岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

kenpouq.exblog.jp
ブログトップ

タグ:憲法千話 ( 1761 ) タグの人気記事


2018年 07月 30日

憲法便り#2660:憲法便り#2659:新宿区のデモ規制の8月1日実施を撤回し、再検討を求める申し入れ書を提出!の続きです。

2018年7月30日(月)(憲法千話)

憲法便り#2660:憲法便り#2659:新宿区のデモ規制の8月1日実施を撤回し、再検討を求める申し入れ書を提出!の続きです。


【調査のまとめ】

すでに述べたことと重複する部分があるが、まとめを箇条書きで述べておきたい。

●調査は、面談を重視し、私個人の責任で、すべてひとりで行った。

●面談を重視する理由は、私の表情を伝え、相手の表情を読み取ることにある。

  一例を挙げておこう。713日に田中部長と面談していた途中で、渡辺係長が部長室から出て行き、ファイルを持ってすぐに戻ってきた。それまではにこやかに話していた田中部長の表情が変わった。田中部長は、渡辺係長の方を向いて、(それは見せるなという表情で)首を横に鋭く振った。明らかに、上司としての厳しい表情である。渡辺係長がそのことに気が付いていないため、田中部長は、もう一度、渡辺係長の様を向いて、首を横に鋭く振った。

  私は、「いまのは、どういう意味ですか?」と質問した。

  しかし、田中部長は、何も答えなかった。私は、それ以上、追及はしなかった。

●調査の際は、その場での論争はせず、相手の言い分を聞くことに努めた。

●ただし、相手を尊重し、話をよく聞くことと、話の内容に同意することとは別問題である。この考え方については、面談したすべての方に伝えた。

〔第1点:調査に時間がかかりすぎる区政の仕組み〕

●私が面談した大部分の職員は、善良である。事務方の一員として責任を果たそうと努力している。(広報部、区長室の一部の職員は、態度が怠慢、言葉づかいも横柄だったが)

●組織の一員として、真面目に責任を果たしていることと、本当に区民のための行政を担っていることは違う。組織としての「力学」が働くからである。

●今回の調査にあたっての、「要望書」に関する職員の対応は、必ずしも納得いくものではなかった。資料隠し、真相隠しの印象は、最後までぬぐえなかった。

●職員は、誰にでも判り易い区政の在り方を実現のために努力すべきである。

●区の中で、情報が共有されていない。

●「由(よ)らしむべし 知らしむべからず」という、言葉を実感した。

〔第2点:議会軽視は歴然〕

627日の環境建設委員会を傍聴していないが、一方的な決定の通知である。

●議会軽視は、歴然としている。717日の5会派15人の区議有志による、区長への「『デモの出発地として使用できる公園の基準』の見直しに関する申し入れ」は、当然のことである。

●議会事務局に問い合わせとところ、627日の環境建設委員会の際には、報道関係を含めて、74名の傍聴者があった。

●この日の部長答弁に関して、複数の新聞で誤った報道がなされた。

●これは、誤解を生む発言内容、誤解を生む状況を作った区側に責任がある。

●誤報ならば、直ちに訂正を求めるべきである。

●それが、社会に対する誠意というものである。そのままにしておくのは不誠実だ。

〔第3点:つきまとう、ブラックな印象〕

●例え黒塗り部分があったにせよ、「委員会」で「要望書」を公表すべきであった。

●公表しなかったことについて、「他意は無い」と言うが、「作為」はあった。

●「要望書」を公表しなかったこと、相談した弁護士について公表しなかったことで、ブラックな印象がつきまとう。

●このような区政を続けるべきではない。

●今回の決定を、ひと言で表現すれば、「拙速」であり、その極みである。

●ごく一部の人間だけで、日本国憲法に抵触するような重大な決定をしてはならない。

〔第4点:ヘイトスピーチ対策〕

●ヘイトスピーチとその他のデモを同列において、デモの制限をすべきではない。

●区長は、「公園使用基準の見直しの目的はヘイトスピーチ対策」というが、これまで具体的な対策は、何ひとつ行っていない。

●新宿区が「ヘイトスピーチ対策」を、本当にやる気があるのならば、川崎市や大阪市のヘイトスピーチ対策は勿論のこと、東京弁護士会が201868日付で発表した35カ条から成る「人種差別撤廃モデル条例案」(添付資料2-1、22)を参考に、抜本的な対策を検討すべきである。

