットは便利であるが、ほとんどが匿名であり、その内容もどこまで信頼できるのかが問題であることを指摘していたことである。
そして、どこまで、その信頼性を高めることが出来るかということを真剣に考えていたことが強く印象に残った。
二人の学生代表のお名前は、プライバシーの問題もあるのでふれない。

私は、討論が終了した時点で、伊藤氏、砂川氏は勿論のこと、二人の三年生にも名刺を渡した。
そして、とくに、二人の学生さんには、私は、ブログをすべて実名で書いていることを伝え、是非、見て欲しいと伝えた。拙著を謹呈する約束もしている。

討論の中での数々のエピソードは、非常に興味深い話が多いのだが、ここではふれずに終わることとしたい。
この集いに関しては、続編を書くことにしたいと思っている。


by kenpou-dayori | 2019-10-22 13:09 | 今日の話題
2019年 10月 21日

憲法便り#2813: 10月20日(日)開催の2019秋の研究集会「憲法『改正』、教室の論議はどうあるべきか」に参加してきました。

憲法便り#2813: 10月20日(日)開催の2019秋の研究集会「憲法『改正』、教室の論議はどうあるべきか」に参加してきました。

会場は、全国教育文化会館(エデュカス東京)
主催は、平和・国際教育研究会および東京高校生平和ゼミナール世話人会
集会の内容は、
佐貫浩さん(法政大学名誉教授/平和・国際教育研究会会長)の講演
「『憲法改正論争事態』における憲法・平和教育の責務を考える」
および教育現場からの二つの報告で構成されていた。

私は、教育現場での実践はないので、発言の機会がないので、体調がすぐれないこともあって、
前半の講演のみの参加。
帰る前に、佐貫浩さんと挨拶をし、拙著を贈呈した。
講演に関して、メモはとったのだが、纏まっていないため、取りあえずの紹介は、差し控えたい。
また、二つの実践報告に関しては、具体的で、詳細なレポートが出されており、大変興味深いが、まだ読み切れていないこと、それにどこまでをインターネット上で明らかにして良いのか報告者に確認していないので、紹介は差し控えたい。

ただし、一言ふれておきたいことは、安倍政権が「改憲」を急いでいることに対する危機意識は、鮮明に感じ取ることが出来たということである。
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by kenpou-dayori | 2019-10-21 21:51 | 教育問題
2019年 10月 21日

憲法便り#2812:新国立劇場で現代版「どん底」を見て考えたこと。

憲法便り#2812:新国立劇場で現代版「どん底」を見て考えたこと。

シリーズ「ことぜん」の第一弾。・・・・・・個人と全体を考えるシリーズ。
小川絵梨子芸術監督第2シーズンの幕開けを飾るシリーズ第一弾です。「ことぜん」とは個人と国家、個人と社会構造、個人と集団の持つイデオロギーなど、『一人の人間と一つの集合体」の関係をテーマとしています。この「どん底」は文学座の新鋭演出家、五戸真理枝が本作に「社会と人間」というテーマを見出し、新しい視点でその本質を捉えます。若い感性で描く21世紀の『どん底』にご期待下さい。

以上は、チラシに書かれていることを、見やすくするために、紹介したものです。

去る10月17日に観劇する機会を得た。
現代社会の工事現場を舞台にした設定には、正直なところ、違和感があった。

だが、問題提起としては、成功していると思う。ゴーリキーの作品を読んだことがない若者にも、生きることの意味、生きる喜びと悲しみを率直に伝えることが出来ている。
個人が自分の意見を表明することが、著しく困難になって来ている現代社会への挑戦でもある。

「ことぜん」シリーズ講演の今後に期待したい。

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by kenpou-dayori | 2019-10-21 08:28 | 音楽・舞台芸術・芸能・映画
2019年 10月 19日

憲法便り#2810:『想画と綴り方~戦争が奪った子どもたちの”心”』を視て語る会。に参加して考えたこと!

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これは、放送を語る会から贈られてきたチラシです。
写真右が伊藤清隆氏、その左が砂川浩慶氏。

表題が少し違いますが、分かりやすい。
















憲法便り#2810:『想画と綴り方~戦争が奪った子どもたちの”心”』を視て語る会。に参加して考えたこと!