●東京弁護士会の提案は、今回の新宿区の問題が公になる以前から、時間をかけて検討されてきたものであり、偶然時期が重なったものである。

〔第5点:対立を生む強権的区政ではなく、両立、共生の区政を〕

●いまや、日本は「災害列島」とも言える。震災や大災害の際に、地方自治組織の果たす役割は、重要である。

●その時に備えるためにも、区民の間に深い亀裂を残すような行政をすべきではない。

●社会は、思想・信条の違いを超えて、共生する場所である。

●新宿区内には、多数の外国人が暮らしており、共生が重要な課題となっている

●重要な問題は、常に、丁寧に合意形成をはかるべきである。

〔第6点:歴史的な視点から〕

  最後に、歴史的な視点からの問題指摘をしておきたい。

  これは、区長宛ての「仕し入れ書」であるから、以下の添付資料に関する詳細な言及はしないが、インターネット上で公表する際には加筆することを前提としている。

●東京弁護士会の会長声明(添付資料3)の重要性。

  東京弁護士会は、2018年(平成30年)723日付で、安井規雄会長名の「新宿区によるデモ出発点として使用できる公園の基準見直しに関する会長声明」(6項目)を発表した。

この声明は、単なる問題点指摘、批判に止まらず、人種差別撤廃条約にふれた国際的・歴史的な視点を含み、自らまとめた「人種差別撤廃モデル条例案」(添付資料22)にもふれた具体的提案を伴う総合的文書であり、説得力がある。

6 よって、当会は、新宿区に対し、行政の内部基準の変更によって一律に公園のデモ出発地使用を制限しようとする上記の規制を撤回し、ヘイトデモ等の差別的目的による使用の規制については、当会モデル条例案も参考にして、デモの自由を尊重しつつ、議会の条例制定によることとするよう根本的な見直しを求める。」(同声明 第6項の全文)

 

●人種差別撤廃条約(添付資料4)・・・外務省ホームページを参考にした。

この条約は1965年の第20回国連総会において採択され、1969年に発効。日本が加盟したのは1995年。人種差別撤廃の問題は、この条約が締結される以前から、長く論議が行われている。  

 

●ドイツ連邦共和国基本法(194958日) 9条第2項(添付資料5

  同基本法第9条(結社の自由)は第2項で次の様に定めている。

  「(2)結社のうちで、その目的もしくはその活動が刑事法律に違反するもの、または、憲法的秩序もしくは諸国民のあいだの協調の思想に反するものは、禁止される。」(高田 敏・初宿正典編訳『ドイツ憲法集〔第3版〕』を引用。

 

●憲法懇談会の日本国憲法草案(昭和21年(1946年)35日発表)(添付資料6

(典拠:国立国会図書館電子展示会『日本国憲法の誕生』資料と解説第2章2-11より)

  憲法懇談会は、尾崎行雄、岩波茂雄、渡辺幾治郎、石田秀夫、稲田正次、海野晋吉で構成された、民間の研究会。

  憲法懇談会の憲法草案では、〔特色〕の第9項、〔第二章 国民の権利義務〕第13条、第15条、第16条で、以下の提案をしている。(カタカナを平仮名に書き換え)

  (特色)

  九.個人の権利自由の保障を完全ならしむる為、各条の文言に留意したり。特に言論、集会及び結社の自由は、軍国主義勢力の抬頭を防止する為にする場合を除き、政治活動の面に於ては、法律を以てしても制限し得べからざるものとなしたり。

  (条文)

13条 国民はその信教の自由を侵さるることなし。

  第15条 国民はその平穏なる集会及び結社の自由を侵さるることなし。

  第16条 軍国主義及び過激国家主義の勢力の回復を防止するがためには、憲法第13条乃至(ないし)第15条の規定に拘らず、法律に依り国民の自由を制限することを得。

 ●日本国憲法草案第19条(21条)についての、法制局の逐条説明(添付資料7

 (典拠:国立国会図書館電子展示会『日本国憲法の誕生』資料と解説第4章4-4より)

 日本国憲法の制定過程で、法制局(内閣法制局の前身)が作成した、『憲法改正草案に関する想定問答』および『憲法改正草案逐条説明』がある。

 その中の『憲法改正草案逐条説明(第一輯の二)』(昭和215月)に、思想の自由、集会、結社、言論の自由、表現の自由に関する説明がある。手書きの長い文章なので、ここでは紹介のみに止める。

新宿区今回の決定が、予め仕組まれた意図的なものでなければ、ここに紹介した史料は、再考するきっかけとなるものと思う。

ここまで述べてきた理由により、620日に一部の人間だけで決定した、公園利用制限の81日実施の中止を求める。

以上


[PR]

by kenpou-dayori | 2018-07-30 20:00 | 新宿区のデモ規制強化について
2018年 07月 28日

憲法便り#2659:新宿区のデモ規制の8月1日実施を撤回し、再検討を求める申し入れ書を提出!

2018年7月28日(土)(憲法千話)

憲法便り#2659:新宿区のデモ規制の8月1日実施を撤回し、再検討を求める申し入れ書を提出!

7月25日午後1時に、新宿区みどり土木部みどり公園課に提出してきました。

この文書の原文は、「許可されていないタグが含まれている」ということで、掲載までに何回も試みて、ようやくアップ出来ました。

個人名、新聞名の部分は、記述を変更してあります。


2018725

新宿区長 吉住 健一 様

                                                   住 所

岩田行雄

デモ規制の81日実施を撤回し、再検討を求める申し入れ書

【はじめに】 

貴職とは、本年16日夕刻に、の町内会の新年会で名刺を交換し、花見その他の行事でも、挨拶をしている岩田行雄です。

628日付の新聞報道の「新宿区 デモ規制強化 議会に諮らず反発招く」の記事で、初めてこの問題について知りました。突然のことです。

新聞記事を読んで、はじめに思ったことは、50年以上にわたる区民として、また、日本国憲法成立史の研究者として、このたびの決定については反対ということです。

ただし、新聞報道をそのまま「鵜呑み」にしての意見表明ではありません。自分なりに出来る調査を行い、その結果に基づき、文書による意思表示を準備してきました。


そのため、まず72日に、この問題で区役所に問い合わせの電話をかけ、担当部署が「みどり土木部みどり公園課」であることを知りました。

それ以来、担当部署に電話を掛けるだけでなく、区役所に5回足を運び、柏木公園、花園西公園の実地調査も行ってきました。両公園に近接した町会および商店会から新宿区に提出された、デモの制限を求める3件の要望書(以下、「要望書」とする)は、公文書公開請求により入手し、読んでいます。

それらの結果を踏まえ、以下の申し入れをします。

 なお、文書の表題については、抗議文、声明文、要請文、要望書等も検討しましたが、申し入れ書としました。ただし、73日以来、単に調査をするだけでなく、みどり土木部みどり公園課に、口頭で反対意見を伝えてきたことを明確に表明しておきます。


申し入れの主文


デモ規制の81日実施を中止、撤回し、決定の見直しをはかること。


撤回を求める理由

 撤回を求める理由を、「法律、条例等の論点から」、「民主主義の問題」、「調査した過程」の3点にわたって述べます。

「調査した過程」には、「みどり土木部の田中孝光部長への質問と回答」を含みます。

 なお、正確を期するため、新宿区のインターネット中継の画面から、岩田自身がテープ起こしを行った612日【下村治生区議(自民党・無所属クラブ)の代表質問と、区長答弁】を添付します。