去る8月15日に「ブログ再開」と書いてから、2ヶ月を経過してしまった。研究発表ほか、いろいろと重なって、身動きが取れない感じであった。そして、その間に、書きたいことがいろいろと溜まってしまった。

だが、今日、午後2時から5時まで、立教大学で開催された、『想画と綴り方~戦争が奪った子どもたちの”心”』を視て語る会、に参加したことをきっかけに、再開することとした。

集会の主催者は、
立教大学社会学部砂川ゼミ:日本ジャーナリスト会議(JCJ):放送を語る会:メディア総合研究所
<開催趣旨>(主催者の原文のまま)
昭和初期、山形県では自分の身の回りをありのままに描く「想画」が実践され、東根市の長瀞小学校には、これらの925枚が有形文化財として大切に受け継がれてきた。しかし、それを指導した教師は治安維持法違反で逮捕されてしまう。この経緯を追い、2019年JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞とともに、民教協(民間放送教育協会)スペシャル、2019年日本民間放送連盟賞テレビ教養番組部門最優秀賞にも選ばれた作品を視聴、その後、制作者から話しを伺う。
<スケジュール>
14:00 開会
14:05 上映
14:55 休憩
15:55 トークセッション
 講師:伊藤清隆・山形放送取締役報道制作局長
 聞き手:砂川浩慶・立教大学社会学部メディア社会学教授
 ◇視聴した学生からの質問コーナー
 ◇会場からの質問コーナー
17:30(予定)終了:実際の終了は17:00

私にとって大変興味深かったのは、砂川ゼミを代表する形で予め用意されていた、二人の三年生の学生の感想と質問であった。メディアの利用、考え方、これは、とても重要なこと。
今夜は時間が遅くなってしまったので、この続きは、明日にします。

二人の三年生が砂川ゼミに所属したのは、今年になってからのこと。
二人の意見が共通していたのは、かれらが利用しているメディアは、インターネット(SNSや動画を含む)で、大マスコミ、とくに視聴率ですべてが決められてしまうようなテレビなどは、ほとんど、日常的な利用の対象外ということであった。
ただし、インターネットは便利であるが、ほとんどが匿名であり、その内容もどこまで信頼できるのかが問題であることを指摘していたことである。
そして、どこまで、その信頼性を高めることが出来るかということを真剣に考えていたことが強く印象に残った。
二人の学生代表のお名前は、プライバシーの問題もあるのでふれない。

私は、討論が終了した時点で、伊藤氏、砂川氏は勿論のこと、二人の三年生にも名刺を渡した。
そして、とくに、二人の学生さんには、私は、ブログをすべて実名で書いていることを伝え、是非、見て欲しいと伝えた。拙著を謹呈する約束もしている。

討論の中での数々のエピソードは、非常に興味深い話が多いのだが、ここではふれずに終わることとしたい。
この集いに関しては、続編を書くことにしたいと思っている。












by kenpou-dayori | 2019-10-19 23:07 | 今日の話題
2019年 10月 19日

憲法便り#2810:『想画と綴り方~戦争が奪った子どもたちの”心”』を視て語る会。に参加して考えたこと!

憲法便り#2810:『想画と綴り方~戦争が奪った子どもたちの”心”』を視て語る会。に参加して考えたこと!

去る8月15日に「ブログ再開」と書いてから、2ヶ月を経過してしまった。研究発表ほか、いろいろと重なって、身動きが取れない感じであった。そして、その間に、書きたいことがいろいろと溜まってしまった。

だが、今日、午後2時から5時まで、立教大学で開催された、『想画と綴り方~戦争が奪った子どもたちの”心”』を視て語る会、に参加したことをきっかけに、再開することとした。

集会の主催者は、
立教大学社会学部砂川ゼミ:日本ジャーナリスト会議(JCJ):放送を語る会:メディア総合研究所
<開催趣旨>(主催者の原文のまま)
昭和初期、山形県では自分の身の回りをありのままに描く「想画」が実践され、東根市の長瀞小学校には、これらの925枚が有形文化財として大切に受け継がれてきた。しかし、それを指導した教師は治安維持法違反で逮捕されてしまう。この経緯を追い、2019年JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞とともに、民教協(民間放送教育協会)スペシャル、2019年日本民間放送連盟賞テレビ教養番組部門最優秀賞にも選ばれた作品を視聴、その後、制作者から話しを伺う。
<スケジュール>
14:00 開会
14:05 上映
14:55 休憩
15:55 トークセッション
 講師:伊藤清隆・山形放送取締役報道制作局長
 聞き手:砂川浩慶・立教大学社会学部メディア社会学教授
 ◇視聴した学生からの質問コーナー
 ◇会場からの質問コーナー
17:30(予定)終了:実際の終了は17:00

私にとって大変興味深かったのは、砂川ゼミを代表する形で予め用意されていた、二人の三年生の学生の感想と質問であった。メディアの利用、考え方、これは、とても重要なこと。
今夜は時間が遅くなってしまったので、この続きは、明日にします。

集会の進行は、
上映:
JCJ賞受賞番組






by kenpou-dayori | 2019-10-19 23:06 | 今日の話題
2017年 04月 27日

憲法便り#1990:連合通信隔日版で、拙著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』をご紹介いただきました!

2017年4月27日(木)(憲法千話)

憲法便り#1990:『連合通信』隔日版で、拙著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』をご紹介いただきました!

去る4月13日に、連合通信社編集長伊藤篤さんのインタビューを受けましたが、同社の『連合通信』(隔日版)2017年4月22日号に、拙著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』の紹介記事が掲載されました。

北海道から九州まで、各地の表情を丁寧にご紹介いただきましたので、ご了解のもとに、表紙、目次、1-5ページを掲載致します。
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by kenpou-dayori | 2017-04-27 20:14 | 掲載紙・掲載誌
2017年 01月 03日

憲法便り#1894:年頭20話(その6)新宿のスーパー区議・三雲崇正さん(民進党)から、拙著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』への推薦文をいただきましたので紹介します

2017年1月3日(火)(憲法千話)

(一覧しストに戻るのは、ここをクリック)

憲法便り#1894:年頭20話(その6)新宿のスーパー区議・三雲崇正さん(民進党)から、

拙著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』への推薦文をいただきましたので紹介します

私が三雲崇正さんをスーパー区議と呼ぶのは、現在、大きな問題となっているTPPの問題に関して、すでに、国政レベルでの活動をしていることによります。(TPPの活動に関しては、ここをクリック)

その活動の反映として、昨年11月26日に開催された区政報告会には、海江田万里元衆院議員、小川敏夫参院議員、 山田正彦元農林水産大臣の三氏が出席、さらに、TPP問題で三雲さんから多大な協力を得た、社民党副党首の福島みずほ、自由党の山本太郎の両氏からもメッセージが届いていました。

三雲崇正さんの経歴は、ホームページにリンクしますので、そちらをご覧下さい。(ここをクリック)


三雲さんとの出会いは、一昨年の区議会議員選挙の時です。

高田馬場駅近くのある銀行前で、聴衆が一人もいないにも拘わらず、熱心に政策を訴えていたことに好感を持ち、話が一段落したところで、言葉をかけました。

「私は共産党支持者であるけれども、あなたの話はなかなかいいですね。ところで、改憲問題について、あなたはどのような見解をお持ちですか?」

彼は、ちょっと緊張した面持ちで、次のように答えました。

「私は弁護士ですから、今の憲法は守ろなければならないと思っています。ですから、いまの安倍政権の改憲論議には反対です。」

彼は、初めての立候補で見事に当選しました。

その後、高田馬場駅前広場で街頭演説をしている三雲さんを見かけ、拙著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』を勧めたところ、こころよく注文の返事を下さった。

その年の12月に新宿の柏木公園で開催された集会に参加した折に、三雲さんから講演依頼を受けました。

これが、私の著作への評価の始まりでした。

そして、2016年4月22日(金)に講演会が実現し、50名ほどの方々のご参加を得て、成功裡に終わりました。

講演会の最後に、三雲さんは参加者の皆さんに、「私は、東大の学生時代の講義で聞いたのは、憲法についての解釈で、今日のような憲法の成立史については聴いたことがありませんでした。入口においてある岩田さんの著作『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』をぜひおすすめします。」と訴えかけました。