【法律、条例等の論点から】

法律的な視点から検討した問題点は、新聞報道の翌日、2018629日付で発表された、自由法曹団東京支部小部正治支部長の『新宿区の「デモの出発地として使用できる公園の基準」見直しに反対し、直ちに新「基準」の撤回を求める声明』に、具体的かつ詳細に指摘されています。(添付資料1)

同声明文(5項目)が検討し言及しているのは、日本国憲法第21条のみならず、新宿区立公園条例第31項、2項、3項、4項、地方自治法第2441項、2項、3項、および新宿区の新旧の基準です。そして、ヘイトスピーチデモ対策についても言及しています。したがって、基本点は尽くされていると考えます。(添付資料1)。

同声明文から、1か所だけ引用しておきます。

私が注目した同声明文2項は、公園について次のように述べています。

「公園は、典型的な公の施設であり、伝統的に集会やデモ行進の集合・出発地点として用いられてきたパブリック・フォーラムである。それゆえ、その利用は原則として認められるべきであって、これを正当な理由なく制約することは、憲法の保障する表現の自由及び集会の自由の不当な制限となる。

したがって、公園の一時使用申請について許可をするに当っては、その公の施設およびパブリック・フォーラムとしての性質に鑑み、原則としてこれを許可しなければならず、申請を拒否することができるのは、利用者の希望が競合する場合のほかは、施設を利用させることによって、他の基本的事件が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険がある場合に限られるというべきである(最判平成737日民集493687頁、日比谷公園の使用不許可処分にかかる日本弁護士連合会2012年(平成24年)119日付会長声明参照)。

参考までに「日本国憲法第21条」の全文を示しておきます。

「第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」

【民主主義の問題】

あまりにも拙速であり、一部の職員だけで進めた感が否めません。

民主主義の原則は、透明性を保障することですが重要な要素ですが、今回の措置は透明性に欠けています。情報が区民に開かれていません。区民無視です。

議会にも諮っていません。議会軽視です。議会で論議すべき問題です。

今回の決定は、民主主義とは相容れない、安直で、強権的な手法です。

【調査した過程】

 今回の調査の前提としたのは、まず、事実の正確な把握です。この考え方は、面会した人々すべてに伝えてあります。

私は、1980年代前半から、1618世紀ロシアの書籍文化史研究に専念しています。300年も前の文献を調査するような研究です。ですから、反対運動とは別に、新聞や文書類を正確に読み取り、資料として正確に残すことを、重要な作業と考えています。

下記の日誌に含めた「質問と答え」は、丁寧語で話していますが、分かり易くするために、簡略な表現に変えています。調査した結論については、文末のまとめで述べます。

628日、新聞報道で、デモの規制強化を知る

72日(月)午前8時半~9時、区役所に電話。担当部署の窓口である「みどり土木部みどり公園課公園管理係」に辿り着く。電話に出た職員に用件を伝えると、「一番詳しい人に代わります」とのこと。電話に出た公園管理係渡辺係長に、公園の使用許可について新宿区の取り扱いを定めた「デモの出発地として使用できる公園の基準」の新旧規則をインターネットで見たい旨を伝える。係長の答えは、「これを見る人は数が限られているので、インターネットには掲載していない。新宿区役所まで来ればコピーは提供でききます」。

コピーを要望し、73日午前9時の約束をする。


73日(火)午前9時、係長と面談、新旧規則のコピーを受領。

その際、「こんなに大きな問題になっているのだから、インターネットで公開すべきである」と伝える。そして、新聞記事に基づき質問し、さらに生じた疑問についても質問した。

質問①:新聞記事に「区は関係部署で協議」とあるが、具体的には?

答え:総務部(ヘイト)、危機管理担当部(災害、震災、防災)、地域振興部多文化共生推進課、その他に警察、消防との情報共有もしている。

質問②:柏木公園、花園西公園の周辺住民からデモの制限を求める「要望書」は何通?