三雲さんとのお付き合いは、この時から始まったと言えます。かれの良いところは、決して「知ったかぶり」をしない誠実なことです。

今回の推薦文は、何も「注文をつけずに」、いただいた文章を、批判も含めてそのまま公表するという約束で、私からお願いしたものです。ご多忙な時に、詳細な文章を書いてくださったことに心からの感謝と敬意を表して、紹介いたします。

*************************************************

岩田行雄氏の『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』について

(新宿区議会議員・弁護士 三雲崇正)

 昨今、「憲法」がクローズアップされている。

 2012年に当時野党であった自民党が憲法改正草案を発表し、明確に憲法改正を掲げて政権に再挑戦して以来、4度の国政選挙を経て、憲法改正を是とする政党、いわゆる改憲勢力が衆参両議院の3分の2を占めるまでに至った。その間、いわゆる戦争法案とも呼ばれる集団的自衛権の行使を認める新たな安全保障関連法制が成立し、それに基づく自衛隊の海外派遣も行われ、立憲主義の動揺が指摘されている。両議院の憲法審査会も少しずつではあるが、憲法改正の論議を視野に入れた討議が始まっている。

 そもそもなぜ憲法を改正するのか。改正箇所についての様々な論点に関する議論が展開されている。新しい人権に対応するため、新たな国際環境に対応するため、二院制を含む統治機構を見直すため、緊急事態に対応するため、付随的でない違憲立法審査権を裁判所に認めるため、等々。筆者も、弁護士、地方議員の立場から、違憲立法審査権の充実は憲法の理念の徹底のために必要であり、「地方自治の本旨」だけでは中央集権国家からの脱却は心許ないと思うことがある。

 他方で、我が国の最高法規、根本法規である憲法を変えるという以上、より本質的な憲法理解、日本国憲法がどのように成立し、何のために存在し、従前そのように運用されてきたのかについての理解が深まらなければ、政治的立場を超えて改正を検討すべき論点に焦点を当てることは不可能である。本質的な憲法理解を欠いた改正は、憲法をグロテスクな修辞で飾り立てた空虚な法典に変え、最高法規、根本規範としての実質的な力を弱めるだけのものに終わる恐れがある。今国民が必要としているのは、個別具体的な改憲案を前提とした先走った論点整理ではなく、そのような意味での憲法理解であり、それを土台として初めて、次代に恥じない有意義な憲法改正論議が可能になる。

本書は、上述した憲法理解のうち、日本国憲法がどのように成立したのかに関する視座を提供する、実証的な研究成果である。

憲法改正を主張する論拠の一つとして、しばしば「押し付け憲法論」が語られる。曰く、日本国憲法は占領下においてGHQ主導で、強制されたという。安部晋三首相も、憲法改正草案を掲げて政権復帰を目指していた201212月、「みっともない憲法ですよ、はっきり言って。それは日本人が作ったんじゃないですからね。」と発言しており、自民党憲法改正草案のバックボーンにこのような見方が存在することは明らかである。

現在、有力な憲法学者の中に、「押し付け憲法論」に与する論者はほとんど存在しない。それでも「押し付け憲法論」が根強く主張され続ける理由は、それが判りやすいこともさることながら、従前の日本国憲法制定過程に関する研究が、十分な反論を提供してこなかったことにもあると思われる。一般的な議論の対象は、当時の日本国政府とGHQとの交渉内容、日本国政府、GHQそれぞれにおける検討経過、有力な学者の議論、帝国議会での審議内容にとどまっており、当時の国民一般が何を考え、何を求めていたのかについてまで視野を広げた実証的な検証が存在してこなかったことが、「押し付け憲法論」に力を与えてきたのではないか。

本書の第1部において、岩田氏は、19458月の敗戦直後からの新聞報道と社説に着目する。ここでは、朝日、読売といった全国紙だけでなく、大小の地方紙をくまなく調査し、敗戦に直面した国民が、「新体制」の必要を認め、それが「新憲法」を求める世論を形成するまでの流れが克明に描かれている。

そして、第2部以降では、GHQに促され、また世論に押される形で憲法改正案を検討し始めた当時の日本政府が、新聞報道やそれに刺激された世論の高まりを受け、現在の日本国憲法の姿に近い民主的な憲法案に向かっていった状況、さらには政府案が帝国議会で審議される過程で国民の間に起こった議論の内容について、残された様々な公文書、新聞報道にも言及し、政府、議会、GHQそして世論が相互に作用しつつ日本国憲法が制定されたことを明らかにする。

また、第4部以降、新憲法と呼ばれた日本国憲法が国民に歓迎され、国民自身がその普及に尽力した様子に、新聞記事、社説のみならず、企業や様々な商業組合が出稿した新憲法祝賀の新聞広告などにも言及して描き出し、ここに至って、日本国憲法がGHQにより押し付けられたとの議論が無意味であることが明らかになる。

日本国憲法が当時の政府との間では押し付けられたものであったとしても、国民・世論の意思に反して押し付けられたものではないとの従来型の議論に対しては、しばしば、それは護憲派の希望的な解釈ではないのか?といった反論が投げかけられる。しかし、全国の図書館を巡って当時の地方紙を収集し、その内容を忠実に引用する本書における岩田氏の実証的なスタイルを前に、このような反論は意味をなさない。

収集された記事によって、敗戦後の国民世論が、「新体制」、「新憲法」を求め、さらに「新憲法」の姿を積極的に論議し、それが日本国憲法の内容に影響したこと、また議会で可決された「新憲法」の誕生を祝賀したことは、揺るがし難い事実として明らかになっている。日本国憲法がどのように成立したのかに関する私たちの理解は、憲法改正に関する立場を抜きにして、ここから出発せざるを得ない。本書のサブタイトルは、「押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論」であるが、まさに「看板に偽りなし」といえよう。

前述のとおり、次代に恥じない憲法改正論議のためには、国民の側に、本質的な憲法理解、すなわちしっかりした「土台」が不可欠である。憲法改正論議に関心のある全ての人、とりわけ「押し付け憲法論」を信じる人、あるいは「押し付け憲法論」に動揺した経験のある人にとって、本書は、一度は触れるべき必読の書である。

**********************************

以上が三雲崇正さんの推薦文です。私の著作に関して、これほど詳細で、的確な感想または紹介文は、初めてのことです。


『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―
(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)、
闘いはまだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
ご注文は、下記の書店へ。
美和書店 電 話03-3402-4146
FAX 03-3402-4147

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by kenpou-dayori | 2017-01-03 21:48 | 押し付け憲法論への反論
2015年 12月 08日

憲法便り#1462:安倍政権の暴走を生み出した選挙制度の根本を突く共産党穀田さんの意見陳述

2015年12月8日(火)(憲法千話)

憲法便り#1462:安倍政権の暴走を生み出した選挙制度の根本を突く共産党穀田さんの意見陳述

かつて、マスコミもはやし立てて、鳴り物入りで成立した小選挙区制。

衆議院選挙制度調査会で、この問題を正面から取り上げたのが、
日本共産党の穀田恵二国対委員長。

私が日頃から考えていることを、そっくりそのまま代弁して下さったような記事が掲載されていたので、
今日の赤旗2面から、そのまま紹介します。

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by kenpou-dayori | 2015-12-08 20:22 | 今日の話題
2015年 05月 25日

憲法便り#801 ブラボー!「東京ニューシティ管弦楽団・第99回定期演奏会」(6月7日加筆)

2015年5月25日(月)
2015年6月7日(日)加筆:末尾に一口感想

憲法便り#801:ブラボー!「東京ニューシティ管弦楽団・第99回定期演奏会」

知人から紹介されて、5月16日(土)午後に、東京芸術会館で「東京ニューシティ管弦楽団」の第99回定期演奏会を聴きに行ってきました。

正直なところ、疲れているし、今までに聞いたことのない管弦楽団なので、あまり興味はありませんでしたが、
ベートーヴェンのバレエ音楽『プロメテウスの創造物』という曲名に惹かれて、会場に足を運びました。

でも、感想をひとことで言うと、「ブラボー!」

別の言い方をすれば、「来て良かった!」の一言。

「ふたりのBシリーズー第1回」と題したこのコンサートは、私にとっては初めてづくし。

「ロマン派の入口から出口まで」という設定は、初めて。

指揮者によるプレトークも初めて、
指揮者の曽我大介さんの指揮も初めて、

ヴァイオリンの川久保賜紀(たまき)さんの演奏も初めて、

ベートーヴェンのバレエ音楽『プロメテウスの創造物 作品43から』も初めて、

コルンゴルトという作曲家もはじめて、
コルンゴルトの「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」も初めて、