答え:最初は「4団体」からとの答え。だが、さらに詰めて質問したところ「4団体からの3通」であることが判った。3通のうち1通は、2団体の連名。

質問③:新基準を作成したのは誰か?

答え:担当者が作成し、係長、課長を経て部長に。したがって、公園課としては組織的手続きを踏んでいる。

   (ここで、これまで使用されていた4つの公園の周辺を調査し、色分けをした地図を提示された。公園の使用可能な部分は緑色で塗りつぶし、学校・教育施設はピンクの線、住宅は黄色の線、ホテルは青の線で囲ってある)

質問④:公園と近接しているという際に、距離に関する具体的な基準はあるのか?

答え:ありません。新宿中央公園の場合、近くに商店街はないし、ホテルがかなり離れているので、使用可能と判断した。

質問⑤:参考になるので、この地図のコピーを貰えないか?

答え:コピーは提供できないが、区役所の1階にある住宅地図をコピーしてきて、ここで、手書きで複写することは可能です。

   私たちが作成したこの地図も、住宅地図のコピーを利用して作成したもの。


質問⑥:627日の環境建設委員会での部長の発言を正確に知りたいが、議事録はないのか?

答え:議事録については、議会事務局の担当なので、そちらに聞いて欲しい。

質問⑦:新聞記事に、部長の答弁として「私自身、住んでいる家の近くの公園に警察がしょっちゅう来て、デモがあるのは嫌だ」と述べたと書かれているが、この発言が事実かどうか、本人に直接確かめたいので、面会を申し入れたい。

答え:課長ではダメでしょうか。

私:ダメです。部長本人から直接聞きたい。

答え:部長は、明日から3日間出張なので、来週月曜日710日(後に火曜日711日に変更)にお答えします。

質問⑧:新宿区の今回の決定に対して、中止・撤回を求める意見、要望書等は、現時点でどれくらい届いているか、概数を教えて欲しい?

答え:郵送・ファックス等で150件以上。ファックスが多数を占めるが、そのうちの大部分は同一の形式の文面のもの。その他に、渡辺係長が電話でうけてものが78件、メール15件弱。

質問⑨:区長室など、他の部署に届けられているものもあるのではないか?

答え:どの部署、窓口に届いても、すべて公園管理係にまわされてくるシステムになっている。それをこちらがまとめている。区長は多忙なので、送られてきた文書を読むことはない。

質問⑩:私は、これから「申し入れ書」を提出する準備をしており、区長室に届けるつもりだが、それでも、区長に届くことはないのか?

答え:ありません。そのまま、こちらにまわされてきます。

質問⑪:周辺の住民から苦情や要望を聞いた際に、「要望書」を提出するよう働きかけたことはないのか?

答え:ありません。

私:そう、「ありません」か・・・。

*なお、この日、「公文書公開請求」をすれば、柏木公園および花園西公園近接の町会、商店会から提出された「要望書」の複写を入手することが可能であることを知らされなかった。その点では、不親切であった。国政に関しては、2016年および2017年に、内閣法制局(マッカーサーの書簡、憲法九条の解釈の変更問題)、法務省(共謀罪法)、防衛省(自衛隊のサマワ日報隠蔽問題)などで、2,000頁を超える情報公開請求を行い、文書を入手した経験をもっている。したがって、区政に関しても、「公文書公開請求」に思い至れば、良かったのだろう。だが、はじめから、教えて欲しかった。こんなところにも、隠そうとする意図が働いていたと思う。


74日(水)午前11時~11時半、区議会事務局で、環境建設委員会(以下、「委員会」と略)の担当者と面会。

 質問①:「要望書」の内容は知っているか?

答え:要望書自体を、事務局は把握していません。

質問②:情報が共有されていなということか?

答え:議会事務局の職員として、マイクの設定等、「委員会」の運営のために在室しているだけで、内容には関わっていません。627日の委員会は、1103分開始、1222分終了。

質問③:「委員会」に要望書は、627日には、提出されていなかったのか?

答え:提出されていませんでした。

質問④:「委員会」の議事録を見たいのだが、いつ頃公開されるのか?

答え:2ヶ月ほど先のことになります。本会議は速記者が配置されるが、「委員会」は速記者なし。記録は音声記録のみ。まだ、テープ起こしには取り掛かっていない。テープ起こしに1カ月、インターネットに公開する文章確定までにさらに1カ月かかる。最終的には、議長決裁。委員長に確認を求めるけれども、各委員には確認を求めない。(後に、827日に公開の予定と確認)

75日(木)午後、柏木公園および周辺地域を実地調査。

76日(金)、係長と面談、公園および周辺の地図を複写。

3件の「要望書」に関しては、公文書公開請求書を提出すれば複写が入手できることを、係長から知らされる。

77日(土)午後2時半、商店会長に電話。留守番電話に、「新聞記事に書かれている発言は、そのまま受け止めていいのか、うかがいたい」というメッセージと、私の電話番号を伝える。

710日(火)午前9時、部長からの電話を受ける。面会の日時は、713日(金)午後1時半から2時までの30分間と決定。

712日(木)午後、公文書公開請求に基づき、公園管理係で、2件の公文書受領。

 この際に、公園管理係の窓口では、ヘイトスピーチ対策を講じているのか質問した。

 担当者は、「窓口では、法務省人権擁護局・全国人権擁護委員連合会作成の黄色いチラシを渡すだけで、それ以上のことはしていないし、出来ない」とのことであった。

713日(金)午後125分、区役所7階みどり土木部の部長室で、部長と面会。課長、係長が同席。

 9項目の質問事項を列挙した手書きのメモに基づき質問を開始。

質問事項が、最終的には13項目にわたっていたため、713日午後125分から220分までの面談となった。冒頭、憲法談義があったが、ここではふれない。


質問①:612日の本会議での区長の発言を確認したいが、区長の発言は本当か?

 部長:本会議についてはインターネット中継を行っており、今もそのまま動画で見ることが出来ます。今、その手順をご説明します。(このあと、部長席のパソコンを立ち上げ、部長自ら手順を教えてくれた。)

 私:ありがとうございました。家に帰って、さっそく見ます。

 質問②:地域からの「要望書」そのものを「委員会」に提示しなかったのは何故か?

 課長:他意は無い。委員会のために用意しなければならない資料が多かったので、「要望書」は用意しなかった。「要望書」提出者のプライバシーに配慮した。要望については、部長と私の二人で説明した。「委員会」のほとんどの時間を、この問題で使った。

 私:他意は無いねえ・・・。(でも「作為はあった」と思いながらも、次へ進んだ)。

 質問③:自由法曹団東京支部長の声明文を読んだか?(もしも、「まだ読んでいない」という答えだった場合には、かなり厳しく追及する予定であった)

 部長:読みました。

 質問④:この声明文をどのように受けとめたか?

 部長:憲法のことはきちんと受け止めなければならないと思った。

 質問⑤:公務員に採用される時点で、憲法遵守の誓約をしたはずだが?

 部長:はい。ですから、「要望書」に応えることと、公園の使用の問題の両立をはかるため、事前に弁護士とも相談した。弁護士の意見は、「(利用可能公園を)ひとつ残せば、問題はなかろう」ということで、今回の決定となった。

 質問⑥:新宿区の顧問弁護士か?人数は?

 部長:それは、明らかに出来ない。

 私:肝心のことになると、ブラックになってしまう・・・。そこが問題なのだ。

 

 質問⑦:デモの回数が増えているのは、政治情勢、とくに安倍政治の悪政の反映と考える。今回の決定で、結果的に、ヘイトスピーチ以外のデモを抑え込むことになる。すべてのデモがなくなれば良いと思っているのか?