ブラームスの「交響曲第1番 ハ長調 作品68」も初めて。

という訳で、「発見」の連続でした。

知っていたのは、アンコール曲の『タイスの瞑想曲』のみ。

私は、かつて、争議中の日本フィルを応援するため、サントリーホールで年10回開催される定期演奏会のS席2枚を、およそ10年にわたってリザーブしていました。13列の38番と39番です。
そして、妻が行けない時が多かったので、いろいろな方を招待することにしていました。

その当時のことを含めて、様々なことが脳裏を過ぎりましたが、とにかく素晴らしい演奏でした。

感想については、改めて、書きたいと思います。
********************************
2015年6月7日(日)加筆

【一口感想】

「ロマン派の入口から出口まで」という設定は、初めて。

指揮者によるプレトーク:コンサートの企画の意図が分かり易く、良かった。

指揮者の曽我大介さんの指揮:若き日の広上淳一さんを思い出した。

ヴァイオリンの川久保賜紀(たまき)さんの演奏:あるときは、森の中から現れた妖精、あるときは音楽の女神ミューズのよう。久しぶりに聞いたバイオリンの名演奏。

ベートーヴェンのバレエ音楽『プロメテウスの創造物 作品43から』:いつも聞いている曲とは違って、「これが、ベートーベン?」と思うような軽い感じ。

コルンゴルトという作曲家:ナチスから逃れてアメリカで活躍したとのこと。

コルンゴルトの「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」:ミュージカル映画『南太平洋』で聞いた、「バリハイ」に似た旋律や、懐かしいハリウッド映画を思い出すような、涙が出て仕方が無かった曲。アンコールの拍手が鳴り止まなかった。

ブラームスの「交響曲第1番 ハ長調 作品68」:前の二曲に集中しすぎて、いささか疲れてしまい、少し居眠りをしてしまった。

アンコール曲の『タイスの瞑想曲』:ハープだけが前に出てきて伴奏。「絶品」という言葉以外に、見当たらない、川久保賜紀(たまき)さんの名演奏。

全体として:こんなに満足したコンサートは、久しぶり。

by kenpou-dayori | 2015-05-25 21:30 | 音楽・舞台芸術・芸能・映画
2014年 07月 16日

憲法便り#616 劇団民藝の『アンネの日記』を見て来ました

7月16日
昨15日、劇団民藝の『アンネの日記』を見て来た。初めてのことである。
稽古場での上演なので、狭い空間で、舞台と客席、演技者と観客が一体化していて、とても臨場感があった。出演者の表情もよく見え、ほぼ予想していた通りであった。

私は、1989年10月にフランクフルトのブックフェアに参加した後、フランス、イギリス、オランダの古書店めぐりをしたが、その際、アムステルダムでたまたま通りかかった「アンネの家」を訪れた。25年まえのことである。
その日は、たしか休日だったと記憶しているが、見学にきた地元の中学生ぐらいの団体に混じっての見学だった。前の人のお尻に頭がぶつかりそうな、急な階段を昇るのだが、見学者が多いので、階段の途中でしばらく待たされながら、ようやく部屋に辿り着くと、それは、狭い部屋であった。階段を昇るときから、団体の子どもたちは、しゃべり続け、笑い声を上げ続けていた。それを制止する人は誰もいなかった。そんな雰囲気の部屋の中で、私はただ一人涙ぐんでいた。カメラを持っていたのだが、なかなか写真をとることが出来なかった。
その時に感じた実際の空間の狭さと比較して、舞台の空間はかなり広く高い。だが、それがかえって、見る者の、息がつまってしまいそうな閉塞感をやわらげていたと思う。
舞台公演とは全く違った、稽古場公演を是非おすすめしたい。

7月22日の追加公演は、まだ15席ほど残っているとのこと。
『アンネの日記』公演についての『憲法便り#606』もご参照下さい。

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※平和憲法を守る闘いに寄与するため、5月に下記の新著を緊急出版しました。

『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―
(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)

闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。

ご注文は、下記の書店へ。
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by kenpou-dayori | 2014-07-16 09:42 | エッセー