 部長:いいえ。昨年度のデモの回数は、77回です。(他の細かい説明は不要と断った)

●この回数が増えても、新宿中央公園は利用可能としていますので、デモは以下の回数が可能。

●公園の利用は、午前と午後各1回受け付けているので、次の数字を考えた。

●1年365日×2730回が可能です。

●デモの申請は、土日が中心です。

●日曜日だけを考えても、52回×2104回が可能です。

●土曜日を加えれば、さらに回数が増えます。

 

 質問⑧:新聞記事に「区みどり土木部の部長は答弁で、『私自身、住んでいる家の近くの公園に警察がしょっちゅう来て、デモがあるのは嫌だ』と述べた」と書かれているが、この発言はそのまま受け止めていいのか? 

部長:それは、私の答弁の一部分を伝えているもので、事実ではない。

    私が言ったのは、柏木公園の周辺の方々を思いやって、「仮に、仮に(2回繰り返した)、私があのような環境に住んでいたならば、つらい思いをして、嫌だと思う」ということです。

 質問⑨:部長自身が、自分が住んでいる地域で、今回のような「要望書」を提出したことはないのか。

 部長:ありません。私が住んでいるのは新宿区外で、かなり田舎なので、近くに公園もない地域です。

 質問⑩:「要望書」を提出した人物と気脈を通じた部長が、区民の目の届かないところで、短期間に、一気に決定まで持って行ったという印象はぬぐえないが?

 部長:以前から、様々なところで、苦情や要望を聞いていた。

 質問⑪:最初に伝えたように、1980年代初めからの私の専門は、1618世紀ロシアの書籍文化史で、史料を正確に読み取ること。

     公文書公開請求で開示された3通の「要望書」を比較すると、文章構造、特定の言葉の使い方から、同一人物の介在が読みとれる。改行後の冒頭の「さて」、「頻繁に」とすべきところを「頻発に」、「頻繁に行われ」とすべきところを「頻発に行われ」としている。具体的に示しておこう。どう見ても、ひとりの人物が画策していると考えられるが、そうは思わないか?

     〔要望書1〕平成30525日付、柏木公園近接の商店会、町会連名

      3行目から4行目 さて  黒塗り部分  柏木公園は、ここ数年デモの出発地として頻発に使用されている状況にあります。

     〔要望書2〕平成3067日付 花園西公園近接の町会からと推定

      2行目から3行目 さて  黒塗り部分  花園西公園を出発地として、ここ数年デモが頻発して行われております。

     〔要望書3〕平成3067日付 花園西公園近接の商店会からと推定

      3行目から4行目 さて  黒塗り部分  花園西公園を出発地として、ここ数年デモが頻発して行われております。   

 部長:それは、先方のことなので、われわれとしては、何とも答えようがない。

 質問⑫:525日付の「要望書」は1通で2団体の連名、67日の2通の「要望書」は、別の団体からのものだが一括処理されている。それぞれ、複数で提出に来たのか、それとも、ひとりで来たのか?

     これは、重要な問題だ!

 係長:それは、判らない。一緒に来てもエレベーターホールで待っていたかも知れないし。

 質問⑬:黒く塗りつぶした部分に、区長や、部長の名前が書いてあるのではないか?

 部長:ありません。塗りつぶした部分は、団体名や、個人名に関する個所で、プライバシーを保護するため。

 私:区が相談した弁護士も知らされない、「要望書」も黒塗りがある。委員会の議事録は8月末にならないと見ることが出来ない。区民は、何も知らされないまま81日をむかえることになる。

のちほど、調査過程の詳細を添えた「申し入れ書」を提出します。

  以上で、部長室での話は終了したが、帰りがけにエレベーターホールまで送ってくれた係長から、次の話を聞いた。

 質問:規制の81日実施の中止・撤回求める意見は、現在、どれ位来ているか?

 係長:大ざっぱな数字ですが、ファックスは220230件、電話は20件。

 質問:この問題で、事務方は、いつ頃から動いているのか?

 係長:今年三月末に、苦情など多少の動きはあったが、事務方が取